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今すぐにでも【勝訴!成長!】と半紙に書いて裁判所から飛び出していきたい

“子持ちでいいのはししゃもと昆布だけ”と言われて久しいが、それはこの令和においては全くの化石発言であり、新たに俺のドキドキゾーンに参入してきたメンもまた、子持ちの方であった。

いいなと思って声をかけたのはこちらであるし、ししゃも(バツイチで親権は嫁)と知ったからと言って100m後退りして猛ダッシュで帰るほどの気も起こらなかった。かくいう俺もバツイチ戻り鰹であるし、ただししゃもの場合は、そこに恋人より優先すべき大切な存在がいるというだけだ。

何をいいなと思ったのかはワンフレーズで答えられる、ズバるところ【笑顔】だ。飲み物を飲んでいる時にマスクを外して笑っている姿を目撃ドキュンしハートがズキュン、そんなお前の笑顔を俺は一生隣で見ていたい、一生一緒にいてくれや♪みてくれや才能も全部含めて...と三木道三がLifetime Respectをシャウトし始めたのである。

しかし“恋はまことに影法師(byシェイクスピア)”とはよく言ったもので、追いすぎると前回(ブラの件/)のように逃げられる恐れがあるが、 万年数学3の俺に駆け引きなんて土台無理な話で、初手から強く出ると敗勢しか道が見えないにも関わらず、初対面の会合@SHIBUYAから浴びるように酒を飲んでしまい、案の定2軒目のBARで便器と濃厚キッスをし、気付いたらししゃもの部屋で寝ていた。“学習”という言葉が馬の耳にマントラな女、それが俺だ。

あれから20日ぐらいが経過し、LINEは日々交わすものの、休日は娘と会ったりなんだりで多忙、次にミーツできる日を聞いたら3週間後しか無理と伝えられ、断られているのか約束していいのかが分からず、ほぼ中二の病を患っている。

それだから先週は出勤5分前に動揺してヘアアイロンを握りしめて火傷をしてしまう始末で、氷の常備がないため冷凍庫に眠っていた小松菜の刻み(ジップロック入り※1)を氷嚢代わりにして満員電車に飛び乗った。

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(※1 なぜか実家から大量に送られてくる小松菜の群)

お陰様で今日見たらだいぶ水ぶくれ(※2)になっており、とにかく傷には時間が有効じゃわいと痛感した。

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(※2 そんなことよりシワ多すぎんか)

危険な恋で大火傷する例は後を絶たないが、俺の場合は恋により思考がお留守になって例えでなく火傷をしてしまう。ひょっとして恋に向いていないのでは?と気づいた時にはすでに鼻まで沼に浸かっており、かろうじてストローで息をしているのが現状だ。このままだと即身仏になってしまうが、どうせならライブ配信して小銭を稼ぎながら仏への道を歩みたいものだ。

正直この先ししゃもとどうこうなるとは考えにくいし、向こうも俺に興味があるというよりは、好意を持ってくれてありがとうbutセイグッバイという感じであろう。俺は俺で、もう遠方から笑顔見れればそれでえーわーな心持ち、水ぶくれを潰したらこの恋もフィニッシュにしよかと思い始めてもいる。

なお、これは蛇足のお話となるが、恋をしたりメンがヘラると俄然神社に行きたくなる病の俺は、先日赤坂の神社(※3)を参拝した。

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(※3 エスカレーターが併設してあり、筋肉皆無な俺でもすいすい登れるいい神社)

七五三で溢れる家族を押し除け、独女の独女による独女のための煩悩祈願をし、連なる鳥居(※4)を脂肪のみで駆け抜けた。よくやった。

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(※4 鳥居の数だけ強くなれるよと岡本真夜先生も歌っていたはずだ)

帰りに立ち寄ったスタバでは、なんとトールサイズが無料になるクーポン(※5)をもらってしまい、どんだけ景気の良い神社やねん...と、そのご利益に涙腺が崩壊し、車中では終始徳光和夫モードでハンカチ2枚を消費しつつ最寄駅までどんぶらこであった。

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(※5 クリームブリュレラテのアーモンドミルク変更・ホイップとキャラメルシロップとソースとショット追加、勿論エクストラホットでお願いしますムッシュ-かまやつ-と言う準備だけは万端だ)

ししゃもに恋したことで、“子を持つ人を好きになる”難しさや、そんな人だからこそ持てる優しさや包容力を知った。この先また、ししゃもみたいな人や生粋の純正昆布に出会うかもしれないし、バツイチ戻り鰹の同志にミーツする夜もあることだろう。火傷するほど思考が散漫になる恋だけれど、しなければよかったとは1ナノメートルも思わないし、自分という人間の奥行きが増し、ますます脂の乗った鰹女(かつおんな、とお読みください)になれる恋という代物は、きっとこの先何回しても己を進化しかさせない気がするのだ。

嗚呼、今すぐにでも【勝訴!成長!】と半紙に書いて裁判所から飛び出していきたい。


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