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「野宿をしながら自転車で日本を横断した話」 6/5 岡山→三原 118km

明日の天気は雨なので。。。

朝は7時起床。旅の一日目に鎌倉に泊まった時と比べて、公園での睡眠の質が向上したような気がする。今日泊まっていた公園も、夜はある程度の人や車の通りがあったが、現在はそうでもない。

いつも通り寝袋、ジャンバー、マットを折りたたんでバッグにしまう。顔を洗い、ムヒを虫刺されの箇所に塗る。昨日ドンキから買ってきた栄養バランスが良さそうな弁当を食べる。

このまま何もしないで1日過ごしていた気分。だが、次の目的地である広島県の天気は明日と明後日どちらもとなっている。それもかなりの降水量となるらしいので、少しでも早く広島市に着けるように今日のうちに進んでおきたい。

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その前に、ググって写真を見たときに一目惚れをした岡山城を見るため、天守閣の方へ自転車で進む。街に路面電車があるのは個人的には違和感だが、他県に来たという実感が湧いてきて楽しい。

岡山県の観光地といえば日本三大庭園に数えられる「後楽園」があるが、これも今回は見学している時間はないのでくらしい。自転車で市内を走っていると、ついに目の前にお城の上の方が見えてくる。

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天守閣を黒塗りで、その黒さから別名「烏城(うじょう)」とも呼ばれているらしい。

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もう少し近くで見てみる。前日に一面真っ白に改修された姫路城を見た後だったので、余計に黒に見える。

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お城の北と東を「旭川」という川が囲い、南と西をお堀が囲んでいて、 天守閣につながる橋も2つ。絶対に攻めたくない。


江戸時代さながらの景色...

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お城の周りを1周し、今日2ヶ所目の目的地である倉敷市は「美観地区」という所へ向かう。倉敷へ向かう途中、道路の右側に突如ドクターヘリが登場。

こういったヘリコプターを見るのは数年前にアメリカで大怪我をしたときにヘリで救助されて以来なので、今回はそういった不慮の事故がないように一応ヘリに向かって拝んでおく。

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しばらくすると、明らかに雰囲気が全く違う場所に出る。どうやらその美観地区とやらに到着したらしい。

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確かに「この景色は後世まで残しておきたい!」という気持ちがわかる。瓦屋根の建物が両脇に連なり、中央には柳などの緑に覆われた河川が見える。

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三角笠を被った人たちが小舟に揺られて観光している光景にもなんだか風情を感じる。

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星野仙一博物館やデニムミュージアムといったものまであり、時間さえあればここで1日観光できそうな感じだ。海外からの観光客も多いようで、様々な言語が飛び交う。


といったところで緊急事態

その後さらに広島方面へと向けて自転車を走らせる。が、足に異変が。左膝に地味な痛さがある。おそらく昨日1日中漕ぎ続けるために足を酷使したせいだ。とりあえず今進み続けるのは無理だと判断したので、とりあえずスーパーの休憩所で様子を見てみることに。

結局30分以上の休憩となる。まだ地味に足の痛みは残っているが進まなくては日が暮れてしまう。この日は向かい風もすごく、なかなか前に進まない。色々追い討ちを掛けられているが、頑張って一足ずつ前にむかって漕ぐことに。

なんとか8kmほど走ったところで、既に見慣れた「コスモス」というスーパーでもう一休憩。カップ焼きそば、アイス、野菜ジュースを購入。

今日自転車で広島県に向かうことを半ば諦めていたが、このスーパーで野菜ジュースを飲んでから、不思議と痛みは和らぐ。何が効いたのかはわからないが、これでこの先の自転車走行は心配なさそうだ。


岡山県にある宗教都市とは

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その後走り続けていると、「金光」という街の名前が目に入る。個人的に聞き覚えがあるなと思っていたら、どうやら金光教のお膝元のような場所で、天理教の「天理市」のような宗教都市であることを知る。

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正確には岡山県浅口市金光町という住所らしく、街には「金光」という文字が溢れている。もちろん街の名称なのだからと言ってしまえばそうなのだが、なんだか新鮮。

