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子どもとすごす日々のこと

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子どもとくらしながら考えたことを書いています。
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#エッセイ

どんぐり

どんぐり

娘がポケットに詰め込んで、持ち帰ったどんぐり。

庭にまいたら、いつの間にか芽を出していた。

時間がたつにつれて木は育ち、5・6年くらいは経っただろうか。

今年その木にはじめてどんぐりが実り、少しずつ色づいている。

それを見つけた娘がはしゃいだ。

こういう小さな出来事で、僕はうるおっている。

割れた鏡が教えてくれたこと

割れた鏡が教えてくれたこと

先日、自宅にある鏡がひび割れていることに気づきました。
長女(小3)に探りを入れてみると、どうやら子どもたちだけで遊んでいる時に、次女(年長)が割ってしまい「怒られるから内緒にしておいて」という話をしていたようです。

翌日、頃合いを見て次女と一対一で話をしました。
割れた鏡が見えるところで、膝にのせて抱っこをして、何が起こったのか、ゆっくりと順を追って確認しました。答えるのは勇気がいるだろうな、

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コロッケと泥団子

コロッケと泥団子

先日、主宰しているの森のようちえんの活動でコロッケづくりをした。
小さい子でも食べやすいミニサイズのコロッケ。

ゆでたジャガイモをつぶし、玉ねぎやニンジンを切って炒めて、みんなでタネをこねて、小麦粉、卵に、パン粉をまぶして~♪
野外での調理だったので、油の温度がなかなか上がらないというトラブルはあったが、最後はみんなでおいしくいただいた。

その日、帰宅してからのこと。
次女はそのまま庭でままご

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夜、寝る前の子どもとの会話

いつの頃からか、夜、寝る前に子どもに尋ねるようになったことがある。
「今日、楽しかったことはなんですか?」

もともとは「1日の終わりにその日をふりかえり、ポジティブなことを思い出すことで良好なメンタルを維持しやすくなる」という話をどこかで知って、自分自身が内省的にやり始めたことだ。

この言葉を子どもに投げかけたら、気持ちよくぐっすり寝てくれるかも?自分の気持ちを言葉で表現する練習になるかも?な

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子どもが残酷な物事にふれたとき、どうふるまうか

子どもが残酷な物事にふれたとき、どうふるまうか

「ぶちころす」
5歳の娘の口からこんな言葉が出て、ギョッとした。

どこでこんな言葉を覚えたのかと思ったら、保育園で借りてきた『はなさかじいさん』の絵本だった。

「パパ、この本、悪いおじいさんが犬をぶちころすんで」
と1日に3回くらい言われたので、彼女にとってこの場面が強烈な印象を与えたことは間違いない。

寝る前にせがまれて本を読みきかせていると、
「くわって何?」
「ふりあげるってどういうこ

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娘の誕生日に思うこと

娘の誕生日に思うこと

今日、三女が3歳の誕生日を迎えた。
いつもより早く起きた娘に「お誕生日おめでとう!」と言ったら、
少し考えるそぶりを見せてから、「うん」と答えた。

これは三姉妹の全員に対して言えることだが、誕生日にはその子が生まれたときのことを思い出す。

何だかんだで、産院の分娩室で子供が生まれる瞬間に立ち会うのは
3人目にして初めてだった。

出産というものは、自分にとって怖い時間だった。
妻は繰り返し訪れ

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チューリップは2度咲く

小学校が春休みに入る前、
長女が学校からチューリップを植えた鉢を持ち帰った。
「花が咲くまでうちで育てるんよ。うえきばちは新学期になったらまた学校に持っていくの。」

4月に入って何日かすると、チューリップは花を咲かせた。
「(球根に)オレンジって書いてたけど、赤い花やん!」と突っ込む娘。

チューリップは夜になると花を閉じ、翌日、日が昇るとまた花を開く。
そうして花を楽しみながら数日が経ち、小学

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そのじゃんけんは、誰かの心を置き去りにしてないか?

