雑記 31 梅雨明けの菜園で

画像1 梅雨が明けた。 日本では、春夏秋冬の四季に加えて、梅雨の季を入れ、五季と数えることもあるそうだ。梅雨が明けるのを心待ちするのは、長雨の鬱陶しさから逃れたいからであるが、実際には、明けた後の夏は、猛暑と炎天で快適とは言い難い。だが、、、 子供時代に、夏休みというめくるめく自由時間を手にして、ラジオ体操、夏休みの宿題帳、昼寝、蝉取り、花火、と、日記に書くことは毎日代わり映えもしなかったが、何よりその開放感が、宝物のように心の中にいつまでも残っている。 写真は、茄子の花。
画像2 トマト。 トマトや胡瓜が食卓にのぼると、昔は、ああ、今年もまた夏が巡って来た、と子供心にも感動の一瞬があった。 今は、年間を通してスーパーで買え、季節とは関係のない野菜になった。 しかし、スーパーの見目の良い、ひとつ幾らと値段のつくトマトとは違い、家庭菜園のトマトは、甘く、ほのかな青臭さを残して、入道雲、夕立ち、雷、蚊取り線香の煙の揺らぎ、蚊帳、と記憶は連鎖していく。
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画像4 スイカ。西瓜。 まだ小さくて、収穫は出来ない。 小さいと言っても、胡瓜や茄子に比べれば、巨人のように大きく、それが遠慮がちにぶら下がっている(本来なら地を這うのだろうが、狭い菜園ではネットに入ってぶら下がる)姿は、微笑ましくもある。 スイカも近頃では、苺と並んで夏の果物としての季節感を失いつつあり、私達は、便利や快適を得る反面、自然の営みというループから逸脱して、不自然を自然と錯覚する。
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画像7 夏野菜は「苗八分」と言われ、苗の良し悪しで、出来が決まるのだそうだ。 江戸時代には、そんな夏野菜の「苗売り」が、天秤棒の前後に苗をぶら下げやってきて、歩きながら声も高く、振り売りをした。昭和の初期くらいまでは、あったようだが、着物の尻を端折って伸び伸びとした声を響かせ歩くながら売り歩く、そんな時代の苗屋に出会ってみたかった。 #梅雨明け #夏野菜 #シシトウ #茄子 #トマト #スイカ #オクラ #炎天 #猛暑 #入道雲 #夏休み #日記帳 #蝉取り #ラジオ体操 #苗八分 #振り売り #写真

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