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映画、HOMESTAYを観た

退屈すぎる8時間の仕事を終えて、帰宅後、すぐさまシャワーを浴びた。
冷蔵庫の人参と白菜をそろそろ使ってあげなくてはと思い、季節外れのシチューを作ることにした。わたしの住む土地は、まだまだ寒いから、煮込み料理は室温も体温も上がって良い。

1時間近くかかる料理のお供は映画。今日はずっと気になっていた「HOMESTAY(ホームステイ)」を観た。

主人公・シロが、自殺した高校生・小林真の体を借りて、「真が死んだ理由」を探す100日間の物語だ。

ここからはネタバレを含む(かは怪しいけど念の為注意です)ので、みなさんはぜひ本編を観た後にわたしの感想も読んでくれると嬉しいです。



自分が大事にされてる感覚って、気づきにくい。

だって、自分が自分を大事にしてないと、いくら周りから大事に思われても実感できないから。

人は「大事にされてない」と思う時、実は自分がいちばん大事にできてない。

嫌なことを腹の底まで押し込んで、ギュッと喉を詰めて我慢して過ごしていることがある。みんなもない?

心が擦れていく日々を繰り返していると、あっという間に人は追い詰められる。視野が狭くなって、苦しいこと辛いことにしか目が向かなくなって、しまいには生きてる意味について考え始める。

そうして、死にたくなる。

「小林真」は、今を生きるみんなの生き写しだ。みんな気づいてないだけで、かなり追い詰められて、ふとした時に自分の存在の意味を考えてる。

でもね、ふっと視野を広げると、今あるものに目を向けると、自分はなんだかんだ人から想われてるんだということに気づく。

自分を大事にできている時、ふっと息をついた時、空が青いことに気づく。いくら寒くても、くもりの日でも、何気ない日々が今しかないことに気づく。

何も、ずっと同じ日を過ごしてるなんてことないじゃない?人と会ったり、季節限定のコンビニのおやつを食べたり、少しだけ早くお風呂に入ったり、毎日がちょっとずつ違うんだよね。

息が詰まるような忙しい日々は、時間を忘れさせてくれる。でも、仕事終わりに1本映画が見れるくらい、気が向いたら料理ができるくらいの余裕があった方が、わたしにとっては充実感のある生活なんだと気づいた。

もちろん、連勤の後半になるにつれて自分の機嫌をとるのは難しくなるし、家に帰ってもイライラと自己嫌悪は止まらないし、人のことは嫌いになるし、死にたくなっちゃうこともあるよ。それでも、わたしは人に大事にされてることを忘れたくないなあと思うのです。

昨日、久しぶりに叔父夫婦に会いました。2年くらい会っていないのに、おばあちゃんのおかげでお互いの進捗をずっと聞いていたからか、再会を喜びながらもぎゅっと心の距離が縮まっていた。

父方の家族とは大人になってから再会したから、引っ越したての頃はもうわたしの緊張感というか、「一人で生きてくぞ」っていうピリつき感がすごくて。気をゆるすまでたくさんたくさん時間がかかった。

実母や実父、歳の近い弟と上手くいかなくても、おばあちゃんと叔父さんがいたから、わたしは家族に安心感を覚えることが出来た。

そして、久しぶりに会った叔父さんは、奥さんとずっと仲良く楽しそうに暮らしていて、本当に嬉しかった。ふたりは、わたしをずっと大事に思ってくれてたんだと知って、嬉しかった。

親はこんなふうに愛してはくれないから。叔父さんたちは、わたしを尊重してくれて、話を聞いてくれて、頑張ってるねと言ってくれて。あとでじわじわ愛をたくさんくれたことを実感してちょびっと泣きそうになった。

愛は、その人と一緒にいると嬉しくってあったかくって、ふとした時に泣きそうになるね。

ぎゅっと抱きしめられたみたいな気持ちだよ。遠くにいても、実はそばにいる。

愛は、血の繋がりや濃さだけじゃないよ。いつでも心のそばにいてくれるかどうかだよ。

みんなも、少しでも愛されてた記憶を忘れないで。そして、もっともっと自分の心の声を聞いて、忙しさに心を殺されないようにね。

人は愛された記憶が無いとすぐに死んでしまう生き物みたいだから。今生きてるみんなは、必ず、誰かしらに愛されたことがあって、大事にされたことがあるんだからね。ほんとうだよ。

ただ、それを忘れちゃうくらい、今辛いことや苦しいこと、忙しいことがあるのなら。死にたい、消えちゃいたいって思うことがあるのなら、その気持ちも間違いじゃないからね。

あなたを追い詰めるくらいの状況になってるってこと。あなたは何も悪くなくて、そう思うこともなんにも間違いじゃないこと。自分を投げ捨てる前に、どうか、自分の気持ちを吐き出せますように。そして、どうか、その環境から逃げ出せますように。

ひとりで全てを背負って命を終えてしまう人が、ひとりでも多く抱きしめてもらえますように。

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