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★仏像展★大安寺展in奈良国立博物館

124件(うち国宝10件、重文50件)が出展!奈良七大寺!!集まれ!大安寺の仏像たち!!日本最先端の仏教と仏教徒が集合!奈良の仏教大学であった大安寺を堪能!

  • 南都七大寺の1つで、最新仏教はここに集まったときもある

  • 興福寺北円堂の平安時代四天王像は台座の墨書きから平安時代前期に造像され、元々は大安寺にあった

  • あああああ~京都・石清水八幡宮から「大安寺八幡大菩薩御鎮座記幷大安寺塔中院建立縁起」出ている!そう、大安寺と言えば元石清水八幡宮があり神社アルアルの本宮こっち論争がある


寺の紹介は以下です。

変更履歴
2022/06/18 初版

▼公式HP

出陳一覧

報道発表資料

▼博物館

奈良国立博物館

▼動画紹介(リンク)

奈良テレビ

奈良県のwebサイト『日刊ぱーぷる』

▼ニュースメモ

わが国最初の天皇発願の寺を原点とし、平城京に壮大な寺地と伽藍を構えた大安寺。奈良時代、東大寺や興福寺などとともに南都七大寺の1つに数えられ、一時期を除き筆頭寺院としての格を有していた。1250年の時を経て今も大安寺に伝わる9体の仏像は、奈良時代を代表する木彫群の1つである。(略)菩提僊那、空海、最澄をはじめ、1,000人にも及ぼうかという国内外の僧侶たちがここに集い、後に諸方面で活躍した。天智天皇の発願により造られたとみられるかつての本尊・釈迦如来像は、今は失われてしったが、平安時代には奈良・薬師寺金堂の薬師三尊像よりも優れていると評され、古代から中世の仏像制作に影響を与えた。(略)

↓美術展ナビだが「奈良国立博物館公式サイトより引用」のよう

▼仏像感想

▽大安寺:十一面観音立像@重文

 前期のみでした。
 大安寺の現本尊は秘仏でカヤの一木造。造り方から鑑真と来日した仏師が作成したかもという説がある。理由は唐招提寺の伝・大自在王菩薩や十一面観音と相通じるためだとか。

▽大安寺:伝楊柳観音立像@重文

 正面は柔らかい菩薩顔だが、横から見ると馬頭観音、明王と思わせる憤怒の顔に見えたのは私だけか??
 正面に回り再度見仏すると、全体のバランスが素晴らしく、両目見開きの舌と歯が見えるのも珍しくて特徴。 専門家曰く1面2臂の馬頭観音立像説も上がっている。

▽大安寺:伝不空羂索観音立像@重文

 東大寺、広隆寺など大きな仏像が多く、鹿皮(ろくひ)と3目(額に目)がないことから「伝」がついているようだ。鎌倉時代などになると坐像が出てくるが作例数も少ない。
 個人的には興福寺が廃れた大安寺を救うときに不空羂索にしたのではないかとも疑っている。なぜなら、興福寺=藤原氏=春日大社=不空羂索なので。

▽大安寺:伝聖観音立像@重文

 観音様の特徴の1つとして、膝下まで腕が長いのが特徴なのだが、この聖観音はそれを満たしている。他の観音仏像は手が短めですね。

▽大安寺:伝馬頭観音立像@重文

 やさしさと女性を感じる観音で憤怒の顔をしているのが馬頭観音!福井の若狭地方あたりは馬頭観音が多いのだが、坐像がほとんどで立像は少ない認識である。馬頭の立像で有名なところは京都・浄瑠璃寺ですかね(奈良国立博物館寄贈しており、2022年4月、6月はぶつぞう館で展示されていた)。
 ここの馬頭が面白いのは足で蛇が巻き付いている。この足に蛇を巻きつけるのは、秋篠寺の大元師明王、東寺の軍荼利明王とか数が少なく、観音ではなかなかお目にかからないかと。ということで、元々は明王なのではないか?とも思ってしまうが、頭は観音の特徴である髪の結い方も観音であり、古書では馬頭観音の足に蛇が記されていることから、それを参考に制作されたと説明されている。
 最後にこの仏像の文化財申請は千手観音なんだそうな・・・。

▽大安寺:四天王立像@重文

 作風からバラバラの四天王を集めたようだ。厳密には、前述のとおり荒廃した歴史があるので、残った勇者たちかもしれない。注目は多聞天ですね。単独で祀られると毘沙門天になるのだが、毘沙門天の遣いは獅子なんですよね。肩には獅子がいました!!
 そして、毘沙門と獅子といえば、京都・鞍馬寺、奈良・信貴山ですね!!

