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外国での母語習得の難しさ、あるいはバイリンガル教育の話

私は現在海外(英語圏)に住んでいるため、自然とバイリンガル教育の情報へのアンテナが高くなっています。

長男は二歳五か月になりましたが、ようやく発話が始まったばかりです。平均的には二歳で二語文を話し始めることを考えると、これは早い方ではありません。言葉の習得、語彙の獲得には個人差があることは承知していますが、やはり親として子どもの発達について他人(あるいはモデルケース)と比較して不安に思ってしまうことからは避けられないな、と感じます。

今の具体的な悩みは以下です。

・色
→ 色の識別はできています。しかし、「あか、あお、Yellow, Purple」といった具合に、日本語と英語が混ざっている状態です。「きいろ」と教えても認識しませんし、逆に「Red」と言ってもまだ反応しません。

・数
→ one, two, three, ゴー(5), といった具合で、4 を飛ばすことがあります。おそらく英語の four と日本語の「ご」がごちゃ混ぜになってしまっている状態だと思います。たまに、one, two, three, ヨン!, ゴー!と言うこともあるので、4 を完全に聞き分けられなくなったわけではないのだと思います。

・物
→ apple, みみ(耳), water といった具合に、英語と日本語が混ざっています。一方で、私が「りんご, ear, 水」と言っても、認識しているように見えます。

・行為
→ 彼は椅子から降ろしてほしいときには down!! と言います。抱っこしてほしいときには up!! と言います。一方、同じ状況でこちらが「降りる?」と聞いて理解しますし、「抱っこ?」と聞いても理解して(いるように見え)ます。

この件について、半年前くらいに(私の)母親に相談したところ、「彼の中の日本語の絶対量が足りていないかもしれないから、もっと意識的に話しかけてあげたり読み聞かせをしてあげるといいかもね」というアドバイスをもらいました。

たしかに、彼にとって保育園も、家で観る子ども向け番組も、どちらも英語であるにもかかわらず、私はあまり日本語で積極的に話しかけたり読み聞かせをしていませんでした。以降、意識的に時間を取って話しかけたり、寝る前に絵本タイムを取るようにしました。

それから約半年間で発話も始まり、少しずつ日本語と英語で(私が)理解できる言葉も増えていきました。しかし、それ以上に日本語でも英語でもない発話が増えました。保育園の先生からは「Taro は話しかけてくれるんだけど、日本語だからわからないのよね」と言われることがあります。私も「日本語でもないから僕もわからないんだよね」と返すようにしています。それでも、少なくとも話すようになってきているので、順調に成長してくれているのだと思います。

とはいえ、日本語でも英語でもない言葉では、彼が伝えたいことを汲み取ることが難しい状況です。彼が何かを伝えようとしているのは分かるのですが、分かってあげられません。結果的に、彼は泣いたり、叩いたり、おもちゃを投げたりする形で、意思表示をしようとしていることもあります。

なお、妻は「彼にとっての英語は幼児語である」という整理をしているようで、とてもうまく言語化しているなあと尊敬しました。要するに、英語と日本語が混ざっているのは、日本語で赤ちゃん言葉が混ざっている状態と何も変わらないということです。ポジティブな見方であり、真剣に子どもに向き合っていることが良く分かる表現だなと思います。

周囲のパパ友の話を聞いていると、これらはおそらく数か月後には解消される悩みなのだと思いますが、思考の言語化と記録のために残しておきたいと思います。

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