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ノートと手帳で日々を振り返る習慣と、自分を大切にするということ

気付けば1日、1週間、1か月が終わっていた。何をしたかったか、何をしたかも覚えていないが、気付けば年が明けていた。
きっと誰もがそんな日常を過ごしていると思う。そして決まって、「大人になると時間が経つのがはやいね」と笑うんだ。今まではそれで良かったけれども、2月に適応障害と診断されてから、このままでは良くないと思うようになった。
精神的な悩みを抱えている人だけでなく、時間に流されている気がする日々の生活を振り返って内省したい、そんな方にも、この記事で紹介する方法が参考になればと思う。

きっかけは臨床心理士さんの言葉だった。

調子が落ち着いてきたら日々を振り返る記録をつけて、自分の行動、生活とその時に感じた気持ちを記入していきましょう。自分にとって何が心地よいことで、何が悪いことなのか。自分が普段どんな生活を過ごしてどう感じているのか、そしてどんな生活にしたいのか、振り返って見つめ直してみましょう

言われてみれば、ざっくり寝起きの時間は睡眠ログアプリで取ってあるものの、1日どう過ごして、何を考えていたかは手元にない。あまりに憂鬱で悲しい考えしかできなかった日はカレンダーアプリの日記に書いてあるものの、そんな日の天気や気温、ご飯を食べた時間、直近にストレスになるような出来事があったかなどまでは書かれていない。

その事実に気づいて、私の理系心にちょっと興味がでた。生活ログとその時の気持ちを書き留めれば、自分が精神的につらくなる物事や傾向が掴めるかもしれない。さらに、自分の行動を振り返って自分で褒めることで、自尊心(=自分を大切にする心)を養えるかもしれない。

精神が悲鳴を上げて壊れてしまうまで、怪我を抱えたまま自分を使い潰してしまった私が、自分を大切にするために、自分のために書くノートを作ることにした。2月上旬の寒い日で、怪我をした膝が痛くなる天気だったけれど、私はロフトへと出かけた。必要だと思ったツールは以下。

・振り返りを書くノート
・振り返りノートに記入する専用のペンとマーカー
・これらを入れるための専用の筆箱

もちろんお気に入りのペンやマーカー、筆箱があればそれを使っても良い。私の場合、手元にあるボールペンや筆箱が全て会社で使っているもので、これを使ってしまうと仕事のことを思い出してしまう気がした。

ノートに記入するのは私が振り返りたいからであって、そこには仕事の義務感も、復職へのプレッシャーも持ち込みたくない。自分がつくる、自分のためのノートにする。その思いに集中するために、それ専用のもので固めることにした。

この考えが功を奏したのか、ノートを書き始めて4か月、毎日書き続けている。最後にノートを書き続けるコツ、振り返りのタイミングも記載したので参考にしていただければと思うし、コメントで質問いただいても喜んでお答えします。

まずノートについて。私が記入したいのは以下の項目だ。

・1日のなかでやったこと(出かける、勉強する、掃除する、ノートを書くなど)
・上記を何時から何時までやったのか
・その時の気持ち(スッキリした、集中できなくて嫌なことをずっと考えてた、眠すぎて途中で寝たなど)
・1日のまとめ(天気、気温、こんな1日だった、明日はこんな1日にしたいなど)

各項目はもちろん人によると思う。私の場合天気で具合が悪くなることも、膝が痛むこともあったので天気と気温も記載している。

となると、私にとって必要なスペックは、ある程度書けるスペースと、タイムテーブル。スタバで書きたい時や診察に持っていくときを考えると、1年のような分厚いものでなく程よい厚さ、あまり大きいと鞄に入らない。ルーズリーフは紛失したり破きそう…とあまりに注文が多かった。これは好みだから、各々好きなタイプを選んで欲しい。

私がロフトで実際に手に取った中で、記憶に残ったものは3種類。
これらを紹介するとともに、適したマーカーとノートを継続するためのちょっとしたコツも書いた。

このノートを手に文具屋さんに行って実際試すもよし、ネットで買ってみるもよし。リンク先は記入例が多いものにしたので、見に行って実際のイメージを抱いてもらえれば嬉しい。


ほぼ日手帳(ほぼ日)

