山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないもの…

山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないものも好き。 モットーは「我悩む、故に我あり」 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/ https://x.com/honane

マガジン

  • ことばと生き方──ことばに対するこだわり

    若い頃から「ことば」というものに興味があり、2001年から2018年まで“ことばのWeb”を主宰していた流れで書いた文章を集めています。

  • 放送とインターネット

    放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテーマではあまり書かない(書けない)と思います。

  • 君はいつごろミュージックシーンに登場したか

    人生と音楽の関わり合いについて書いています。

  • 小説とかドラマとか映画とか

    他のマガジンに含めていた映画評や書評などを抜き出してここに独立させました。

  • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました

    自分が小さかったころから思春期を経て、大人になるまでにいろいろ考えてきて、大げさにいうと生きる指針みたいなものになったことについて書いています。

最近の記事

「月9」は「げつく」か「げっく」か?

今クールの CX(月)21:00 のドラマ『海のはじまり』、まだ3話が終わったばかりですが、⽣⽅美久さんの脚本がとにかく素晴らしく、キレッキレの台詞てんこ盛りで、思いっきり切なくて、考えさせられる作品になっていると思います。 ところで、皆さん、フジテレビの月曜夜9時のドラマ枠、通称「月9」を何と読んでいますか? 多分ほとんどの方が「げつく」と読んでますよね? 僕はそれが気持ち悪くて仕方がないのです。 所謂トレンディ・ドラマ路線であの時間帯のドラマがヒットを連発するようにな

    • 『三体』における「テキーラ(殺すため)」の謎──速い英語に慣れる

      前に「外国語のドラマや映画の字幕って時々間違っていたりしますよね」という話を書きました: その時には書きませんでしたが、しかし、字幕の翻訳って実際かなり難しいんだと思います。何故なら、基本的に登場人物がその台詞を喋っている間に読める分量の日本語に訳す必要があるわけですから。 前回書いた例で言うと、訳者としては「日本人にフラットホワイトなんて言っても多分何のことか分からないだろうな」と思っていても、ドラマの中で登場人物がコーヒーを注文する一瞬の台詞に長い説明文の字幕を出すわ

      • 「板に焼く」文化の終焉──ソニーグループの光ディスク生産終了に思う

        ソニーグループがブルーレイディスクなどの光ディスクの生産を段階的に縮小させ、終了させるとの報道にいささかショックを受けています。 そうか、ブルーレイディスクが売れない時代になったのか、"板に焼く"文化の終焉なんだな、と思いました。 なにしろ僕らは中学生時代にカセットテープにテレビの生音をマイクで(つまり、コードに接続せず、っちゅうか接続端子もなかったし)録音するところから音楽体験をスタートした世代ですからね。 当然周囲の音も拾ってしまうので、「ちょっと、お母ちゃん、暫く

        • 『九十歳。何がめでたい』という表記について考えた

          先日、映画『九十歳。何がめでたい』を観ました。昨年 100歳を迎えた作家・佐藤愛子を昨年 90歳をに達した草笛光子が好演しています。 とても良い映画でしたが、今回は映画の中身についてではなく、映画(かつ原作のエッセイ集)のタイトルについて思うところがあって書きました。 マル(。)は打たないそれまで僕は佐藤愛子の本を読んだこともなかったのですが、そのタイトルを見てさすがに佐藤愛子は昭和の大作家だなと思いました。 表題には句点(。)を打たないのです。 いやいや、「九十歳」

        「月9」は「げつく」か「げっく」か?

        マガジン

        • ことばと生き方──ことばに対するこだわり
          89本
        • 小説とかドラマとか映画とか
          69本
        • 君はいつごろミュージックシーンに登場したか
          26本
        • 放送とインターネット
          59本
        • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました
          81本
        • Written in English
          19本

        記事

          一、十、百、千、十千、百千、一万…に変えませんか?

