マガジンのカバー画像

エッセー

22
運営しているクリエイター

#エッセー

アンハッピーアニバーサリーおよびリレーションシップ2度目の月命日

 まだ2ヶ月しか経っていない。

 ってこれ書いたことあるな一回。付き合って2ヶ月の時だっけ。私たちのリレーションシップが死んでから、2ヶ月がたった。奇しくも、私たちのリレーションシップは、それが始まった記念日に命日となった。でも英語では命日も記念日もAnniversaryだから、私の人生は誰か、割とチャーミングな、それでいて遊び心のある人が脚本を書いているのではないかとすら感じ始めた。

 それ

もっとみる
恋人と別れることになりものすごくブログを書きたい、しかし開設すらできないでいるのでnoteにとりあえず書くことにした。

恋人と別れることになりものすごくブログを書きたい、しかし開設すらできないでいるのでnoteにとりあえず書くことにした。

 Sちゃんと別れることになった。

 'It's a long story' (話すと長いのよ)という感じなんだけど。気が向いたら書きたい。ブログを開設したいんだけど、ワードプレスがエクストラのお金を請求してきて、もう挫折。そんなこんなしながら、もう外は暗い。

 先日、オーストラリアのシドニーで三週間ほどの時間を過ごした。観光地巡りをしようとすると途端につまらなくなるシドニーの、郊外のSちゃんの

もっとみる
2017年、「経血は赤い」という告白

2017年、「経血は赤い」という告白

 イギリスの広告界で初めて、生理用ナプキンの広告で「青い経血」の代わりに赤い液体が使われた。動画はこちら。

 母がつけっぱなしにするテレビの中では流行りのモデルが生理用品をポーチから取り出し、開いたものを顔の近くで持ち、その製品の薄さを存分にアピールする。CMの中でそれらが受け止めるのは、「青い経血」である。モデルは生理について具体的なことは一切述べずに笑顔を絶やさず、白いボトムを着たお尻を突き

もっとみる

レズという言葉

 この間、大学でカミングアウトをした。自己紹介ならぬ「他己紹介」をするという課題で、ペアになったクラスメイトに自分の作品を見せていく中で、自分の作品は、私のアイデンティティの中でも特に、ゲイである、女の子が好きであるというところに深く根ざした、プライベートなものが多かったから、説明しておいた方がわかりやすいかと考えた。最初はゲイという言葉を使わずにいた。なんと言えばいいかわからなかった。カタカナ語

もっとみる

「レズビアンさん」

 私は、文筆家のまきむぅのファンだ。彼女を知ったきっかけは覚えていない。気がつけばメモを片手に本屋で「百合のリアル」を探していた。友達に誘われて、とある大学で行われた講演も聞きに行った。その講演中、私は大学の講義室でずっと泣いていた。髪の毛を毎日綺麗に結わいて登校する、眩しい女の子への初恋。「愛のかたまり」みたいな女の子を、容易に想像できた。堅苦しくなくフレンドリーにわかりやすい言葉で語られる彼女

もっとみる

距離の近い女性二人を「姉妹」って注釈つけるのもう疲れた

 母が働いているクリニックの医師の話を聞いていた。母が倒れた時に家に来て対応してくれた女医さんである。「命の恩人」が、もうすぐクリニックをやめるそうだ。理由は、「パートナーが仕事の都合で東京を離れる、私もそれについていきたい」からだという。大きな病気から奇跡的な回復を遂げた母は、小馬鹿にしたように笑いながら言う。「って言うか、パートナーって言いかた、なんなのかしらね。普通に旦那さんって呼べばいいの

もっとみる

こどものせかい

「きもいんだよ」「こいつオカマなんだぜ」「オカマ言葉言えよ」「触んな」

都内の駅のホーム。近くに私立の小学校があり、制服姿の小学生の甲高い声が響いていた。ホームドアがない上、線路までの距離も十分にあるとは言えない。混み合っている時に黄色い線の外側をやむなく歩く時、もしよろめいて落ちてしまったら、と慎重になる。急行に無視されるどころか、1本逃せば10分は次の電車が来ない。東京なのに単線で、車体も古

もっとみる

東京で生きる

私は東京生まれ東京育ちの都会っ子だ。地上にも地下にもびっしりと張り巡らされた線路を時間通りに走る電車に詰め込まれて、味気ない東京郊外ベッドタウンを抜け出す。池袋や渋谷や新宿に出れば欲しいものはすべて手に入る。ごちゃごちゃの文化や文化ともよべなそうなものたちが自由に歩き回っている。スクランブル交差点を、電車から降りていくみたいに人が渡っていく。みんなだいたい同じような顔をしている。テレビの取材。ティ

もっとみる