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永遠の超絶ヒロイン⁉神功皇后は聖母?

やまとみずほの国に生まれて  第三十三話

神皇正統記は第十五代天皇と記したのだが、1926年大正15年10月の皇統譜令で神功皇后となった。大和王権も英雄を欲していたが、大陸進出のプロパガンダとして格好のヒロインとなる。男系天皇に神功天皇ではそぐわないし、ヒロインの名前は重要だ。そりゃ神功皇后の方が断然響きがいい。そして日本神話は歴代の成果をまとめて、英雄を創作するのが得意である。

第二十一話「阿波を隠す神武東征が欠史八代を生む」実際に奈良盆地を制圧したのは、第二十五話「長髄彦討つ物部氏!神武東征最後の戦い」であるし第三十一話「熊襲出雲東国平定し倭建は日本武尊へ」も西征と東征は別人と述べた。初代から続いた実子への皇位継承は第十三代成務天皇で途切れて、神功皇后のパートナーの第十四代仲哀天皇は、日本武尊の第二皇子なのだ。

まあ日本武尊は第十二代景行天皇の皇子だからほとんど直系なのであるが、60年も在位した成務天皇に、日本書紀は皇后も御子も記さずに、古事記にのみ御子に和謌奴気王がいたと記す。和風諡号は若帯日子天皇だし、これは第三話「桃太郎は木眉津彦か和歌岳彦か」を裏付ける。そして記紀が皇后に卑弥呼の役を振るのが、第一話挿話「仏教公伝が邪馬台国卑弥呼を隠す」。

神憑り住吉三神の神託により三韓征伐を成就するのは歴代の成果をまとめているが、天照の次代に航海の神は宗像三女神からチェンジするのは、神話の最大の目的である神様仲間づくり。制圧した地の神を登場させるシナリオは大変なのだ。一番ひどい例は、日本書紀の異説にのみ黄泉比良坂に登場し、何か話すけど、何を話したかさえ記されない白山神社に祀られる菊理媛だ。

そして出産を遅らせるため石で体を冷やしたのは、第十五代応神天皇の父が仲哀天皇ではないと言ってるようなもの。仲哀天皇が熊襲征伐で急死するのがもっと怪しく、第十六話「神武東征への旅立ちの前に」の通り、後ろから糸を引いていたのは建内宿禰だ。いや二人は恋に落ちたと妄想したい所だし建内宿禰は第八代孝元天皇の孫か曾孫とされて、男系天皇は守られている。

建内宿禰は景行・成務・仲哀・応神・仁徳の各天皇に仕えるスーパースターだけでなく、紀氏・巨勢氏・平群氏・葛城氏・蘇我氏などの祖であるのが、益々疑惑を広げる。長寿の秘密は孫か曾孫かの通り、親子二代が混同されている。しかし熊襲が何度反乱したら記紀は気が済むのか。狗奴国が熊襲との印象操作みたいだが、第九話挿話「狗奴国がまさかの邪馬台国連合国」だ。

住吉三神を加え卑弥呼を想起し朝鮮支配を記す。神功皇后は名作、大傑作。

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