          7月3日から新札が発行されると聞いて思い出しました。新札発行に合わせてデノミをやろうなんて議論が昔あったなあ、と。 そう、デノミ──デノミネーションの略です。最近では全く聞かないですが、かつてはインフレ対策の一環として(?)、デノミネーションの必要性がしきりに議論されたことがあったのです。 デノミネーションと言うのは、 例えば 100円を百分の一にして新1円とします(この場合従来の 50円は例えば昔使っていた単位を持ってきて 50銭とするなど、新しい単位が必要になります)

          一、十、百、千、十千、百千、一万…に変えませんか?

          面白くない映画を観てしまうのは「失敗」であり「無駄」なのか?

          年を取ってしまった今、若者との価値観や感じ方の違いについていろいろ考えます。例えば『映画を早送りで観る人たち』を読んだ際にも書きましたように、 ネタバレを読んでから映画を観に行くというような行動は、僕には信じられないものだったわけです。 彼らが言うには、とにかく「失敗したくないから」「つまらないものを観て時間を無駄にしたくないから」とのこと。 じゃあ、僕らの世代、と言うか、僕はどうしてそういうことをしないんだろうかと考えてみました。 もちろん僕だってハズレは掴みたくな

          面白くない映画を観てしまうのは「失敗」であり「無駄」なのか?

          こんな昔の、しかもほとんどスキもついていない投稿をスキしてくれた人がいる。自分で読み返すまでこんなこと書いたことさえすっかり忘れてた。でも、ええこと書いとるがな、と思う(笑) https://note.com/yama_eigh3/n/n25ca79cbb9b7

          こんな昔の、しかもほとんどスキもついていない投稿をスキしてくれた人がいる。自分で読み返すまでこんなこと書いたことさえすっかり忘れてた。でも、ええこと書いとるがな、と思う(笑) https://note.com/yama_eigh3/n/n25ca79cbb9b7

          「いいね!」などのリアクション・マーク、どんな風に使ってますか?

          ソーシャル・メディアの”リアクション・マーク”ってあるじゃないですか。そう、facebook の「いいね!」がその代表的なやつ。 「いいね!」は実は facebook が始めたんじゃなくて、VIMEO が先にやっていたのを真似したという説もあるみたいですが、真相はどうなのか知りません。 ただ、僕はこれを facebook で初めて知り、なんか、とても良い機能だなと感心した覚えがあります。その後、twitter もこれを真似して、でも丸ごとパクるのも気が引けたのか、「!」の

          「いいね!」などのリアクション・マーク、どんな風に使ってますか?

          映画の収支予測は入場料の平均単価を何円で計算しているか?

          今週の火曜日に映画『トノバン 音楽家加藤和彦とその時代』を観てきました。 これ、僕らの世代だと「見んとあかんやつ」なんですよ。いや、僕らの世代じゃなくても、加藤和彦という人は 1960年代後半から 21世紀にかけての日本のミュージック・シーンを語る上で絶対外すことのできない巨人ですからね。 でも、これから書こうとしているのは映画の内容ではなく、客層の話です。 加藤和彦のドキュメンタリですから、当然観に来ているのは彼の音楽をリアルタイムで体験した人たち──つまり、大体は僕

          映画の収支予測は入場料の平均単価を何円で計算しているか?

          映画や小説について、僕や僕らの世代が思うこと

          このマガジン(「小説とかドラマとか映画とか」)を読み返してみると、映画の見方や小説の読み方などについて、僕はいろんなことを書いちゃっています。例えば… カメラの動きを意識して映画を観るともっと楽しめるよ とか、ネタバレ映画評のほうが良いってほんと? とか、『映画を早送りで観る人たち』を読んで呆然と立ち尽くした とか、ハッピーエンドにしないでほしい とか、伏線を回収しない終わり方のほうが好きだ とか、オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なことがある とか、主

