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「◯◯について考えてはいけない」は無理・シロクマ実験・ルールを増やさない

平成も終わりに近づいた頃、「自由に生きよう」と発信していた人たちからよく聞いたのが、

「期待してはいけない」
「後悔してはいけない」
「心配してはいけない」
「ネガティヴなことを考えてはいけない」etc

のような発言でした。

自由になるために、してはいけないことがたくさんある…というパラドックスのような話です。

それを聞いた時に、期待も後悔も心配もネガティヴな思考も勝手に湧いてくるのだから、「いけない」と言われても、それが湧いてくる前に察知して止めることは出来ないのではないか…❓と疑問に思っていました。

暫くして、スタンフォード大学のケリー・マクゴニガル博士の著書で、心理学のシロクマ実験について知ることになりました。

ざっくり単純化して言うと、「今から◯分間、何を考えても良いけれど、シロクマのことだけは考えないでください」という指示を出された被験者達は、それを言われた瞬間からシロクマのことしか考えられなくなり頭を抱え込む…という、面白い実験です。

これは、自分でも実験できます。タイマーをセットして、例えば1分間でもやってみると、被験者と同じような状態になることが分かります。

人は禁止されると、ますますやってしまう。

なぜそうなるかというと、その本だったか他の情報源だったか忘れたけれど、これも記憶からのざっくりの説明ですが「脳が自分がシロクマのことを考えていないかの監視を始めるため、逆にその事ばかり考えてしまう」のような話でした。

後に知ったのが、脳のシナプスの働きを脳内の小人に例えて、思考は小人たちが過去のデータをもとにした連想ゲームで自動的に作り出して、その結果を私たちに渡してくるものだ…という前野隆司先生の受動思考仮説でした。

「私」が意識的に思考しているのではないのですね。(よく、悟り系の方々が「思考は私ではない」と言っています。)

ということで、やはり、思考そのものを自分の意思で生み出さないようにするということは出来ないのだと分かります。

これは無意識の領域で起きていることです。

小人の話から私が勝手に連想したのは、

「シロクマのことは考えてはいけない」という指示を受け取ったある小人が監視人となって、

「お前、シロクマのこと考えてないだろうな❓」
「お前はどうだ❓」
「まさか、シロクマのこと考えてないだろうな❗️」

…と他の小人たちをチェックし始めて、結局小人たちみんながシロクマのことばかり喋ってしまう…という図です。(あくまでも私のオリジナルな空想です😄)

◯◯についての思考が湧くところまでは、無意識の領域なのでコントロールすることはできません。

でも、湧いてきたその後のことは、顕在意識の領域になるので、その思考に浸り続けるのかどうかの選択が自分でできます。

Dr.ジョー・ディスペンザは「知識を持つことは大事」と言っています。

例えば過去の嫌な出来事の記憶や未来の心配に浸っている時、自分の身体に何が起きているのか?を知ること。

身体がチープなタンパク質を作り出してしまう。↓

私たちが何かについて考えている時に、身体はそれが今起きているのか、未来のことなのか、過去のことなのかの区別ができないそうです。

未来の心配事や過去の嫌なことを考えている間、身体はあたかもそれが今起きているかのようなストレス反応を起こすとのことです。

そのことを知っていれば、その思考に浸り続けるのかどうか❓の答えは出てきますよね。

また、過去の記憶に関しては、記憶の50%は間違いだとも言います。

未来にしろ、過去にしろ、起きてもいない事を考えて、ストレスを感じている…😱

まさか自分がそんなことをしているとは…。

ですから、自分の思考に気づくこと(メタ認知)が大事。

人間の脳はネガティヴ思考になるように出来ているそうですから、ネガティヴに考えてしまっても悪いことをしているわけではありません。

あとは繰り返しの練習だと言います。

「あっ、また(脳内小人が)やっているな。」と気づいて、プログラムの解除をしていきます。

思考のパターン=プログラミング

知識を持って繰り返し練習することで、プログラムが解除されるのだそうです。

今回は「◯◯を考えてはいけない」は無理だけれど、思考に支配されないための方法はある、ということですね。

このことに限らず、「◯◯してはいけない」という新たなルールを自分に課すことをやめた方が良いと私は思っています。


禁止するより、むしろそれをすることを許すことで、拘りをなくして自由になれるのではないかと思っています。

人間の思考や意識の仕組みを理解した上で繰り返し練習することで、より楽に、軽く生きられる可能性があることを、多くの人が発信しています。

そんな中の一つの考え方をご紹介しました。

今月の記事の更新はこれでおしまいになります。



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この楽曲はこちらのオリジナルアルバムGentleに収録されています。





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