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投稿をリア友に、自信満々に見せることはできますか?

僕は学生時代から、SNSなどの投稿はあまりしてこなかった人間だった。理由は、周りのみんなに発信したいことなんて、常日頃から生まれてこなかったからだ。

ラーメンの写真と「お腹がいっぱいだ~(はーと)」というコメントをつけてSNSにあげている人をよく見ていた。僕はそれを、だからなんやねんと思いながら、目を細めて見つめていた。最近よく目にする「有益」とはかけ離れた内容に、何の意味があるのかと疑問を感じていたのだ。

だからこそ、自分の身に起きた出来事を投稿しようとしても、誰の何のためになるのだと、途中まで書いては消してしまっていた。一瞬で熱が冷めてしまい「こんなものをあげるなら温かいうちにラーメンを食べよう」と思うようになってしまった。

反対に、つい気分がノッて投稿したところで、周りからのいいねなどの反応がないとなおさら悲しい気分になってしまう。「あぁ、興味ないことは分かっていたけれど、ホントに興味ないんですね、はいはい分かりましたよ。」と地面に指で丸を書きながらいじけてしまう僕だ。

思い込みが激しく気にしいな性格が足を引っ張ってしまい、完全なる被害妄想だが、誰も僕のことなんて見ていないだろう+こいつこんなこと書いてやがるぷぷぷと馬鹿にされているように感じてしまうのだ。

この時点で、何が起きているかというと、<僕がラーメンを投稿して、いいねの数が少なかった。> それだけである。1人で悲しんで1人で文句を行っているのだ。

投稿して数え切れないくらい「いいね」がくるのならば、僕は喜んで市内のラーメン店めぐりをするだろう。人は承認欲求とは離れられない。


もともと僕はテンションが低い人間である。頭の中では色々と反応はしているものの、表情や仕草にだすことは少なかった。だから本当は、もっと仲良くしたいと思う人もたくさんいたし、フォローした人の投稿にも積極的に声をかけていきたいと思っている。

けれど「こいつ、なんかいつも見てやがるやん」って思われるのが嫌で、澄ました顔で投稿をスルーしている。なのにみんなから置いていかれるのは嫌で、SNSのアカウントはしっかりと作っている小心者なのだ。1つもSNSをやらずに幸せに生きている友人のことを羨ましくも思っていた。

また、単純に毎日投稿するといった行為がめんどくさかった。少しでも周りの役に立つような投稿を…少しでも面白い投稿を…なんて考えていると投稿欲はスッと無くなってしまう。最初の欲はどこにいったのか…と頭に問う。

それならば、エロ動画でも見ているほうが有益ではないかと、検索をして動画を見るが、致したあとは「やっぱり凝った投稿でも考えてやっておけばよかったかな」と少し後悔をしたあとにティッシュを捨てる。最初の欲はどこにいったのか…と心に問う。

毎日投稿を積み重ねていたら、何か変わることができていたのではないかと思うだけの毎日で何もできていなかった。毎日自分の意思表示ができていたのなら、もっと仲良くなれた人もいたのではないか。

もう気がついたら大人である。そろそろ表現をしてもよいかなぁと思いはじめていたが、恥ずかしさも勝る。しかし、これらを友だちに見せたら、何て言われるだろうか。「こいつ何言ってんだぷぷぷ」と8割の人には思われるだろう。そんなことは重々承知である。

人がやっていない「普通」から外れた人を見ると、応援したい気持ちと恥ずかしい気持ちが生まれるだろう。共感性羞恥心という言葉があるように、ただ見てるだけでも「痛い人」になりかねない。

けれどそれでよいと僕は思っている。

小さいころから僕は、先生に怒られたくないとか、優等生でいなければいけないといった固定概念をもち、「普通な人」にいかにいられるかを目指して行動をしていた。思っている気持ちを抑え、良い子に見られるようにしていた。中学校の生徒会長からは、「The、平均的」と容姿も性格もひっくるめて評価されていた。

いつからか、他の人とは違うねと言われることが嬉しくなった。「変な人」というのはある意味褒め言葉なのだ。他の人と同じようになることが楽しいことなのだろうか、幸せなことなのだろうか。

文章をあげていくことは、「痛い人」になりかねない。けれどそれでよい。

周りの人は、そんなこと言いながら、思いながら、また見に来たくなるはずだ。そんな何か惹かれてしまうような文章を書きたいと強く思う。読んだからといって読者には何も有益ではない、読み終えたあとに時間の無駄だったと感じることもあるだろう。けれども、僕という人間を、今になって知っていって欲しいと思っている。あのとき黙っていた僕が、実はこんなことを思っていたのだよと、答え合わせのように提出していく。

古くからの友だちは楽しみしかないはずだと勝手に思い込み、投稿をしている。これからも文字を書いていきたい。思いを上手く、伝えられたらよいな。



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