          映画や小説について、僕や僕らの世代が思うこと

          気がつけば、自分の人生と、自分が作った歌と、当時流行った歌が重なっていた

          自分でもそんなものの存在はころっと忘れていたのですが、実は僕は高校時代、大学時代、そして多分会社に入ってから1年か2年ぐらいはかなり多くの作詞作曲を手掛けていたのです。 アマチュア・バンドを組んでいたわけではなく、自分勝手なギター弾き語りです。ステージに立ったことは一度もなく、ただごく少数のごく親しい友人の前で歌ってみたり、あるいはその友人と自作自演のカセット・テープを互いに交換したりしていました。 やっているうちにどんどん凝ってきて、エレキのリード・ギターやコーラスをピ

          気がつけば、自分の人生と、自分が作った歌と、当時流行った歌が重なっていた

          時々読ませていただいている為末大さんの文章の冒頭で、為末さんがよく「長文ファンの皆さん」と呼びかけておられるのが気になる。あの程度の長さの文章を長文と呼ぶ感覚が僕にはどうも解らない。あれが長文なら僕の書いているのなんて「長文を通り越して長すぎて誰も読まないクソ文」みたいな感じ?

          時々読ませていただいている為末大さんの文章の冒頭で、為末さんがよく「長文ファンの皆さん」と呼びかけておられるのが気になる。あの程度の長さの文章を長文と呼ぶ感覚が僕にはどうも解らない。あれが長文なら僕の書いているのなんて「長文を通り越して長すぎて誰も読まないクソ文」みたいな感じ?

          単数なのに they って言うの知ってました?

          ここにも時々書いていますが、会社を辞めてから僕は趣味で英会話を学んでいます。 で、長いこと英語に親しんできて、昨日ほど驚いたことはありませんでした。 そんなこと知らなかったのか?とおっしゃる方もおられるのでしょうが、僕は初耳で、結構ショックを受けました。 何かと言えば、英会話の教科書に載っている文章で、時々単数の主語を he や she ではなく they で受けていることがあって、初めて目にしたときは誤記かなと思ったのですが、何度か同じようなケースが出てくるんですよね

          単数なのに they って言うの知ってました?

          その「生」って、どの「生」ですか?

          「生」っていう言葉があるじゃないですか。いろんな場面でみんな気軽に使ってるけど、いろいろ聞いてると、「生」って本来どういう意味よ?って思いませんか? 僕は以前「ことばのWeb」というのをやっていたくらいで、言葉に対して強い興味関心があります(と言っても、多少とも知っているのは日本語と英語だけなので、対象はおのずからその2つの言語に限られるのですが…)。 で、最近よく考えるんです。生っていう言葉には一体どれだけの多義性があるんだろう?って。で、いろいろ考えたり調べたりしたの

          その「生」って、どの「生」ですか?

          閲覧数 4000 を超えて、クチコミについて考えてみた

          僕がとある店について書いた Google Maps のクチコミの閲覧数が 4月30日に 1000 を突破した。 ご存じない方も多いと思うが、あそこに何かを書いてその閲覧数が一定数を超えるとメールで知らせてくれるのである。 実は 1000 を突破できたのは、僕なりの書き方のコツみたいなものもあってのことだと思っている。そのことについて、少し書いてみようと思う。 Google Maps のクチコミと言えば、悪意のある事実無根の書き込みをされたとして、先日医療関係者が集団訴訟

          閲覧数 4000 を超えて、クチコミについて考えてみた

          日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション

          もう番組自体が終わっちゃいましたけど、『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」、面白かったですよね。大好きなコーナーでした。 で、あれは外国語が全く違う日本語に聞こえてしまうという例でしたが、いやいや、日本語の歌でも全く違う日本語に聞こえてしまって大笑いってこと、ありますよね? 僕は年寄りなので古い歌ばかりで申し訳ないですが、例えば太田裕美の『木綿のハンカチーフ』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平、1975年)では、「都会で流行りの 指輪を送るよ」と言われて、「いいえ 星のダイヤも

          日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション