山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないもの…

山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないものも好き。 モットーは「我悩む、故に我あり」 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/ https://twitter.com/honane

マガジン

  • ことばと生き方──ことばに対するこだわり

    若い頃から「ことば」というものに興味があり、2001年から2018年まで“ことばのWeb”を主宰していた流れで書いた文章を集めています。

  • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました

    自分が小さかったころから思春期を経て、大人になるまでにいろいろ考えてきて、大げさにいうと生きる指針みたいなものになったことについて書いています。

  • 放送とインターネット

    放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテーマではあまり書かない(書けない)と思います。

  • 仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました

    今の若い人に通用するかどうかは知りませんが、僕はいろいろ仕事を重ねて行くうちに、こんなことやあんなことに思い至りました、という感じの寄せ集めです。

  • 小説とかドラマとか映画とか

    他のマガジンに含めていた映画評や書評などを抜き出してここに独立させました。

最近の記事

ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

先日、英語の先生と話しているときに、ポケモンの日本語名と英語名の話題で盛り上がったので、そのことについて書きます。 その先生はユダヤ系アメリカ人で、来日して日本語の翻訳者になるべく勉強をしている人です。 彼は小学校時代ポケモンカードの収集に熱中したのだそうです。僕は年が年だけにポケモンのことは近年までほとんど何も知らなかったのですが、数年前から iPhone で Pokémon GO をやっています。僕がそのことを話したのが発端でした。 そこで、「君の一番のお気に入りの

    • スージー鈴木・著『<きゅんメロ>の法則』出版記念トークショー”<きゅんメロ>フェス”に行ってきた。 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/2024/03/post-342407.html

      • 好きじゃない言葉2題──「我が身をつねって…」と「なせばなる」

        僕はソーシャルメディアにはあまりネガティブなことは書かないようにしているのですが、特定の誰かを非難するんじゃなくて、単に自分の生き方や人となりを物語るものだったら良いか、と思って少し書いてみます。 僕には好きじゃない、と言うか、嫌いな言葉が2つあります(タイトルだけはちょっと和らげておきましたw)。いや、僕は嫌いなものが多いですから(笑)、探せば他にもどんどん出てきそうな気もしますが、まあ、今思いつく2つだけにしておきます。 我が身をつねっても仕方がないことがある僕は小さ

        • 「◯球」──球技の名称についての考察

          人気漫画『ハイキュー!!』のタイトルは、言うまでもないですが、バレーボールが昔「排球」と呼ばれていたことを踏まえたものです。 明治以降の日本人は、外国語を訳すときに、それが今まで日本になかった物や概念であった場合、それらしい漢字を当てはめて新しい日本語を作ろうとしました。例えば明治初期に作られた「自由」とか「権利」とか「哲学」などという言葉がその例です。 そして、スポーツの世界でもそれは行われました。多くの球技に「◯球」という訳語があります。 野球さて、今ではバレーボ

        ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

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        • ことばと生き方──ことばに対するこだわり
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        • 仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました
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        • Written in English
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        記事

          荒れるソーシャル・メディアを考える──あなたはそこに行ったことがあるか?

          僕は2009年に twitter を始めましたが、そのころの、言わば日本における黎明期の twitter は、嫌なことをつぶやく人がほとんどいない、とても快適な空間でした。 たまに嫌なこと、攻撃的なことを書く人が現れても、皆でそれをガードしようという雰囲気さえありました。 例えば、あれはアカウントを作って2年目ぐらいだったかな、僕に対して所謂クソリプをぶつけてきた人がいて、僕が「けったくそ悪いツイートを読みたくないので、そのツイートが早くタイムラインの下のほうまで行って視

          荒れるソーシャル・メディアを考える──あなたはそこに行ったことがあるか?

          どうやれば今の若手社員を動かせるか?──H君との長話

          ルーティンに追われ新しいことを始めない若手社員たち僕は大阪の放送局MBSを退職して2年近くなりますが、先日、久しぶりに昔の部下であるH君が会いに来ました。 正確には、上京する彼に合わせて僕が東京支社にのこのこ出かけて行ったわけですが。 H君は昨年から仕事の傍ら大学院に入って勉強しており、そもそもはその修士論文を書くために少し昔の話を聞かせてほしいとのことだったのですが、会って話をしてみるとそんな単純なことではなく、もっと根の深い話でした。 彼はそもそも最近の若手社員た

          どうやれば今の若手社員を動かせるか?──H君との長話

          2023キネマ旬報ベストテン得票分析

          これは自分のブログに毎年書いている記事なんですが、今回(2023年度分)は割合分かりやすい結果が出たので、note にも転載することにしました。 以下がその記事の全文です: 【2月9日 記】毎年恒例のキネマ旬報ベストテンの得票分析をしてみます。 キネマ旬報ベストテンは、審査員がそれぞれ合計55点を持って、1位には 10点、2位には 9点、…、10位には1点と入れて行き、その合計得点で順位が決められています。今回 2023年第97回の審査員は、前回と同じく「本誌編集部」を

          2023キネマ旬報ベストテン得票分析

          2006-2023「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」

          「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」という記事を毎年自分のブログに書いています。そして、そのリストを note にも、毎年最新分を追記して新しい記事として、ここに上げています。 文章まで転載すると長くなるので、note では表題と順位だけにしています。もしもご興味がありましたら、リンクをたどってブログの記事をお読みください。 さて、その選考基準は下記の通りです: 以下がそのリストです。タイトルの後のカッコ内の数字はキネマ旬報ベストテン投票にお

