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本の棚 #226 『経営の行動指針』

初版は昭和45年2月1日。

時代をこえて普遍的なものがあるとすれば

この本に心を動かされることになる。

時代が違うとこうも違うのか、となれば

それはそれでよい。

しかしビジネス、スポーツ、音楽…

どんな世界にも時代に関わらず

心に突き刺さるものは存在すると

ぼくは思う。

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活力=知力×(意力×体力×速力)

ベースは知力である。

学習、経験による知識、考える力がなければ

仕事におけるバイタリティは弱いといえる。

また、体力の重要性については

軽視されるどころが

気にされていないかもしれないが

練習する体力なくして、技術の向上はない。

高校生の部活で練習後に毎回走ることが

とんでもない苦行であったが

つまりあれはそういうことだったのだ。

意志、覚悟があろうとも

行動を伴わない思考は、腐敗を生む。

それは人が住まなくなった家のように

急速に古びていき、朽ちる。

まず行動を、その速度が重要であることは

わかっていても、できない人が多い。


肉体の重労働はやらないが、頭脳の重労働はやる

頭脳の重労働、これは寝ても覚めても

仕事のことを考えている状態。

何もせずに寝ている休日に

何か違和感を感じるような。

脳の力を何%使っているかと聞かれたら

果たしてどれほどか。

しかし使えば使うほどに鍛えられ

成長するのは肉体のみならず。

目標には、企業自体の目標と従業員のための目標がある。企業の目標が従業員に納得され支持されるためには、その成果が従業員にいかに配分されるかを示す目標が、同時に設定されねばならぬ。

いかに分配されるか、ここが重要。

一生懸命に目標をクリアしても

何も生活が変わらない、となれば

またそれが何年も何年も続くならば

さすがに「なぜだ」となる。

わかったふりをして納得したふりをするのは

ぼくにはできなさそうである。


問題を見つけ問題を作りだせ。問題がなくなったとき組織は死滅する

これは組織も個人も同じではないか。

常に今よりよくなろうとすれば

現状とのギャップが見つかって

次のアクションが決まってくる。

現状に満足している時間が長過ぎると

いつの間にやら足腰が重くなり

動きたいときに動けなくなる。

しかし、真の問題を発見できたら

実はもう問題は解決されたも同然だ。

見の目、観の目=氷山の一角ではなく水面下の本質を観る

氷山の一角を見るだけの「見の目」でなく

その下に隠された本質を捉える「観の目」

点の話をして指摘されたとしたら

その点=氷山の一角の下に

どんな問題が潜んでいるのか

それを考えなければならない。

悲観的になる必要はない。

問題に対しての態度がすべて。

むり、できない、難しいは進まない。

その問題に対して解決ができれば

次のステップに進める。

この繰り返しが楽しいし、楽しむのだ。

チームワークといわれるものも、各人の長所をうまく組み合わせることにほかならない。

チームワークとは?

弱点を補完し合うだけではない。

それでは不十分であり、残念だ。

長所の組み合わせによる化学反応を見たとき

真のチームワークとはこれだ、と感じる。


本部は前線を振り向かせるな。前線は前に進むためにある。

本部とはどんな存在であるか。

自らに問いを立てたとき、

最高、最強のバックオフィスをつくる

そんな使命感を覚えた。

前線に振り向かせるな、とはまさに。

振り向かせるどころか、こちらが足を引っ張っていないか。

日々自問自答するのである。

議論は「互いに自らを問う」ところから

始まらねばならない。

相手の避難をすることは案外容易い。

容易いことを続けているとどうなるか。

組織は腐り、その各人も錆びていく。

相手のために何ができるのだろうか。

日々の問いを変えてみるとよい。

ほんとうは、職場生活での充実や満足があって、はじめて私生活での喜びや安息が得られるのだ。

ワークライフバランスとは。

人は人のために行動し、喜んでもらえたとき

純粋な喜びをえることができる。

自分だけの楽しみは、それはそれでよい。

けれども、人を楽しませることは

人類単位で考えても大きな喜びではないか。

この経験を味わってしまうと

自分だけの楽しみというのは

つまらなくなったりするものだと思う。


成功の要因は、会社での時間中になく、私生活での時間中にある

教育はキレイ事ではだめだという。

「早期・重課・鍛錬主義」

私生活での時間の使い方にこそ

人生を豊かにするためのヒントが隠されている。

会社でのアウトプットに備えて

課題に対する不足を認識して

スピード感をもって積み上げていく。

まさに鍛錬のような日々が

後の人生に大きく影響を与えることになる。

このことに早めに気づけるかどうか

これはキレイな教育では難しいと、ぼくは思う。


昨日も明日もない、新たに今日という清浄無垢の日を迎える。今日という一日に全力を傾ける。今日一日を有意義に過ごす。

今を生きる。

それ以外になにもないのである。

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