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本の棚 #85 『職場を幸せにするメガネ』

『職場を幸せにするメガネ』
アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント
小林嘉男

アドラー心理学の実践編を学びたい人に

是非おすすめしたい。

『嫌われる勇気』を読んで感銘を受けたけど…

どうすれば?

ん~とりあえず「課題の分離」だ!

「それはあなたの課題であって私の課題ではない」

みたいになっていないか。

新たな考え方を取り入れてもそれを実践できないと

ただの机上の空論となり、下手をすると

頭でっかち状態になってしまいかねない。

著書は「働きがいのある会社」ランキングで

毎年上位に名を連ねる株式会社ディスコの

部長が綴った実践記録である。

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人間は誰もが「認知のメガネ」をかけて「主観的な解釈」をしている

どこかできいたことが…

『7つの習慣』だ。

フィルターやパラダイムということばだったけど…

コヴィー先生もアドラー心理学の影響を

少なからず受けているらしい。

ここでも、まずは自分のメガネを自覚すること

そこから始めようとされている。

ちなみに著者は「部下を鍛えるのが上司の役割」

というメガネをかけていた。

そして部下からの辛辣なフィードバックを

きっかけに、そのメガネをかけ替えることになる。

自分のメガネを認識したら、そのメガネが

「自分の思い描く未来」にふさわしいものか

問わなければならない。


本当はどうなりたかったのか?」

「異動したいです」

部下の表面的な言動をそのまま受け取るのではなく

その本当の目的、つまり本当はどうなりたいのか

目を凝らして、耳を澄ますのがアドラーの唱える

「目的論」的なアプローチである。

例えば、

先輩の厳しい指導をこのまま受け続けることで自分の力不足な明らかになることを避けたかった

あるいは、

自分がどれだけ先輩の指導で傷ついたか間接的に訴えたかった

そんな目的があるかもしれない。

この「未来に成し遂げたい何らかの目的」について

考えることで、上記の例で「先輩を罰する」という

短絡的な愚策でない別のアプローチを考えられる。

行動指針は、全員が合言葉として日常的に口に出して言いたくなる、キャッチーな表現にこだわる

あなたは組織として大切にすることを

ちゃんと共有できているだろうか。

ビジョン、ミッション、バリューズ…

それとともに重要なことが、行動指針だ。

行動は常に行われることであるから

その指針は明確でなければならない。

しかし、その指針があまりにも真面目で

親しみにくく、結果として浸透しない…

そんなことになってはいないか。

ここで著者が大切にしていることが

キャッチーな表現、という点だ。

【旧行動指針】
当たり前のことを当たり前にできる
ステークホルダーからの信頼を得る
業務時間の最小化を図る
【新行動指針】
頂点を目指せ!
プロのこだわりを持とう!
ただ闇雲に働くな、スマートに行こう!

…もう、全然違うやん。
ビックリマークついてもうてるやん。

しかしこれくらい「言いたいな」と思える

キャッチーさを行動指針にすることで

現場の共通言語が生まれて、結果的に

この指針が浸透していきやすい環境になる。

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まだまだ書き足りないほどに密度の高い一冊。

たくさんの人にこの本が読まれれば嬉しい。

#読書 #推薦図書 #アドラー #心理学

#幸福 #生産性 #組織 #マネジメント

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