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【専門課程レポート】「連ゼミ」第5期 第2回目講義

こんにちは!次世代まちづくりスクール「連ゼミ」TA(ティーチングアシスタント)の竹屋です。
11/21(月)に行われた第5期「連ゼミ」の第2回ゼミの模様をレポートします。
  
本日のゼミのメインテーマは「最小限リノベ」についてです。
連ゼミでは講義に加えて、ゼミ生と連教授のディスカッションや質疑応答を通じて学びを深めることができます!

そして毎回、連教授から必読書をいくつか教えていただけます!
今回も必読書の感想シェアから和気あいあいと始まりました。(必読書は受講してからのお楽しみに!)

最小限リノベTIPS①「使い方を工夫する、変える」

リノベをしようと思ったときにすぐにハード面から手を出そうとしがちですが、少し発想を変えてみるのが大事です。
以下はその事例です。

◆事例①@カマタ:SOKOプロジェクト
もともとは町工場の空き倉庫だった場所を展示スペースとしてリノベした事例です。クリエイターのための工房・シェアオフィスを作り、地元の人とコラボできるような取り組みです。
リノベで何とかしようとすると莫大な資金が必要になるのが従来の考え方ですが、このプロジェクトではお金をほぼかけずにギャラリーに変遷(青森県立美術館とコラボ等)し、アート界隈の人には知られるほど有名になりました。
(なお、用途の限定があるため暫定利用のプロジェクトであり、現在は閉鎖) 

◆事例②ギャラリー南製作所
町工場のリノベ事例で、所有者の方が高齢となり空ける予定でしたが、所有者の娘さんが「せっかくだから使いたい」とのことで、リノベして活用した事例です。
実際に行ったこととしては驚くほど何もせずに、町工場の機械を中から出しただけです。現在はギャラリースペースとして活用しています。
 
上記の2つの事例から分かるように、場の使い方を変えたり工夫するだけでできることはたくさんあります

最小限リノベTIPS②「グラフィックの力を使う」

先ほどの事例でも伝えられることがあります。それは、グラフィックデザイナーの仲間を作っておくことです。

ここでゼミ生から質疑が。さらに学びを深めることができました。
Q「デザイナーやアーティストに依頼する際の予算規模はどのくらいなのか、相場がわからない。」
Q「各事例にて、運営費用とか収支の面はどうか。」
Q「立ち上げたプロジェクトの認知度を高めるためのプロモーションはどうしているのか。」

最小限リノベTIPS③「ちょっとずつ変える」

暫定的に使って次につなげる都市の考え方、いわゆる“タクティカルアーバニズム”と呼ばれる手法です。
いくつか事例を紹介します。

◆事例①ニューヨークのタイムズスクエア
TED「ジャネット・サディク・カーン ニューヨークの街路?もうそんなに意地悪じゃない」の動画を活用して解説を行いました。
タクティカルアーバニズムの考え方は、「テストをする(例、使い方を変える)→学習する→アイデアが生まれる→構築する→プロジェクトを作る→計測する→データにする」というループを繰り返し、最終的に計画を立てて投資をするものです。
今までは市民が変えてほしいと思ってもクレームを言うことくらいしかできなかったが、自分たちで実証実験をしたり、行政や議会・議員向けに提案をできるようになった等、市民主体でできるのが強みです。

◆事例②パークレット
歩道とフラットにつながるプラットホーム部分を土台とし、車道との間の柵、机・椅子などのアメニティの他、花が植えられたプランターや駐輪スペースなどで構成された駐車スペース数台分の小さな空間のことです。
アメリカ西海岸で始まった取り組みで、駐車代を払って駐車スペースで憩うという、お金を払った実験です。
 
いずれにしても“デザインの力”や“スマートさ”が必要です。

最小限リノベTIPS④「ピンポイントの改修=既存を生かす」

◆“引き算”事例:狭山フラット(建築家の長坂常さんが設計した事例)
何かを加える、ということはせずに、引き算だけで場の雰囲気や物件の見え方・イメージは変わります。
”足し算”だと何かしらの費用が掛かるため、既存の物件を観察・分析し、何を取り除くのが良いのか、取り除くことでどの部分が引き立つのかを考える思考を持つのが重要です。
事例についてはリンクをご参照ください。

◆“足し算“事例:Untitled(オープン・エーの馬場正尊さん)
“白く塗装しただけ”の建物で、ニッチなニーズに引っかかるとして取り組んでいます。
事例についてはリンクをご参照ください。
 
上記のような事例から、空き家問題は視点を変えれば植栽の問題であるとも言えます。
建物には手を出さずに、囲んでいるブロック塀と植栽の剪定のみでも雰囲気ががらっと変わります。
大事なのは、“余白”や“スペース”です。

最小限リノベをきちんと展開しようと試みると、用変(用途変更)リノベ(第3回講義の内容)に繋がります。
先にテナントを、となれば参加型リノベになるので、どれも切れているわけではなく連携していることがわかります。
次回のゼミも楽しみです◎

第2回ゼミを振り返って

・”空き家をリノベする”ことを考えると、まず初めにお金をかけて建物の内装と外装をきれいにしよう、というようなことを第一に考えがちでしたが、その手前の段階でいろいろと考える(例:使い方を暫定的にでもしっかり考える等)ことが重要であることを学びました。
・巨額の投資をしてもすぐに返ってくるものでもなく、リスクは大きいため今日のゼミのように最小限のことから始めるのはまちづくりでも重要だなと感じました。
・重要なのは資金ありきでリノベを考えるのではなく、考え得る選択肢の中でなるべく資金(持ち出し)の少ないものから(リスクの低いことから)トライしていくことがベターなのかなと思いました。資金は有限であり、活用方法をどれだけ煮詰められるかが重要であると感じました。

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