見出し画像

【奈良】安倍文殊院-快慶作「文殊菩薩騎獅像@国宝」と安倍晴明-

切戸文殊@天橋立、亀岡文殊@山形県とともに、日本三文殊のひとつに数えらる華厳宗東大寺の別格本山です。

孝徳天皇の勅願によって大化改新の時に、左大臣となった安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安倍一族の氏寺として建立したのがはじまりで、「安倍寺」とされた。

画像6

平安時代には奈良十七大寺だったが多武峰(談山神社あたり)の衆徒により焼失したが、東大寺別所だったここだけ残る。

檀家を持たないながらも快慶作の文殊と陰陽道・安倍晴明の本家氏寺というのもあり、各地各層から人気の寺となったようだ。

本尊の「文殊菩薩騎獅像」が快慶作で2013年に脇侍と共に重文から国宝に指定された。日本最大約7mで快慶作「渡海文殊菩薩騎獅@国宝」が安置されている。ちなみに、チーム文殊ですべて国宝!

以下の境内案内板。ご本尊のところに上から、国宝に上書きした形跡が。

画像9
画像7
画像8

まず本堂拝観すると「和菓子 + 抹茶」を頂き、いざ本堂へ!?
ちなみに、寺の冊子、写真などあるので気に入ったら帰りに買うべし。

変更履歴

2021年08月11日 初版

HP

アクセス

奈良県桜井市阿部645

▼本尊と脇時 チーム文珠@国宝(造語)

写真は公式HPを見ながらでお願いします。
本堂にはチーム文珠こと「渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)@国宝」が揃っている。とにかくでかい!そしてすべてが国宝!

と言っているが、最近まで重文だった。東大寺とのかかわりや、墨書に快慶だけでなく、重源が入っているのも決め手のようだ。(安倍文殊院の有料冊子より。国宝になった時の冊子より。)
この仏像は東大寺復興したときに完成しているが、17年間開眼せず、謎の期間があった。前述のとおり、衆徒による焼失で歴史を示すものがなかったのだが、他の寺の各書から歴史的に重要とされ、(かなり端折る)国宝になったようだ。

▽快慶作「渡海文殊菩薩騎獅@国宝」

日本三大文珠のひとつ!7mの大きさに圧倒される!
文殊菩薩の胎内墨書銘より、1203年の大仏師・快慶の作と判明しており、快慶作としては兵庫・浄土寺の次に大きいかと思う。

時代的に京都・醍醐寺の三宝院の快慶作「弥勒菩薩坐像@重文」と顔は似ていると思っている。斜め45度から見るととてつもなく美仏なんだろうけど正面からしか見れないのが残念だ。

残念ながら快慶展はではパネル展示だったが、是非、快慶仏で見比べたいものだ。

▽快慶作「善財童子像@国宝」

文殊菩薩に向かって右側に立つ善財童子(ぜんざいどうじ)は、純粋可憐な童子でプリティさが売り!?渡海文殊群像では先導役で、呼び止められた瞬間を残したのだろうか。
京都・永観堂の見返り阿弥陀は永観に「永観!遅し!」と振り向いた瞬間だが、ここは逆ですかね?「善財童子待て!」と呼び止められ「なんすか?」という感じかな。

▽快慶作「優填王像@国宝」

「優填王像@国宝」(うでんのう)は西域・優填国の王であったと伝えられる。慶派が天(四天王など)を作るとこうなるな~というもの。
実は、この優填王像は文珠との関わり合いがよくわからないらしい。ただし、東大寺の宗派「華厳宗」では釈迦をいたく尊敬し、会いたくてしょうがなかったが、会えなかったという話があるそうな。そこで脇侍の文珠に会わせたということかな??

▽「維摩居士像@国宝」

「維摩居士像@国宝」(ゆいまこじ)は奈良・興福寺、奈良・法華寺、滋賀・石山寺など作例が少ないながらも国宝・重文が多い仏像でもあり、「ピースサイン」の印相もある面白い仏像なのだが、ここはエース級が多く控えめ?

という冗談はさておき、すごく知識があり頭の良い方です。
お釈迦さまは維摩居が体調不良のため弟子(十大弟子)たちにお見舞いに行くように言うが、みんな仏法で打ち負かされている(性格が悪い??)ので拒否する。困ったお釈迦さまは脇侍の文殊菩薩にお見舞いに行くように伝える。すると知恵を持つ文珠と互角に渡り合える実力だったとか。そして、文珠に付いたそうな。
最後に、実はこの仏像は消失しており、室町時代の仏師・宗印作。でも国宝なんです!印派と慶派のコラボ&チーム文珠・薬師・釈迦・阿弥陀は聞いたことがないな、という意味でも国宝だ!

なお、この宗印は京都・方広寺の幻の大仏の仏師で、奈良吉野・金峯山寺の蔵王権現なども作っている。やっぱ、国宝だ!

▽快慶作「須菩提像@国宝」

仏陀波利三蔵(釈迦十大弟子・須菩提)と呼ばれる像。十大弟子と言えば、快慶工房・運慶工房のコラボ企画で作られた京都・大報恩寺、京都・清涼寺がオススメ!それぞれ重文と国宝ですね。

▼見どころ

▽本堂・釈迦三尊像

本尊より右側の部屋に安置されている。多武峯妙楽寺(現在の談山神社)の御本尊らしい。
初見仏したときに寺の方の説明では、毎日、殿様が祈りに来ていたという歴史があるって言っていたような。(って、どこかと勘違いしているかも・・)

▽金閣浮御堂

特別公開の時に入られるお堂。安倍晴明、安倍仲麻呂像が安置されている。

画像5


▽西古墳

文殊院西古墳は終末期古墳を代表する切石造りの古墳で国の特別史跡に指定されている。またこの古墳の被葬者は創建者「阿部倉梯麻呂」と伝えられている。が、中に入ると不動明王が祀られている。

画像4
画像10

▽白山堂

社殿が重要文化財です。なんでここに白山信仰のククリヒメを祀るのかは不明でしたが、公式HPによると、「白山信仰と陰陽道は古くより深く結びついた為、安倍晴明ゆかりの当山に白山神社の末社が勧請されました。」とのこと。

画像12
画像10

▽晴明堂

平安時代の陰陽師・安倍晴明を祀る。

画像11
画像2
画像3

▼セットで行くところ

元伊勢伝承・等彌神社(とみじんじゃ)ですね。後は前述の旅行記ですね。あっ車推奨かな~。
 ※稚桜神社、若桜神社は穴場です。


▼セットで行くところ(旅行記)



▼仏像展


#奈良
#神社仏閣
#仏像
#国宝
#慶派
#快慶
#安倍晴明
#東大寺別当
#桜井シリーズ
#安倍文殊院
#快慶
#文殊菩薩
#国宝
#安倍晴明
#切戸文殊
#亀岡文殊
#日本三文殊
#東大寺別格本山
#孝徳天皇
#安倍倉梯麻呂
#安倍寺
#談山神社
#奈良
#桜井
#善財童子
#優填王像
#維摩居士
#須菩提
#白山堂
#晴明堂
#安倍晴明




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?