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一、十、百、千、十千、百千、一万…に変えませんか?

7月3日から新札が発行されると聞いて思い出しました。新札発行に合わせてデノミをやろうなんて議論が昔あったなあ、と。

そう、デノミ──デノミネーションの略です。最近では全く聞かないですが、かつてはインフレ対策の一環として(?)、デノミネーションの必要性がしきりに議論されたことがあったのです。

デノミネーションと言うのは、 例えば 100円を百分の一にして新1円とします(この場合従来の 50円は例えば昔使っていた単位を持ってきて 50銭とするなど、新しい単位が必要になります)。10,000円は 100円になり、100万円は1万円になるわけです。

それが経済的にどういう効果を産むのか僕はあんまり分かっていないのですが、まあ、見た目すっきりするということはあるかもしれません。

あと、「1ドル(あるいは1ユーロ) = 百何十円」というのも「= 1.x 円」になるので、そっちのほうがなんとなく先進国と肩を並べたみたいでカッコ良いかもしれません。

ただ、僕がやってほしいのはそんなことではないのです。僕がやってほしいのは、漢数字を3桁区切りに合わせてくれないかな、ということです。

例えば、567,000円はパッと見ていくらだか分かりますか? これは僕はひと目で分かります。56万7千円ですよね。働いている(あるいは働いたことのある)人であれば、多分このぐらの桁までなら大体大丈夫でしょう。

238,457,290円はどうでしょう? 一番上の桁は 2億ですよね。このくらいまでならば僕は大丈夫です。このぐらいの桁の数字はしょっちゅう出てくる職場にいましたから。

でも 333,029,851,122円となると、ちょっと考えないと分からなくなります。下手すると一十百千万…と数える羽目になります。

何故分かりにくいかと言うと、漢数字は一万 → 十万 → 百万 → 千万 → 一億…と4桁ごとに変わって行くのに、アラビア数字は3桁ごとにカンマを打って行くからです。下のほうの桁なら分かるのは、単に慣れているというだけのことです。

これが英語だと楽なんですよね。

3桁の次の4桁目で thousand、6桁の次の7桁目で million、9桁の次の 10桁目で billion 、12 桁の次の 13桁目で trillion と規則正しく3桁ごとに新しい単位が出て来ます

と言うか、逆なんですよね。これ、英語の数の数え方に合わせて数字3桁ごとにカンマを打つことにしているわけですから。

日本語だと一億は一万の一万倍、一兆は一億の一万倍、ということは一万倍するごとに、つまり4桁目で単位が変わるのです。ならば4桁ごとにカンマを打ったほうが絶対に分かりやすいじゃないですか。

事実、僕らが子供の頃には、一部にまだそういう表記法が残っていたのです(本当です)。でも、今では世界的な標準に完全に駆逐されて必ず3桁ごとにカンマを挿入するようになってしまいました。多分海外と取引するためにはそうやって彼らに合わせる必要があったのでしょうね。

でも、カンマの位置だけ西洋に合わせても、肝心の数を表す漢字がそうじゃないので、頭がついて行かないのです。

英語で話しているときでも同じで、「これを three hundred thousand yen で買った」とか、「あの家は one hundred million yen では買えない」とか言われても、頭の中ですぐに日本語の単位に直せなくて、咄嗟にそれが高いんだか安いんだか、高いなら高いでどれくらい高いのかが全くピンと来ないんですよね。

日本語の会話でも、「7桁の数字を提示された」なんて言われても、それこそ一・十・百・千・万・十万・百万と7回数えるか、あるいは頭の中でアラビア数字(X,000,000)を思い浮かべてからでないと分からないので、とても時間がかかるのです。

「200,000円」が「二十万円」と読めるのは単に慣れているからに過ぎないのです。でも、これが英語の two hundred thousand yen と同じく「二百千円」であるならもっと分かりやすくて、慣れていようが慣れていまいがすっと読めるはずです。

それで僕の提案は、

1(一)→ 一
10(十)→ 十
100(百)→ 百
1,000(千)→ 千
10,000 (一万)→ 十千
100,000(十万)→ 百千
1,000,000(百万)→ 一万
10,000,000(一千万)→ 十万
100,000,000(一億)→ 百万
1,000,000,000(十億)→ 一億
10,000,000,000(百億)→ 十億
100,000,000,000(一千億)→ 百億
1,000,000,000,000(一兆)→ 一兆

という風に単位を(そのためには漢数字の意味を)変えませんか?ということなんです。これで日本語が世界基準にマッチするわけです。分かりやすくなるとは思いませんか?

もちろん、変更して暫くは大混乱で、特に我々老人層は右往左往することになるでしょう。勘違いして一桁多く振り込んでしまったとか、詐欺にあって大損したとかいう人も出てくると思います。

でも、ま、良いじゃないですか。どうせ人は順番に死ぬんです。

僕らは混乱の極みに陥ったとしても、公的機関の助けも借りてみんなで声を掛け合って凌ぎましょうよ。そして、古い世代がみんな亡くなったあと、今はまだ生まれていない子どもたちの世代は、何の抵抗もなくこの新単位を受け入れて馴染むはずです。英語との通訳も楽になります。

これで日本の数え方も国際標準に合致することになり、言わば今のダブル・スタンダード的な表記法の分かりにくさから脱却して、随分楽になると思うんだけどなあ。

これ、一体誰にお願いすれば良いのでしょうか?

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