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<19>人生への満足度は何点??~ハンセンの4Lで分析する~

将来のビジョンやキャリアの目標を考える為の1stステップとして自分史年表を作成して過去を振り返り分析することを<17><18>で紹介しました。それらを実施した人は、過去の人生の理解や捉え直しとともに、今の自分への理解が深まったのではないでしょうか?きっと過去にはなかった様々な思いを感じていることでしょう。

さて、次は視点を過去から現在に戻します。


人生の満足度を分析する

さて、本コラムでは、あなたが自分の現状についてどの程度満足しているのか、不満足は何か、ということを明らかにしていきます。

もう少し細かく言えば、自分を取り巻く環境のどの項目に満足をしていて、どの項目には不満なのか。

また、それぞれの項目への満足度合いはどの程度なのか。理想的な状態と現状とのギャップはどれくらいあって、そのギャップは何が不足しているから生まれているのか。

これらを具体的に明らかにします。

自分の満足度と理想の状態とのギャップが分れば、それを埋めるべきかどうか、また、埋めたいのなら何をすれば良いのか、と考えを進めることが出来ます。

このマガジンに興味を持ってはじめから読んで頂いている人は、きっと現在の自分の状況に完全に満足していることは無く、不満やもどかしさを抱えていることと思います。

そこでまず、盲目的に前に進む為に、まずは自分の満足度の現状を分析して把握しましょう。

4L 分析に取り組む

自分の人生への満足度を分析する時に役に立つ考え方は、サニー・ハンセンの4L分析です。

4L 分析とは、今の人生全体を頭文字がLである4項目に分けて考えます。
4つのLとは、仕事Labor=労働)、大切な人々との関係Love=愛)、学びLearning=学習)、余暇の充実Leisure=余暇)です。

この4項目について、自分の満足度を点数づけして、分析していきます。

1つ1つのLに点数をつける

まず、仕事です。あなたの仕事への満足度は、100点満点で何点でしょうか?
点数は考えすぎず直感でつけて構いません。「うーん、何となくだけど60点かな…」と思えば60点としましょう。

大切な人々との関係はどうでしょうか?ここで言う大切な人とはプライベートの人々です。対象となる人々は大きく分けると3種類で①家族(特に子供)、②好きな人(配偶者や恋人)、③友人(親友や大切な仲間)です。

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~補足説明(Loveという概念について)~

因みに、少し脱線して補足説明しますが、4LのLoveについては、愛と訳されても多くの日本人にはイメージが湧きづらいと思います。愛やLoveと言う言葉から日本人が抱くイメージは恋や性でしょう。欧米の愛(Love)の観念と日本人が“愛(Love)”という言葉から受ける印象が異なりますので、Loveを愛と直訳して考えようとしても無理があると思います。高校生時代の倫理の教科書にも載っているはずですが、愛とは3種類あって、それらはアガペー(無償の愛)、エロース(恋)、フィーリア(友愛)だと学んだと思います。これです。無償の愛の対象は、子供、親など血のつながった家族。恋の対象は夫・妻・彼氏・彼女などのパートナー。友愛の対象は、親友をはじめとした親しい友達です。なので、大切な人との関係として、①家族、②好きな人、③友人、の3つのカテゴリーで考えることがふさわしく、また考えやすいと思います。
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以上の補足説明も踏まえて、自分にとって大切な人々との関係を見てみると、あなたの満足度は何点でしょうか?

学びは分かりやすいですね。学校の勉強だけでなく、仕事のスキルや知識を得る為の自主的な学びから、自己啓発や知的好奇心を満たす為の学びまで広く考えましょう。自ら学ぼうとして学んでいることはありますか?その視点で考えて点数をつけましょう。

余暇の充実とは、趣味や遊び、何もせずに過ごす楽しみなど、仕事以外のプライベートの自由な時間での充実度です。仕事を人生の中心に置いていて、趣味や遊びなどは二の次にしていても、体を休めて心をリフレッシュする余暇の時間がなければ、元気を失い体調を崩してしまいます。その結果、人生の中心に置いていた仕事のパフォーマンスも落ちるでしょう。働くことと、余暇はセットです。余暇の充実度については、どれくらい満足しているでしょうか。これも点数をつけましょう。

以上が、仕事(Labor)、大切な人々との関係(Love)、学び(Learning)、余暇の充実(Leisure)の4項目の点数づけとなります。

あなたは、それぞれ100点満点中、何点でしたか?
仕事〇〇点/100点、大切な人々との関係〇〇点/100点、学び 〇〇点/100点、余暇の充実〇〇点/100点、とつけた点数を記録しましょう。

点数づけは主観的なものですから、細かくは考えすぎずに「これくらいかな?」と直感的に思う点数をつけるのが良いです。

それぞれの項目について点数をつける時は、本コラムの最後に添付しているワークシート内のⅠ.採点表を利用して頂くと便利です。
採点表では、各項目の点数欄を自分がつけた点数のところまで塗りつぶします。

各Lの点数(満足度)を分析する

点数をつけた採点表を見て、あなたはどう思いますか?
4つの項目それぞれで凸凹がある人もいれば、どれも高い人、どれも低い人もいるかも知れません。ともあれ、自分が今の人生にどの程度満足をしているのか可視化されました。
案外満足度が高いなぁという人もいるでしょうし、その逆の人もいるでしょう。

さて、点数をつけたら、それぞれの満足度について分析を行います。

そこで考えるべき問いは次の2つです。

1)各項目について100点満点を理想の状態とすると、あなたがつけた点数と100点の間のギャップは何点ですか?

2)そのギャップの点数は何が足りないのでしょうか?

説明の為に少し個別の項目について書きます。例えば、あなたが「②大切な人々との関係」に60点をつけていたとしたら、100点までのギャップは40点ですよね。

この100点満点までのギャップの40点分は何が足りなかったのでしょうか?
言い方を変えれば、何があれば40点分のギャップを埋めて60点を100点にすることが出来たのでしょうか?

この差を埋める為には何が必要であったのかを考えてみましょう。

それでは、4つの項目について考えて、下記に添付するワークシートに掲載しているⅡ.ギャップ分析の質問に答えを書き出していきましょう。

答えを書き出したら、今回ご紹介する人生の満足度分析は以上です。
自分だけの静かな時間をとって考えてみて下さい。


(2024年1月29日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士


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