マガジンのカバー画像

紗希の超短編集 1

96
今が2020年なので、私が小説を書き始めて2年を過ぎました。私は家族、家庭としては壊れている家に生まれ育ちました。 初期の作品は、どれも子供の頃の私の気持ちが反映されていて、かな…
運営しているクリエイター

#小説

#影 帽 子

生まれて最初に住んだ家は、あちこちから廃材を集めて、祖父が建てたと訊いている。プロの大工…

紗希
4年前
22

#【優しく微笑みたい】

その青年は、道端に落ちているゴミが気になるらしく、どんなに小さなゴミも見落としはしない。…

紗希
4年前
25

あの頃の時間

私の高校に今日から新しい教師が来る。かなりのイケメンで、尚且つ独身だという事で、女子校で…

紗希
4年前
38

初 恋 ~あの頃の時間より~

「えっ、初恋の人?玲子の?」「うん……」「守山先生が……そうなんだ」 窓から5月の風が…

紗希
4年前
39

懐かない猫

同僚に、無理矢理マージャンに誘われて、気がつけば終電を逃してしまった俺は、仕方なくタクシ…

紗希
4年前
41

続・懐かない猫

美帆は部屋に入ると、ソファーに座り、俺の入れた紅茶を、ゆっくりと飲んでいる。俺からは何も…

紗希
4年前
38

#華やか薔薇の一瞬の影

「だからね、この先も避けて行くつもり」へぇ〜なるほどね凄いじゃない ーー ーー ーー ーー ーー ーー 高校の時、私には華という名の友達がいた。彼女は両親が医師で親戚も医師、大学教授、代議士(のセンセ)、女優といった豪華な人達がたくさんいる。華の自慢だった。 私は何回も、泊まりがけで華の自宅に遊びに行った。一階が両親の病院で二階からが自宅になっていた。とにかく広い家なのだが、どの部屋も雑然としていて、広いのに息苦しさを感じる。          🍃💐🍃 一度、和室に

#あなたが戻る日

あの日も雨の夜でした。あなたは、私の知らない遠くへ行ってしまいました。あなたが今、いる場…

紗希
4年前
42

#『サヨナラ』の理由

むかしは冬の海辺といえば、閑散として、人の姿は、僅かだった。今は1年中、サーファーたちで…

紗希
4年前
33

おじいちゃんてばー

「おじいちゃん、そろそろお風呂……あら?」「タカシ、タカシ、おじいちゃんが、またどっかに…

紗希
4年前
48

外灯が照らすもの

弓子は最近、妙な噂を耳にした。住んでる住宅地にある小さな公園に、深夜になると、幽霊が出る…

紗希
4年前
31

#【なんか違う気がするんだけど】

時刻は午後9時を周ったところ。晴美はキッチンで洗い物をしていた。「ねえ、晴美ちゃん、ちょ…

紗希
4年前
26

#【結婚紹介所】

その夜は残業が長引いてしまい、私は足早に駅に向かっていた。「女性をこんな時間まで仕事をさ…

紗希
4年前
32

【約束の日】

一年前、海の傍に有る喫茶店で、初めて貴方に出会った。窓際の席に一人で座って、海を眺めていた人。 その手は忙しいそうに、小さなスケッチブックの上を動いている。 隣のテーブルで、珈琲を飲んでいた私は、スケッチブックの中に、徐々に完成されていく海に、見惚れていた。 貴方は、視線を私に向けた。 絵を覗いていた私は、恥ずかしくなった。「キレイですね」やっとの思いで、そう云った。 貴方は嬉しそうな顔で、「そうですか?ありがとうございます」 「自然を描くのは、難しいです。もう完