1日ずつの手帳といえばかなり有名だと思う。

・日曜はじまりと月曜はじまりが選べる
・月間カレンダーと各日付つき
・各日にタイムテーブル、To Doチェックリスト、書きやすいマス目つき

とあってかなり今回の目的に合致している。各日が広々としていて、やったことと感じた気持ちをたくさん書き込めそう。…なのだけれど。

Amazonの画像にある記入例を見ていただければわかるのだけれど、かなり自由度が高い。言い換えれば、手帳を細々可愛く書ける人間でなければ、フレームがないから記入に困るのだ。
万年美術が苦手でイラストなんてもってのほかな私にとって、これはかなり難易度が高いと思った。各トピックをどこに書くか、どうやってまとめるか。考えるだけで手一杯になり書けなくなる。本末転倒の予感を覚えて、パスとした。

ただ、日曜はじまりと月曜はじまりが選べること、自由に書くのが好きな人にはぜひオススメしたい。たくさんのファンがいる理由がわかる、素晴らしい手帳だと思う。


ジブン手帳(コクヨ)

これは一時期私が実際に手帳として使っていたものだ。

・見開き1週間24時間のバーティカルがメイン
・月間カレンダーほか、やりたいことリスト、読みたい本リストなど様々な記入欄がある
・手帳部分のDIARYにLIFE、IDEAといった別冊を組み合わせるカスタマイズができる

といった特徴。使いやすいのだけれど、やはり1日1ページ程度でないと書き込める範囲が狭いな、という印象だ。

ただ、手帳としてはもちろん優秀。とくに表記が日中だけでなく24時間あるので、1週間空き時間含めガンガン予定を回さなければいけない人にオススメだ。研究職の人にも。修論時代は実験の仕込み、回収、測定、ゼミの時間までみっちりと詰め込んだが見やすさがピカイチ。お世話になりました。

…と、どうやら手帳のカテゴリでやるには難しいと感じた。
次に目を向けたのが学習プランナーコーナー。自学自習を行う学生が勉強時間と進捗管理をしやすいようにと設けられたコーナーである。


スタディプランナー(いろは出版)

ロフトのたくさんのプランナーの中からここまでマッチしたものに出会えたのは、今でも奇跡じゃないかと思っている。

実際の記入欄はAmazonより、いろは出版の楽天市場ショップがよく掲載されている。noteで画像としてリンクを貼ることができないので申し訳ないのだけれど、ぜひ一度ご覧いただきたい。

・月間カレンダーと1週間の予定表、各日記入欄
・各日にタイムテーブル、To Doチェックリスト、1日の目標と振り返り欄1週間の振り返りレビュー欄、十分な白紙フリースペース
・3か月分なので軽い

と、盛りだくさんの私の要求を全て満たしてくれた。スタディプランナーにありがちな教科名が既に書き込まれている、学校生活感が強い、可愛すぎて大人が使うのはちょっと…といったこともない。


特に、1日の目標と振り返り欄があること、1週間の振り返りページがあること、この2点が非常に大きかった。1週間は意外と長く、そして振り返るにちょうど良い区切りでもある。月曜日に起きた嬉しかったこと、リハビリの進捗、天気とのその影響は、だいたい日曜日にはすっかり忘れてしまって「今週もあまり良くなかった」と思いがちだ。

週のまとめを書く際に「今週1週間はこんなに良いことがあった。来週はこんな1週間にしたい」と楽しみをもって振り返り、そして書き留められるのは非常に大きかった。テンプレートがしっかりしているので悩むことなく書きやすいのも、にじゅうまる。

このスタディプランナー、購入するのであれば絶対オススメしたいのが、出版社で用意しているスターターセットだ。おそらく楽天市場のいろは出版ショップにしかない。この手帳のために作られたふせん、シール、マーカー3色がセットになっていて、これとボールペンで始められる仕様。

こういうのを始めるにあたりどうしても迷うのがマーカーの色。こだわる人はとことんこだわると思う。それをメーカーが合わせてくれる。
私はロフトで購入したのでこのセットの存在を認知できなかったのだけれど、今から始めるならこれを購入した(ちなみに私は青派で、2冊目は別の表紙色にしている)。6月いっぱいならキャッシュレス還元で5%OFFなので、ちょっとでも気になる方は、ぜひ手にとってみてほしい。私は3冊セットを追加購入した。

余談だけど、この筆箱すごく可愛いから見て。この筆箱とスターターセット、ノートと一式揃えたかったのが本音である。実はまだ、買い替えたい欲があったりするから、無事復職できたら買おうかしら…。


おすすめのマーカー

前述のスターターセットのふせんはいらないからマーカーだけ欲しい、タイムテーブルにしても目が痛くないマーカーが気になる。そんな方にオススメなのが、マイルドライナー。

