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【音楽感想】混迷する私たちに一筋の道的なものを示してくれたあの名曲を考える?

何気なく

日々、加齢を無駄に積み重ね、生活には支障はないのですが、謎の腰痛や肩痛に見舞われる…

しかし、そんな私にも若さがあったよねと振り返るのにはうってつけの名曲↓

公式様、ありがとうございます。

THE BLUE HEARTSTRAIN-TRAINを勝手に取り上げたいと思います。

まず私事

この曲は1988年(昭和63年)にリリースされました。この時、中の人は多感なお年頃…。その後、学園ドラマの主題歌になったと思いますが、そっちの印象はあまりないですね。

リリース当時、山田(仮名)の中の人も、

青春=アオハル

の時代でしたから、単純に共感が持てるな…と思っていました。

ただ同時期に昭和天皇が体調を悪くされ、なんとなくですが自粛モードに突入する…SARS-Cov-2が流行し始めて街の灯りがパッタリ消えたような…空気感。そして、昭和から平成になる、そんな時代の端境期に登場した曲でした。

過去から現在まで

その後、私は順調に老化が進んでおり、現在に至ります。この記事はもちろん令和になって書いています。しかし、私にはTRAIN-TRAINからはいわゆる昭和感は感じません。

時期は平成かもしれませんが、火曜サスペンス劇場の主題歌たちの方が、よっぽど昭和感がある気がします↓

しかし、昭和を生きた私に、この曲からノルタルジーを感じない…

とすると、もしかして、TRAIN-TRAINには、現在、そして、これからの私たちそれぞれが欲している終着駅的なものを、列車という枠組みから辿り着こうとしたかったものと、私には思えてくるのです。

では歌詞はどうなのか?

私は。この曲の歌詞を"読む"と、現実を突きつけられる印象を強く持ちます。

弱い者達が夕暮れ
さらに弱い者をたたく
ここは天国じゃないんだ
かといって地獄でもない
いい奴ばかりじゃないけと
悪い奴ばかりでもない

とみれば、たかだか30年くらいで時代が変わるわけではなく、この様子がより先鋭化してると思います。このあたりのセンスは、THE BLUE HEARTSにしか出せない味だと思いました。

4つのシーン

この曲で4回リフレインされる

見えない自由がほしくて
見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ

はそれぞれがシチュエーションが異なると思っています。

まずは、

さらに弱い者たちが叩かれることでブルースが響き渡るとき

これは悲しみ、痛み、苦しみといったものでしょうか。

次に、

南風に吹かれながらシュールな夢を見ているとき

夢をどう考えるかにもよるでしょうが、決して前述よりは、肯定的で前向きな想いになるでしょうか。

そして、

世界中に建てられているどんな記念碑なんかよりも意味がある、あなたが生きている今日というとき

私にとって大事な"あなた"を前にして湧きあがる慈しみのような感覚でしょうか。

最後に、

いやらしさも汚らしさもむき出しに生きていく者が、精一杯でかい声で歌うとき

もちろんミュージシャンにとって、売れなければ、良い楽曲でも他人に受け入れてもらうことは無理だという気持ちは伝わります。

しかし、ミュージシャンに限らず、実際の世の中も、多かれ少なかれこのような要素があって、初めて自分が社会に受け入れられ、また社会が自分を受け入れてくれる…というところでしょうか。

そして、4回とも、

自由

という一見すると相反しそうな要素でありながら、

作戦実行

を想起させる表現が、私たちの中にある内なる声に響いていると考えます。

ただ、これが当時の日本だから許された表現かもしれません。実際に銃声が飛び交う現代の世界情勢では、この響きの本当の意味が歪曲されるかもしれませんからね。

なぜ列車だったのか?

レールが敷かれた生き方…というと今日的には、あまりよいニュアンスでは使われないと思います。

しかし、この曲での列車は、決してラッシュアワーで乗車率が200%近い通勤電車でもなく、東京まで定時で走る新幹線でもなく、夜空を楽しむ寝台列車でもなく、のんびり走るローカル線の気動車ではないです。

自由度は高く、しかし、明らかに目的地までに向かうための道具としての列車です。そして、目的地までは、当人からみれば、少なくてもしっかり確認できる位置にあるものです。列車そのものは銀河鉄道の夜とか、銀河鉄道999のシーンが適切かもしれません。

終着駅≒目的地とするなら、TRAIN-TRAINでの車窓は、決して風光明媚ではなく、ある意味リアルで残酷な車窓を目の当たりにすることになるでしょう。

しかし、自分が向かいたい目的地、つまり自分の夢や目標という行き先に向かう列車に、それこそ、

はだしのままで

一歩飛び出して乗り込んだに見えてくる世界がある…ことを30年以上経っても、曲に触れたひとたちに勇気を持って教えてくれる。

それが、TRAIN-TRAINのもつ魅力だと、私は考えます。(了)

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