ここ金光教の街があるということを全く知らずに来たので、新しい発見ができたのは嬉しい。

町内のセブンイレブンでジュースを購入し、先ほど買ったカップ焼きそばと一緒にいただくことに。炭酸で体に爽快感を覚えさせ、それを活力にしてまた漕ぎ続ける。

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その後1時間くらいで、今回の旅で12都府県となる「広島県」に入る。最初の市町村である「福山市」を少し見て廻るために、ひとまず福山駅を目指す。

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この辺りの1番の地方紙は「中國新聞」というらしく、大きな看板をちらほらと目にする。これも僕としては全く聴き慣れない新聞だ。「愛媛銀行」の支店も街の中にあったりして、中国四国の関わりが伺える。


またまたお城見学へ

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福山駅の規模としては数日前の神戸駅よりも大きい物で、神戸駅が更に残念なような気がする。

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駅北口を出てすぐの所にある「福山城」を見学することに。本当に駅の出口の目の前にあるので、アクセスは抜群のお城だ。

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個人的にあまり共通項がなかったお城だが、今まで見てきた他のものとも引けを取らない出立。五重に連なるお城からはなにか重厚感を覚える。

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案内板には、徳川家康の従兄弟に当たる「水野勝成」が築城...といったことが書かれたていたが、日本史ミーハーの僕には知識が及ばず、いまいちのことかわからない。ということで、天守閣内は特に見学をすることなくそのまま福山市を後にする。

今回の旅程を考えると、映画やドラマの撮影地としてよく登場する「鞆の浦」にはいけないが、今度またこの地方を訪れた時は是非とも行ってみたい。

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全く関係ない話だが、福山駅の広告に「ファーマシィ薬局」と書かれたものを発見。「頭が頭痛する」とか、「今現在」とか言うのと同じことではないかとツッコミたくなったが、心の中に止めておくことに。


一度入ってみたい○○○○海道

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10kmほど自転車を走らせる。すると、「しまなみ海道方面」と書かれた看板を目にする。

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「ということはあの街が近い!」と胸を躍らせていると、早速目の前に「尾道市」と書かれた看板が。

尾道といえば「尾道ラーメン」というのもあるが、やっぱり一番はこの街と愛媛県今治市を繋ぐ「しまなみ海道」だろう。いくつもの島々が連なっており、人気の自転車スポットだ。

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広島県側のしまなみ海道の出発地に架かる「尾道大橋」の先には、向島、因島などをはじめとした様々な島々が対岸に見える。青森の内陸部に住んでいる僕としては、こういった景色を見ることが普段全くない。これが旅の醍醐味なんだと痛感する。

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その橋の下には、漁船が何隻も停泊している。瀬戸内海に豊かな漁場が広がっていることが見て取れる。

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尾道駅へ着くと、自転車乗りやランドセルを背負った子、散歩をしているおじさんなど様々。右奥の方にはお城が見えるが、実は廃墟となってしまった博物館なんだとか。


人生初の○○○○風呂

今日の目的地である「三原市」という場所まで向かう前に、スーパーで食パンとおにぎりを購入。ラストスパートをかけるために少し休憩をすることに。

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たまたまガリガリ君が目に入る。どうやらこの辺りでは、僕の地元では全く見かけない「広島カープ」パッケージがあるらしい。この土地のカープ愛というのは僕が想像していたよりすごいらしい。

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その後は三原市まで進み続け、今日はこの街で一夜を過ごすことに。この辺りは本当に澄み渡ったの景色に心も洗われるようだ。

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Google Mapsで現在地を確認してみると、周りには数えられるだけで11の瀬戸内海に浮かぶ島々が。なんだか不思議な光景だ。

日も段々暮れゆく夕方5時半。公園で寝袋を広げるのはまだ迷惑となってしまう時間なので、マックでこの旅初のシェイクを注文。砂糖たっぷりの甘々Mサイズを飲み干す。

銭湯へ行きたい気分だったが、どうやらこの街には全く無い模様。仕方ないので、オードリーの春日が昔「いきなり黄金伝説」でやっていた赤ちゃんのお尻拭き...ではなくウェットティッシュで軽く体の汗を拭き取ることに。まさかこれを試す日が来るとは。

サバイバルのようなこういう経験をすることはないので、こういう旅で経験できることは面白い。

コインランドリーで数日分の洗濯を済ませ、イオンで清涼飲料水を買いに行くことに。空が真っ暗になって人の行き交いがなくなる頃、自転車で最寄りの公園へ向かう。また今日も寝袋に入る。