          2006-2023「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい邦画10本」

          相手の好き嫌いで仕事をしないということ

          僕が大阪本社の放送局に入社し、2年後に東京に転勤して外回りの営業マンになったときに、僕に担務を引き継いだ先輩がこんなことを言ったのをよく憶えています。 この人は当時30代で、彼のことを「若手のエース」などと言う人もいました。 かなり個性的な営業スタイルの人で、自分が好きなスポンサーに対してはびっくりするほど強くて、その会社の宣伝担当者とどっぷり仲良し、どろどろの関係になって、難しいセールスも易々と決めてくるような印象がありましたが、たとえ自分の担当スポンサーであっても気乗

          相手の好き嫌いで仕事をしないということ

          何が TV4.0 をもたらすか

          facebook には「思い出」という機能がありますよね。そう、何年か前の同じ日の投稿を表示して、「あなたは◯年前にこんなこと書いていました」って知らせてくるやつです。 そこに 2019/1/19 に自分が書いた記事が出てきまして、そのちょうど5年後に読み返したのですが、僕はこんなこと↓ を書いていました: さて、5年後の今はどうでしょう? あの頃は僕はまだ毎日放送の社員でした。退職したためもう会社や業界の情報や動向は一切掴んでいないので、専門的なことは書けませんが、一

          何が TV4.0 をもたらすか

          Dedicated to Aho-no-Sakata

          When I was working, I used to say to my subordinates, “Don't talk exhaustively. Talk symbolic”. That means, for example, something like this: If you want to explain that everyone knows something, you could say, “Mr. A knows about it, Mr.

          Dedicated to Aho-no-Sakata

          昔の若者が今の若者に言ってみたいなと思ったこと

          世の中に世代対立があるのは当然だ。 もちろん全てを世代論で括ってしまうのは危険だけれど、大雑把に傾向を捉えているのも確かだと思う。だから、「いや、俺はそうじゃない」と言う人もざっくりと読んでざっくりと考えてもらえたら嬉しい。 これはここ2~3年、いろんな情報に接している中で僕が感じたことだ。 ◇ で、その世代論で言うと、世の中に世代対立があるのは当然だ。いや、あからさまに対立することを嫌う今の若い世代の人たちとの間では世代「対立」にはならないのかもしれない。ま、それは

          昔の若者が今の若者に言ってみたいなと思ったこと

          昔を思い出して、配信の権利クリアの仕事について、ちょっと書いてみました。

          権利クリアの現状僕が放送局に勤めていた最後の十数年はテレビとインターネットを繋ぐことに心血を注いでいました。そして、最後の数年はテレビ番組の配信が本格的に始まり、まさに配信にまつわる実務をやっていました。 当時の僕の担務はやや古いテレビ番組の配信の権利クリア等々で、これには結構面倒なことがたくさんありました。 今ではいろいろな法律も整備され、いくつか組織も立ち上がり、ルールも確立し、手順もルーティン化して随分楽になってきたと思います。 所謂「見逃し配信」(このネーミン

          昔を思い出して、配信の権利クリアの仕事について、ちょっと書いてみました。

          2012-2023邦画:私の「掘り出しモノ賞」

          2023年度の掘り出しモノ賞には『交換ウソ日記』を選んでおこうと思います。 掘り出しモノ賞というのは、かつて twitter ベースの映画賞であった coco賞の投票部門の一部で、自分が勝手に作った賞に投票できるという企画でした。 僕は毎年「掘り出しモノ賞」と名前をつけた賞に投票してきたのですが、このサイトがなくなった今でも、そのコンセプトが大変気に入ってしまって、引き続き勝手に選び続けている次第です(笑) 今年見た 60本の邦画の中からこの映画を選んだのは、いつもは大

          2012-2023邦画:私の「掘り出しモノ賞」

          あほの坂田さんへ

          僕は昔、部下に対して、「網羅的に語るな 象徴的に語れ」みたいなことをよく言っていた。同じタイトルで note にも記事を書いた。 そこにも書いたように、 というのは論理的には非常に正しい証明なのだけれど、もしそれをみんなに納得させたいのであれば、そう言うよりもひと言 と言ったほうが良い、と言うか、「AさんもBさんも…」と言い始めた時点でみんなきっと嫌気が差して聞いてくれないだろうから、「あほの坂田が」と言ったほうがよほどキャッチーで手っ取り早いのだ。 しかし、その坂田

          僕たちはどう老いるか

          毎日何してるんですか?「仕事辞めて、毎日何してるんですか?」とよく訊かれます。最初は大抵「何もしてないよ。ただのお爺さん」などと答えるのですが、さらにしつこく訊いてくる人に対しては、まともに答えるのも面白くないので、 みたいな返しをするのですが、これをマジで信じる人が意外にいて、びっくりします。 確かに盆栽とか、写経とか、縁台将棋などは老人の典型的なイメージなのかもしれませんが、しかしそれは昭和40~50年代ぐらいのステレオタイプじゃないのかな? 僕はわざと時代感覚をず

          僕たちはどう老いるか