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「ケトン体代謝こそが、人の本来の代謝であった」⑥

これまでの記事はマガジンにまとめてありますので
一つずつ読んで理解を深めてください。

今回は妊娠糖尿病の食事法についてご紹介していきます。
少し長いですがぜひ最後まで読んでください♪


妊娠糖尿病の場合の食事療法

現在の産科婦人科学会診療ガイドラインでは
・普通の体格の妊婦(非妊娠時BMI:25未満)標準体重×30+200Kcal
・肥満妊婦    (非妊娠時BMI:25以上):標準体重×30Kcal

妊娠中の食事は高血糖を予防し、血糖の変動を少なくするために
4分割ないし、6分割食にするように言われている。
1日3回の食事を4回or6回にし、毎食各種栄養素が均等になるようにする。

また1型糖尿病では、夜間の低血糖防止のために
就寝前に0.5ないし1単位(80Kcal)の間食をとるようにする。
食事・運動療法だけで血糖管理が困難な場合はインスリンを使用する。

インスリン療法
妊娠中はインスリン抵抗性が増して、インスリン使用量が増加する。
厳格な血糖コントロールが必要なために、インスリン基礎量と追加量を
補充する強化インスリン療法や、持続皮下インスリン注入療法などが推奨されている。

産科婦人科学会診療ガイドライン

高血糖による母体・胎児への合併症

妊娠糖尿病において、厳格な血糖コントロールをする理由の一つとして
母体や胎児への合併症が懸念されるからです。

胎児への影響
・流産、奇形、低体重児 ・低血糖症 ・心臓病 ・呼吸窮迫症候群
・子宮内胎児脂肪 ・・・etc

母体への影響
・糖尿病性腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化 ・早産 ・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多 ・巨大児、肩甲難産 ・帝王切開

分娩後6週間後には75g糖負荷試験を行い
再評価しておく事が必要で、大切。

妊娠糖尿病ではインスリンは分泌している

現在の日本で行われている妊娠糖尿病の標準的な対応で
妊娠糖尿病の管理は【カロリー制限食】となっています。

例)
体重50Kgの方の場合 50×30+200kcal=1700kcal
通常の妊婦の推奨摂取カロリーと比べて、30〜40%にあたる
1000kcal減の極端な低カロリー食となっている。

肥満の妊婦でも、60〜70Kgとして 2000〜2300kcalとかなり厳しい値。

厳しいカロリー制限食を守れず、食べてしまい
高血糖を持続してしまう例が多い。
↓↓↓
インスリン治療が必要となり、インスリンを使用する妊婦が増えてしまう。

インスリン=肥満ホルモン →→→ 使えば使うほど肥満になってしまう。
という悪循環を生み出してしまっている。

通常1型糖尿病の場合、インスリンはほとんど分泌していない。
2型糖尿病はかなり分泌が悪い、もしくは分泌しているが効果がない状態。

しかし、妊娠糖尿病では、インスリンの分泌があります。
インスリンの正常値は2〜30程、妊娠糖尿病は数十〜数百も分泌している
という検査結果があり

インスリンが分泌しているのに、
血糖値が上がってしまうのが妊娠糖尿病なのです。

現在の管理方法は、
インスリンの効果がない

インスリンを投与

肥満傾向になる

さらにインスリンの抵抗性が増す。
というサイクルを作り出してしまっている状態なのです。

食事指導でも、カロリーの半分以上を炭水化物が占めており
高血糖に傾いていくような栄養割合なのが現状です。

妊娠糖尿病では、1600〜1800kcalの食事が推奨されています
(低カロリー高血糖食)
厚生労働省の指導指針では、妊娠30週以降の後期には
2750kcalの栄養が推奨されています。
この2つの指標には1,000kcalもの開きがあります。なぜなのでしょうか。

すでに糖尿病と診断され、80Kg台の体重がある女性が、1日1,600kcalで
過ごすというのは酷な話ですよね。
その1,600kcalの中身も、炭水化物を60%摂るように指導されているのです。

1,000kcal下げた分、胎児の栄養に必要なタンパク質も必須アミノ酸も下げられてしまいます。
一方で、必然的に摂取糖質量が増えるため、血糖値は上がりやすくなります。

血糖値が上がる

インスリン投与量増加

肥満
という悪循環を生み出してしまいます。
妊婦は低カロリーな食事を摂取しているのにも関わらず、体重は増え
胎児までもが巨大児になっていくという良くないパターンが存在してしまいます。

妊婦は、インスリン抵抗性がますます増大

インスリンの投与量はさらに増加

血糖管理が難しくなる

妊娠高血圧症候群などの合併症の増加

経膣分娩の困難化

誘発分娩・帝王切開
となることが増えてしまうのです。

妊娠糖尿病の管理

ここから糖質制限食をススメる妊娠糖尿病の管理について。

糖質制限食とMEC食による管理

糖尿病の原因である血糖を上げる栄養素は【糖質】のみ。
→糖質の量を制限して、必要カロリーをタンパク質や脂肪でしっかり摂る
 (糖質の摂取を0にすれば血糖は上がらないがそれは不可能。)
 ある程度の血糖上昇を許容するとして、1日の糖質量を決定する。

・最も厳格な糖質制限は、毎食20g程度の糖質量をベースとし、
 1日量を60g以内とするもの。【スーパー糖質制限食】
 糖尿病や減量に最も効果的
・1食だけ主食を摂る糖質制限【スタンダード糖質制限】
 カロリー制限食に比べて効果が出やすい
・1食だけ糖質抜きとする糖質制限【プチ糖質制限】
 軽いダイエット向き

おおむね妊娠糖尿病はスタンダードでも十分管理可能です。
ダイエットが目的であればどの方法でも効果的です。

1回の食事で、糖質を20g以内にすれば、2型糖尿病の方の場合
血糖の上昇は60mg /dl程で済みます。
食前血糖が80mg /dl前後になる方であれば、140mg /dl以内で収まります。
薬を使用せずにこの範囲でコントロールが可能になれば上出来だと言えます

MEC食とKK30

糖質制限と原理は同じで、妊婦さんに説明しやすく
誤解されにくい管理方法です。

『糖質を摂らない』というより、
『肉(Meet)、卵(Egg)、チーズ(Cheese)を積極的に摂る』
というイメージの食事法です。
そしてそれらを、30回よく噛んで食べ、(KK30)
その後なら何を食べても良いという考え方です。

糖質制限やMEC食で妊娠中を過ごすことの利点

・「糖尿病妊娠」あるいは、「妊娠糖尿病」でもインスリンを使用せずに
 血糖コントロールが1日中乱高下せず良好となる。
・食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった
 母体と胎児に悪影響を及ぼすようなことも起こらない。
 →CGM(持続血糖測定器)で見ると曲線はなだらかであった。
・糖質依存状態から脱することが可能となり、面倒なカロリー計算を
 しなくて良くなる。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます☺️
今回は「妊娠糖尿病」の管理方法についてご紹介しました。
今回の記事は楽しんでいただけましたでしょうか?
次回の投稿もお楽しみに!

私もまだまだ勉強中の身です!一緒に健幸になりましょう♪

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参考著書
ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)
宗田哲男

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