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東南アジアの消費トレンド分析:コト消費とモノ消費

日経新聞で「アジアのヒット商品」が発表されました。今回は東南アジア地域編です。

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東南アジア市場は、エンターテインメントを中心とした「コト消費」が活発になるのと同時に、中国の影響力を反映した「モノ消費」も拡大しているこがわかります。

コト消費:エンターテインメントと体験型消費の盛り上がり

東南アジアでは、音楽や映画、ライブイベントといったエンターテインメント消費が注目されました。

フィリピン発のP-POPブーム:
女性アイドルグループ「BINI」は、デビュー以来初の単独コンサートを即完売。音楽配信サービス「Spotify」のグローバルランキングにも名を連ねるなど、東南アジアを超えた影響を与えました。世界での存在感が着実に高まっていることがわかります。

タイ映画の成功:
映画「ラーンマー(おばあちゃん子)」は、東南アジア各国に加え、中国市場でも大ヒット。文化的な要素をユーモアとともに描いた作品が国際的に評価され、タイ映画の新たな地位を確立しました。

海外アーティストの公演による経済効果:
テイラー・スウィフトの世界ツアーでは、シンガポールでの経済効果が約570億円に達するなど、大規模なイベントが観光や消費を押し上げました。「スウィフトノミクス」の恩恵は、東南アジア全域に波及しています。少し前までは世界ツアーもシンガポールくらいまでだったと思いますが、これも経済発展の証と言えるでしょう。

モノ消費:中国ブランドの台頭と地域経済への影響

東南アジアでは、中国発の商品やブランドが消費者の支持を集めています。

中国のキャラクター商品:
中国の「ポップマート」が展開するキャラクター「ラブブ」は、シンガポールで品薄状態になり一時定価の5倍で販売されるほどの人気ぶり。また、ポップマートのぬいぐるみが入った開けるまで中身がわからない「ブラインドボックス」はベトナム市場でヒット商品になりました。

中国の電気自動車(EV)市場の拡大:
シンガポールでは、BYDの販売台数が前年の3倍に急増。価格競争力と環境意識の高まりが背景にあります。高級ミニバン「デンザ」も登場し、消費層の多様化を反映しています。

食品・小売市場への浸透:
格安アイスクリームの「蜜雪氷城(ミーシュエ)」は、タイやベトナムなどで店舗を拡大。また、タイで人気のお菓子「バターベア」はSNSで中国人観光客を引きつけ、現地の観光産業にも波及効果をもたらしました。さらに、中国発の越境EC「SHEIN」や「Temu」は、東南アジア全域で大きな支持を得ています。

各国の特色を反映した消費動向

フィリピン:地元ブランドとP-POP
ファストフード大手ジョリビーがP-POPアイドルを起用し、文化的要素をマーケティングに活用。地元のアイデンティティと現代的なエンターテインメントが融合しています。

インド:新たに建てられた寺院
ラーマ神の生誕の地であるアヨーディア州に建てられた新寺院には半年間で1億1000万人が聖地巡礼しました。

4. 今後の展望:モノとコトの融合がもたらす可能性

東南アジア市場では、コト消費とモノ消費が相互に補完し合い、新しい消費体験を生み出しています。以下のトレンドが注目されます。

ランドマーク型施設の増加
シンガポールのIRやユニバーサルスタジオ、タイの「ワンバンコク」には三越伊勢丹が高級スーパーを設け、マレーシアの世界一の構想ビル「ムルデカ118」など、新たな都市拠点が消費を促進が予測されています。

中国市場との関係性
越境ECやEV市場の拡大が続くと予測され、また、中国の消費力が東南アジアに及ぼす影響力は今後も拡大していくと思われます。

まとめ

経済的な力が高まるとともに東南アジアのトレンドの発信力も確実に向上していることがわかります。また、中国トレンドの影響力も侮ることはできないでしょう。私は「日本の方があか抜けている」というステレオタイプな考えから抜け出せずにいましたので認識を改めないといけないと思いました。

それにしても、タイ映画の「ラーンマー」はアカデミー賞の候補にもなったそうですが、日本ではなぜ公開されないんですかね?


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