そのじゃんけんは、誰かの心を置き去りにしてないか?

子どもに「なんで?」と連発された経験は、世界中の親が持っているのではないだろうか。

子どもの「なんで?」とか「これなぁに?」といった質問攻めは、個人差はあるが、だいたい語彙数が増えてくる2、3歳くらいから始まり、6歳ごろまで続く。この期間は、子どもの好奇心や思考力を育むうえで重要な時期とされ、心理学では「質問期(なぜなぜ期)」と呼ばれる。

一方、近頃の自分は、小学校に上がった長女に対して「なん

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空がピンクでオレンジで

空がピンクでオレンジで

早朝、机に向かって仕事をしていると、早起きをした長女(6歳)が、
「パパ、お空がピンクや!」と声をかけてきた。

窓から外をのぞくと、朝焼けで空が色づいていた。
僕は「ほんまやな」と言って、カメラを持って庭へ出た。
雲が朝日に照らされて、きれいだった。

なんでもない日常の光景だけれども、それを共有できる相手が身近にいるということはなんともうれしいものだ。

「パパ、オレンジになった!」

いつま

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ミニトマトと娘

ミニトマトと娘

保育園から帰ったY(5歳)は、玄関に荷物を置くと、靴を脱がず、そのままふらりと庭に出た。

車に積んだ荷物を片付けていた僕の横を通り過ぎ、家庭菜園がある方に向かった。(小さい声で歌を歌っていたかもしれない)

そうして、赤くなっているミニトマトの方に手を伸ばし、もぎ取り、そのまま食べた。
近くで僕が見ているのを知ってか知らずか、僕に「食べていい?」と聞くことはなかった。

なんというか、彼女の一連

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ブドウ賛歌

ブドウ賛歌

僕が今住んでいるまちでは、ブドウが旬を迎えています。
山のふもとの小規模な傾斜地がブドウの生産に適しているためで、この時期になると、道路沿いに点々とブドウの直売所がオープンしています。

ブドウって素敵な果物です。

何が素敵なのかというと、その構造(つくり)です。
ブドウは一房にたくさん実がついていて、子どもが自分の手で実をちぎって食べられるつくりになっています。

それはつまり、子どもたちにブ

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娘ってやつは

娘ってやつは

昨日の夜、晩御飯のハンバーグを食べていたら、3歳の娘(長女)が唐突に「父ちゃん、なんで仕事辞めたん?」と聞いてきました。

あまりにも突然だったので、妻と2人で、「え?何?なんで?」と笑ってしまったのですが、つくづく娘ってやつは自分にとって特別な存在だなぁと思ったわけです。

子どもはシンプルな言葉で色々な質問を投げかけてきます。
それらの質問に対して、子どもでもわかるような簡単な言葉で、かつ、き

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学び続ける人生を。

学び続ける人生を。

今、地域で森のようちえん(野外での幼児教育)を主宰しています。
 森のようちえんヒュッテ http://noyamacompany.com/

始めた理由は、自然が豊かな田舎なのに、地域の幼稚園・保育園等の学びの場は、都会の園と同じように園舎や園庭が中心で「もったいないなぁ、娘にはもっと自然体験をさせたいなぁ」と思ったからです。

共感してくれる仲間が集まり、1年ほど活動を続けてきたところで、子ど

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なぜ天候に関わらず外で遊ぶのか?

なぜ天候に関わらず外で遊ぶのか?

 週2日、親子参加スタイルの森のようちえんの活動をしています。森のようちえんは、野外での体験活動を柱にした幼児教育で、晴れの日も雨の日も雪の日も、基本は外に出かけます。
 ぼくたちが天候に関わらず子どもと野外で活動するねらいは、大きくは2つあります。

(1)適応する力を身に付ける

 天候は、人間の力で変えることはできません。だから野外で活動するときは、天候に合わせて、私たちが服装を調節するので

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