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ドイツに社畜はいるのか その2

すっかり春めいて参りました。花粉症といえば、日本ではスギ・ヒノキが話題に上りますが、ヨーロッパではマロニエやプラタナスでしょうか、街路樹から降り注ぐ種子がすごくて、季節外れの雪が降っているのかと勘違いするくらいだったことを思い出します。サッカーの中継でも綿のような白い物体が空中をふわふわ浮遊しているのを目にした方もおられるのではと拝察します。

さて、敗戦後復興を成し遂げたドイツ人の働き方は日本人のそれとは全く違っていた、という経験をしたわけですが、今でも強烈に脳裏に刻み込まれている出来事を紹介しましょう。

異国の地で単身社畜三昧に明け暮れていた私でしたが、運良く日本人ご夫婦が営むマッサージサロンを見つけまして、時々凝った身体をほぐしてもらっていました。そのご夫婦は長年ドイツに住んでおられまして、ストレスまみれだった私にドイツ生活でのお作法など色々教えてくださるとってもありがたい存在でした。

あるとき、もうすぐ夏休みになるがどう過ごされるのか?という話になったんです。ご主人が急に声を潜めておっしゃるには「休みに何もしない、とドイツ人の友人達に言うと、何か不正を働く怪しい人物と思われてしまうので、嘘でもいいからどこどこに遊びに行くと言わないと厄介なんです」「毎年休みの前になると、ばれない嘘を考えるのが憂鬱ですわ」とのことでした。

日本では逆にどこかに遊びに行く計画があっても、妬まれないように「いやー仕事が忙しくてどこにもいけないっすよ~」「お金もありませんし、実家に数日帰省するくらいですわ~」なんて嘘つくのがある種お作法であり、間違っても「家族でヨーロッパ周遊旅行します」なんて言えないわけですが(最近はそうでもないか・・・)、ドイツではみんなが遊ぶときに遊ばず仕事をするなどもっての外であり、社会秩序を乱す怪しい人物と見做されるとのお話をきいて、これまたびっくりでした。

郷に入っては郷に従う、今も昔もこの考え方は大切に思います。

つづく・・・・


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