今週消費した10のこと ベッカムの善意、そしてどんなときも忘れたらあかんと思う
•教育を受けられない苦しみ
タリバン政権下のアフガニスタン。ようやく、女子学生たちが学校へ戻れると思った矢先、タリバン政権は再び学校を閉鎖しました。
BBCのインタビューに答えた少女が通っていた学校では昨年、地元のISメンバーによる自爆テロが起こり90人以上が犠牲になりました。
生き残った少女は学校再開を切望していただけに、泣きながら「私たちは学んで、とにかく世の中の役に立ちたいの。この国はどうなってるの?私たちが何の罪を犯したというの?」とコメント。その発言に胸が詰まりました。
独裁政権下では教育を受けたい者が受けられない、という暴政がまかり通ってしまう。
アメリカの帝国主義もいかがなものかとは思いますが、今のところ圧倒的に強い。もちろん、強大な古代ローマ帝国が滅びたように、アメリカの国力だっていつかは必ず衰退すると思いますが、それでもアメリカが強い理由は資源が豊富で国土が広いというだけではなく、民主主義に磨きがかかっているからだと思います。
独裁政権による暴政を防ぐには、政権の健全さをチェックして正しいバランスにゆり戻す機能が必要だと思うのですが、その機能が「民主主義」だ、と強く感じた記事でした。
・ベッカムの善意
デイビッド・ベッカムが7150万人のフォロワーを有するInstagramのアカウントを、ウクライナ・ハリコフに留まる決意をした小児麻酔科医に託した、という記事を目にしました。
戦地で行われている医療の様子がリアルタイムで投稿され、ベッカム自身も寄付を呼びかけています。snsが可能にした新しい善意の形に胸が熱くなりました。
この手の発想はベッカムの周りに良いブレインがいて、そこから出てくるのかもしれませんが、しかし「かっこいい!」の一言に尽きます。
一芸に著しく秀でる人は他のことでも優秀、ということでしょうか。
・どんなときも忘れたらあかんと思う
今週目にしたツイートで1番心に刺さりました。
・花束みたいな恋をした
私たちは同じモノを観て、同じ音楽を聴き、同じ場所に暮らしているのに、違う見方をして、違うように感じ、違うことを記憶する。そして、それがなぜだか2人のどちらのものでもない「共通の思い出」になる、それが結婚なのかもしれない、などと考えながら観た「花束みたいな恋をした」。すばらしい映画でした。
粗を探す余地などなく、静かな感動があり、きっと多くの人の共感を呼ぶ映画だなぁ、と思いました。
脚本は、坂元裕二さん。
・今村夏子さんのピクニック読んでも何も感じない人だよ
「きっとその人、今村夏子さんのピクニック読んでも何も感じない人だよ」というセリフが何度か出てきた映画「花束みたいな恋をした」
今村夏子さんの登場は私にとっても衝撃的で、デビュー作「こちらあみ子」は文句の付けようがないほど素晴らしかったのですが、その後しばらく執筆されていなかったこともあり「花束みたいな恋をした」を鑑賞するまで、すっかりその存在を忘れていました。
久しぶりに手にしたのは「父と私の桜尾通り商店街」
何かを一途に愛すれば愛するほど「普通であること」や「世間」からズレていく登場人物たちばかりが描かれているのですが、どの人物も愛すべき魅力に溢れていていました。
全ての登場人物に共感できる訳ではないのに、なぜか饒舌に語ってしまう…好きってそういうことかしら。
・焼きたての味
今村夏子さんの「父と私の桜尾通り商店街」に何度もコッペパンが出てくるので、急に食べたくなり、小説に出てくる感じっぽい代物を作りました。
パン屋にズラリと並んだパンは美味しいものも沢山ありますが、家で焼いたパンが特別なのは、焼きたてのアツアツを頬張れるところ。手作りのパンを片手に読書をした、至福の時間でした。
・晩酌のアテ
料理人の笠原将弘さんは、帰宅して一杯飲みながら翌朝のお弁当を仕込むらしく、特に晩酌のアテはお弁当のおかずとしても使いやすいそうで、理由は味が濃いから。
早速、笠原さんの「毎朝、父さん弁当」に載っていた「ちくわぶとザーサイ炒め」を晩酌しながら作りました。
ちくわとザーサイの歯に食い込む食感の後に、バターの旨味がジュワーっと口いっぱいに広がり、もうひとくち、あとひとくち、と箸が進みすぎ、お弁当のおかず分が残らなかった何とも憎い一品でした。
・プロパガンダによる支配
The argument はニューヨークタイムズの社説的ポッドキャスト。時事問題を深掘りしていて、他のポッドキャストでは聞けない内容があり非常に興味深いです。毎週水曜日更新。
プーチンのプロパガンダについて語っているポッドキャストは本当に沢山あるのですが、このエピソードでは「ウクライナとロシアで、今、本当は何が起きているのかを知るのは難しいですよね」ということを話していました。
現代に溢れた情報に対して受け身にならず、正しい情報を見極める力を持つことの大切さ訴えているように思えて、とても共感しました。
とはいえ、それはとても難しいことですが…。
・止まらないサイバーアタック対策
毎日30分程度のアメリカ経済ニュースラジオを、そのままポッドキャストにしているMarketPlace。話の要点がまとまっているので、分かりやすいです。
日々増えている企業をターゲットとしたサイバーアタックですが、実際のところ企業は何を対策すればよいのかが分からないことが分からない、という何とも闇が深そうなエピソードでした。
ランサムウェア攻撃経験が低い日本は大丈夫なのかな…などと頼まれてもいないのに心配している、今日この頃です。
・占拠されたチェルノブイリ
ウォール・ストリートジャーナルによるThe Journalは、金融、ビジネスそして権力をメインに語っているポッドキャストで、WSJらしからぬ(?)人間味のある語り口が好きでよく聴いています。
ロシア軍に占拠されたチェルノブイリ原発。真っ先に到着したのは追加のロシア軍ではなくロシアのニュースメディアでした。
彼らは、ロシア軍がチェルノブイリ占拠したことで、チェルノブイリはより安全になり原発で働く人々はそれに満足している、というロシア用プロパガンダを流すためにやって来た…というエピソードに胸が痛みました。
プロパガンダとは一体なんなのだろう?と考えた今週。
日本では何の専門でもない専門家や弁護士が、プロパガンダを広める場としてワイドショーを利用し、自分の理論の正しさを強調するために他者を批判し、貶め、蔑んだりしていますが、それは非常に簡単なことだと思います。
他者を認め、お互いに支え、励まし合うことこそが、実は本当に価値あるチャレンジなのではなかと強く思います。
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