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村の昔の生活史

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昭和43年から続く小さな村の広報誌。ページをめくると大野見の歴史や民話、暮らしぶりが記されている。 そこには歴史の教科書に出てくる偉人など一人もいない。
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#循環

高知県中土佐町大野見、ここに始まる。

高知県中土佐町大野見、ここに始まる。

今を去る1380年ぐらい前(600年ごろ)、 用明天皇の頃、仁井田の川の内の百姓に長左衛門という人がいました。ある日、伊勢川と川の内の境にある若目山にあがって、山の上の高い木によじ登り、はるかに北の方を眺めました。(地図下部)

大野見を発見した長左衛門。

そこには黒々とおいしげった大きな山波が続いていました。が、その中に、広い平原と思われるものを発見したのです。長左衛門は喜び勇み、あくる日、若

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農民にひかれた生産技術が文化を作る

農民にひかれた生産技術が文化を作る

私は大野見に来てから米を作っている。
およそ半年、手塩に掛けて主食を自給するのは、野菜を育てたり、
野生動物を狩るのとはまた違う気持ちよさと安心感がある。

と、同時に米作りが他とは違い、いかに協働的な活動で、
地域のつながりを要するか思い知らされた。

それが心地よいか悪いか。

ともあれ、昔からこの村で脈々と営まれてきた稲作が
この土地の雰囲気や村民性を構成する濃い要素なのではないかと実感した

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