「ハッピィ・バースデイ」第6話(全10話)
乗り換えの駅で途中下車して、夜でも賑やかな街を歩いた。こんな日に、一人で家にいてもしかたがない。寂しさが倍増するだけだし、またいつものように、聡志に連絡するに決まっている。だったら、やることは一つ。新しい人を探せばいい。どこから来たのか、どこへ行くのかわからないけど、こんなにもたくさんの街を歩く人たちがいる。きっとこの人たち中から一人くらいは、私に合う人もいるでしょう。二十代最後の日。できるだけ聡志に迷惑をかけず、寂しくならない方法を、今日はゆっくり考えてみようかな。
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