この中でも特に淡い色がタイムテーブルのように塗りつぶす用途にいい。ボールペンも潰れない。一例として私は、

・マイルドグレー:睡眠(昼寝含む)
・マイルドピンク:リハビリや運動などのアクティブ
・マイルドブルー:買い物や散歩などの外出
・マイルドブルーグリーン:読書やリワークなど精神的の不安を和らげるための行動
・マイルドゴールド(マイルドイエロー):ラジオ講座での語学などの勉強

としている。色で項目を分け、週の振り返りで時間を合算し、「この日は随分勉強できたな」とか、「この日は全然外に出てないけど雨だったな」とか、「良いことあったからたくさん行動できたけど、反動で疲れ切って昼寝してしまったな」とかが一目瞭然になる。

特に一番最後は重要で、自分にとっての最適な負荷量を見出すと、自然と1日の予定が立てやすくなり、1日の予定が立てやすくなると、1週間の予定もざっくり立てられる。一歩一歩、地道な作業で自分でも進捗が気付かないくらいだけれど、1週間のまとめを書いているうちにある日ノートを見返しているうちに自然とできている自分に出会えるささやかだけれど大事な一歩を達成できたという実感は今でも忘れられない。

精神的にいっぱいになってしまった人、時間に追いかけられ潰されそうだと思っている人。騙されたと思って、試しにやってみて欲しい。もしこれを読んでいる人が私の友人で、全然いいことなかった!なんてあったら連絡してね、お昼ごはんくらいごちそうします。…って言えるくらいには、困っている人の助けになると思っている。


ノートの記入を継続するには

…と書いたものの、続かなくては記録簿にならないのが現実。
3日坊主の類な私でも続いた工夫が、みなさんの参考になればと思う。スタディプランナーを用いている前提で書くので、各々用いているツールに応じて使い分けてほしい。

・目に付く場所に置く
本棚に入れてしまえば、取り出しに行く手間がある。習慣化するまで、そうまずは30日は、目についてすぐ書き込めるような場所に置いておくと良い。30日チャレンジの重要性はTEDをご覧ください

・書くタイミングを決める
1日の終わりは必ず寝る前に。天気予報アプリでその日の天気と気温を書き写し、スマホから歩数を書き写し、1日であった良かったこと、頑張れたことを書く。冒頭書いたように、私にとってこのノートは自分を褒めてあげるノートだから、良く頑張りました、と書く。誰も見やしないので気にしない。そして元気なときは、こうすればもっと良い1日になったかな、という一言も書く。
そうすると後から見返して「忙しい1日だったのによく頑張ったじゃん」とか、「こういうことが出来て嬉しかったんだな、そこから更にリハビリが進んだなあ」とか、ほっこり幸せな気分になる。
1週間のまとめは日曜日の夕方か月曜日の朝に。ポイントは、各日のダイジェストはまとめを書くときに振り返って書くこと。忘れているのは当たり前で、その日1日の自分のノートを見返し、思い出し、こんな日でしたと自分の言葉で書くことが、思い出すという大事な儀式になる。
そして来週に向けて欄に、こんな1週間にしたいなとざっくり書く。1週間のまとめは日曜日の夕方か月曜日の朝に。来週に向けて欄に、こんな1週間にしたいなとざっくり書く。

・無理矢理前向きな言葉を書かない
土日の体調が悪ければ「来週は無理しない」とか、来週に向けてのコメントでが空欄のことだってある。来週のことを考えたくないのなら、考えなくてもいい。
このノートは私がしたいからするのであって、書きたくないことは書かなくていい
私が4か月楽しんで書き続られているのは、この魔法のような言葉があるからだと思う。最近は1日の目標欄が空欄だけれどそれでいい。何となくその日の気分で過ごしたい。それもまた立派な私なのだから。

・色も書き間違いも自由自在
このノートは赤ペン先生が見るわけでも、診察の時に提出するものでもない。0点も100点もない。きれいに書かないと気が済まない派ではあったけれど、それじゃ続かないと思ってそのこだわりをやめてみた。
マーカーの色を試してみる。1日のまとめが書ききらないから全然違うとこに書いてみる。こうしていくことで少しずつノートが自分のものになっていく。そんな過程を初めて経験した。最初の方の色々と試行錯誤しているノートを見返すのもまた楽しい、と。どんな1日だって、自分が経験した1日なのだと。


おわりに

ここまでたくさん書いたけれど、最終的に自分にあったツールで、自分の書きたいことを書く、これが大事だ。最近は外出自粛も解除されてきているから、文具屋さんに行ってあれこれ迷うのも良いと思う。こだわり抜いた1冊がきっと、寄り添ってくれる1冊になる。

2020/11/22 追記
ブログを作りました。新規記事はこちらがメインです


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