▽文化庁:釈迦如来立像@重文


▽京都・西往寺:宝誌和尚立像@重文

 中国・宝誌和尚は十一面観音の生まれ変わりと言われ、顔を左右に割って、観音の顔が出てきているレア仏像なのだが、大安寺に安置されていたことが複数の古書に明記されている。

▽文化庁:虚空蔵菩薩坐像@重文

 元々は奈良・額安寺の仏像であることがわかっている。ただし損傷が激しく修理したようだ。踏下式となっており、同年代の踏下式といえば奈良・興福院と同じなので脇侍だったのではとも。たしかに長岳寺の脇侍もそうですね。

▽奈良・北僧坊:虚空蔵菩薩坐像@重文

 矢田寺塔頭・北僧坊のもの。超国宝にも似ている説がある。

▽京都・神応寺:行教律師坐像@重文

 大安寺僧・行教は備後国の生まれで、石清水八幡宮を創建した僧でもあり、石清水八幡宮が鎮座する男山中腹の「神応寺」も開いたとする。ということだが、明治の神仏分離令で「石清水八幡宮」から「神応寺」に移されたのだろう。ただ、神像、いや東大寺の僧形八幡神像として造立されたとする説がある。

▽奈良・薬師寺:八幡三神坐像@国宝

 石清水八幡宮を創建した僧・行教の弟が関わった薬師寺の八幡神である。って兄弟繋がりなだけのような・・。

▽大分・永興寺:四天王立像@重文

 西大寺の末寺。大安寺の四天王の模刻像が伝えられていることから展示されたようだ。ならば、法隆寺北円堂の四天王を揃えてほしかった・・。なぜなら、あの四天王の故郷は大安寺だからです・・。
 それはさておき、「永興寺・四天王立像」は1321年作と墨書などから分かっている。法隆寺北円堂の四天王パネルと見比べると、なるほど!と思わせるものである。康成、春慶作としていることから慶派かなと思わせるが、奈良地方で活躍し、大分や佐賀など九州の西大寺末寺の仏像を手掛けている。現在は彫眼だが1929年の修理したもので元々は玉眼だったとされる。

▽香川・鷲峰寺:四天王立像@重文

 754年の古寺で、こちらも興福寺北円堂の四天王の摸刻であるが、若干、動きは大人しくなっている。ただ邪鬼のインパクトは永興寺よりも良い感じで慶派が好きそうな邪鬼である。

▽奈良・岡寺:義淵僧正坐像@国宝

 玄昉、行基、良弁が師と仰いだ高僧の仏像だが、賓頭盧尊者ではないかともいわれている。

▼その他(仏像以外)

▽京都・神護寺:釈迦如来像@国宝、弘法大師像@重文

 こちらもお馴染みの国宝ですね。公式HPをどうぞ!

▽東大寺:倶舎曼荼羅@国宝

 こちらもお馴染みの国宝ですね。公式HPをどうぞ!

東大寺ゆかりの奈良時代の名画(法華堂根本曼荼羅、戒壇院厨子、大仏殿六宗厨子)から図様を集め、倶舎宗の諸尊を曼荼羅風に一図にあらわしたもの。釈迦三尊を中心に、仏弟子、梵天・帝釈天、四天王等を描く。

↓公式HP


▽奈良国立博物館:七大寺日記@重文、奈良・法隆寺:七大寺巡礼私記@重文

 七大寺日記は奈良国立博物館のサイト参照です。さらに、法隆寺にも南都七大寺の記録が残っている。

▽奈良・唐招提寺:東征伝絵巻 巻第一@重文


▽奈良・長谷寺:法華説相図@国宝

日本最古の金剛力士像
 長谷寺の銅板法華説相図は作成年代が古く、7世紀末に遡ります。『法華経』の見宝塔品に登場するシーンを描いており、中央に三重塔を鋳出してその周囲に多数の仏菩薩を配しています。そしてその下段中央に銘文を刻みその両側に仁王像である金剛力士像を意匠しています。説相図はその長い歴史の中で右下部分が失われ、金剛力士像も一体だけとなりますが、これは日本において最古の金剛力士像です。白鳳期に作られ、大陸からの影響を感じる造形となっています。そのポージングも素朴で愛らしい表現がされていますね。また、天衣の躍動感が伝わり、力強さも感じることができます。

 この後に長谷寺に行くと摸刻が置いてあった。。逆やないかな・・。

▽滋賀・石山寺&京都・醍醐寺:虚空蔵菩薩求聞持法@重文

▽京都・石清水八幡宮:大安寺八幡大菩薩御鎮座記幷大安寺塔中院建立縁起

 石清水八幡宮は平安時代に、大分・宇佐神宮より勧請したのだが、その神託をしたのは大安寺の僧・行教であった。
 石清水八幡宮からは『石清水八幡宮護国寺略記@重文』『諸起記 不足本(石清水八幡宮護国寺略記)@重文』『大安寺八幡大菩薩御鎮座記 并 大安寺塔中院建立縁起@重文』『諸縁起 口不足本(大安寺塔中院建立縁起)@重文』と国指定重要文化財の古文書四巻が出展。
 いずれも鎌倉時代に書かれたもので、宇佐から男山へ神託によって勧請された。

 元石清水八幡宮は、807年に大安寺の鎮守社として建立。僧・行教(ぎょうきょう)が、宇佐八幡宮を分霊した古社。
 御朱印に元石清水八幡宮とあり、三大八幡宮の京都・石清水八幡宮の元宮。唐に留学した奈良大安寺の僧「行教」が帰国の際に宇佐神宮から大安寺の石清水房に祀ったのが始まりとする。
 大安寺の鎮守神「石清水八幡宮」とし、その後に京都・石清水八幡宮と流れだとする。ただし、京都・石清水八幡宮は、宇佐八幡宮から遷座なので、奈良が京都から勧請したものだとして元宮であることを否定しているようだ。

↑私のNOTE先行公開(↓2022年公開)




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