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僕は君のことが好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたいから始まる馴れ初め話。

ラジコを聴いていたらback numberの「僕は君の事が好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」という曲が流れてきた。

曲調は軽いノリの良さそうなものだったけど、この曲のタイトルをみて昔の自分のつぶやきみたいな気がしたんです。

まさに今の彼女との縁の初めがこんな感じで、彼女には思い焦がれている好きな人がいるんだって知りながら、彼女のことを岡惚れしていた頃のウブな思い出なんですが、始まりはこんな状況から転がり出したんですね。


あれは高校1年の時、サボってばかりであまり高校に通っていなかったある日のこと、珍しく始発から数えて2番目の列車に乗り込んで、マジメに登校しようとしていた私の目が彼女の姿を捉えたんですよ。

彼女が乗車してきたのは隣駅からで、友達と思われる女子高生3~4人の中で控えめなうつむき加減の目立たない様子が、ひときわ目を惹いたんです。

堂々と盗み見?している私には当人は気がつかず、一緒にいる友達は気づいた様子で、チラチラこちらを伺うような視線を送ってきていました。

彼女らがかたまっていた場所は、蛇腹の丈夫な布壁になっている車両の連結部分で、足元も鉄板が重なって動く不安定な場所でしたが、高校の最寄り駅までには2駅で到着するからか、そこで立ちっぱなしのようでした。

制服に付いているバッジで同じ高校の上級生で、2年生だというのはわかっていたので、教室に入るやカバンを机に放り投げて、さっそく2年生の教室を覗いてまわりクラスを突き止めました。

見つけ出した彼女のクラスは2年6組で、女子だけで編成されたクラスの生徒でした。

さぁ、そこからです。

何がって、情報収集活動ですよ、彼女の氏名や住まいなどを同じ駅から乗車してくる同級生をかき集めて問いただすと、すぐに名前も住まいの集落も家族構成のおおよそが把握できましたが、厄介なこともわかったんですよ。

それが、同じ彼女を2年生一番の乱暴者である人物が片思いしていて、彼女に近づくとその乱暴者にボコボコにされてしまう・・・という、尻込みしそうな情報でした。😨

だから、好きになったとしても、誰も彼女には恐くて近づけないのだ、ということもわかったわけですね。

私ももちろん恐かったんですよ、その乱暴な上級生が。😅

なので、どうしようかな・・・と思案している最中に同級生が放った「いくら恐いもの知らずでも諦めるしかない」と言う意味の言葉にカチンときてしまったんですよ。

よっしゃぁ~!ってことは、誰も虫がついとらんってことよ!

なんて強がりを言って、彼女にアプローチして付き合うのだと、宣言してしまったんですね。

行きがかりで強がってみたものの、恐いことには変わりはないわけで、どんな乱暴に遭うのか内心はビクビクしながらも平静を装って、彼女へのアプローチを試み始めました。

セーラー服の制服が夏服から合服に替わり、そろそろ冬服になろうかという頃に始まった私の横恋慕は、誰にも知られないような秘めたものなんかじゃなく、瞬く間に知れ渡ってしまいその成り行きを見守っていたようです。

もちろん成り行きと言っても、私がいつボコボコにされるのかということに、みんなが注目していたんですね。😅

そんな状況下で時は経ち、思い切ってクリスマスカードで告白することにしたんです。

開くとカードの中には、トナカイに鞭を入れているサンタクロースの乗った橇が、天空に駆け上がって行くような構図のイラストに、金粉銀粉に見立てたざらざらする粉末を散らしてある、ありふれたクリスマスカードでした。

そのカードのどこに書いたらいいのかわからなかったけど、適当な余白部分に短い告白のメッセージを書き込んでから、差出人名をイニシャルにするという意味不明なことをしたまま、付属の白封筒に入れて投函しました。

もちろんクリスマスカードにも封筒にも、差出人の住所は書いていないわけなので返事があるはずも無く、ただ自分の存在を彼女にアピールするだけのクリスマスカードでしたね。

そして正月休みの合間に、彼女と同じ集落の友達を持つ同級生に案内させてその集落に遊びに行ったんですよ。

彼女が出かけるとすぐわかる位置にある集会所をたまり場にして、面白くもないピンポンなんかで暇をつぶし、彼女が外に出て来る姿を追い求めるわけですが、彼女もなかなか外出もせず、そう簡単に会う機会もないのですね。

それでも数日間通っているうちに、ついに彼女が歩いて出かける場に遭遇する機会が・・・遭遇じゃなかった、待ち伏せでした。😅

こんな好機を逃してはならないと、勢い込んで道路に飛び出したはいいものの、語りかける言葉も思いつかずただ突っ立って、彼女がうつむいたままで目の前を通り過ぎるのを、もの欲しそうに眺めているだけ・・・。😓

雨上がりの翌日だったので、彼女が手にしていたのが借り傘であり、その借り傘を返しに行ったんだろうと見当つけて、戻ってくる姿をずっと待っていたんですね。

すると、ずっと先の坂の下から歩いてくる彼女の姿が・・・。



さて、ここから先は長くなりそうなので、またの機会といいことで次に続くことにします。


ってことで、今回は
僕は君のことが好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたいから始まる馴れ初め話。」という馴れ初めの話でした。
※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。


では!

馴れ初めは  十五の冬に  のほほんと


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