言葉の宝箱 0335【わたしは好きが一番。それ以外はない。好きだと許せることが、好きじゃないと我慢しなければならなくなる】

『恋愛仮免中』原田マハ他（文春文庫2017/5/10）

３年越しの恋人が無断で会社を辞め、ショックを受けて結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、行く末。人の数だけ、恋の形はある。人の心が織りなす、甘く切ない恋愛アンソロジー５編。
『あなたが大好き』奥田英朗『銀紙色のアンタレス』窪美澄
『アポロ11号はまだ空を飛んでいるか』荻原浩
『ドライビング・ミス・アンジー』原田マハ『シャンプー』中江有里

・夢はいろいろあったが、行動しないまま年月が過ぎ、
なんとなく身の丈を知るようになった。
今手にしたいのは地味でもしあわせな家庭だ　P9

・結婚というのは生活だから、
現実と照らし合わせて決めないと、あとが大変なんじゃないかなあ　P16

・結婚して家庭を築くって事業なのよね。
事業には事業計画書が必要だし、双方の釣り合いが大事になってくるし、
そうなると恋愛感情だけだとどうなるのかなあって　P23

・わたしは好きが一番。それ以外はない。
好きな人だとゲップでもオナラでも許せる。
好きじゃないと許せない。そういうことなんじゃないの。
好きだと許せることが、好きじゃないと我慢しなければならなくなる。
同じ屋根の下に暮らすわけだからさ、
わたしは好きな人じゃないと無理なの　P48
・中学生になった僕が気づいてしまったことのひとつは、大人や教師が物事を知り尽くした常に正しい人々などではなく、それぞれに歪で、僕らを狭苦しくて自分勝手なルールの中に閉じ込めようとする、羊の番人みたいな連中だってことだ　P110