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#8 海で過ごしたイースター【サモアの想いで】

🌴以下の作品は2007年〜2010年の間に、米国に暮らしながらサモア暮らしのリフレクションを記したフォトエッセイ(全20篇)の転載です。サモアには97年に住み始めたのでこれを記したときはその10年後。そして、今さらに記したときから十数年が過ぎました。

🌺こうした経験からできあがっているのが今のわたしですから、いつ振り返ってもすべての時間が愛おしいです。

🌈こんな人生を与えてくれた夫に心より感謝💗


 子どもたちの歓声と波の音を聴きながら、沖合いのリーフで真っ白く砕け散る波をぼんやり見つめている私がいた。2000年イースター休暇のことだ。

 サモア・ウポル島の東端に位置するアレイパタ海岸は、サモアを代表する美しいビーチのひとつ。せっかくの休暇を家族でのんびり海で過ごそうということになり、泊りがけで出かけたのだ。泊まりと言ってもゴージャスなホテルがあるわけではない。海岸脇には、畳6畳ほどの床が組まれた場所に、簡素な屋根と柱だけをあしらったビーチファレと呼ばれる休憩所が立ち並んでいる。いくらか払うと寝具と蚊帳を貸してくれるので、そこで雑魚寝というのがサモア流だった。

 どうしたらこれほど透き通れるのだろう、と思えるほど澄みきったエメラルドグリーンの海面は、太陽の光が反射してキラキラしていた。絵葉書から飛び出したような景色は、いつまで眺めていても飽きなかった。波が寄せては返る単調な音を聴きながら水中をスイスイと動き回る魚たちにパンくずをやってみたり、砂遊び、貝殻探し、釣りとのんびり流れる時間の中で、大自然を相手にクタクタになるまで遊んだ。

 陽が落ちると、外灯のない夜の海から見える空には、満天の星が輝いていた。地球上に住むだれもが見る、世界と続く夜空だったが私には特別な空に見えた。簡素なファレで過ごす質素な旅だったけれど「平和なとき」を絵に描いたようなシーンの連続を今も鮮明に想いだす。

 ここにあったものは、空、海、風、静かに流れる時間、そして笑い声だけだった。忙しい日々に追われて、疲れを感じるとき、私はこのときの“時空”が恋しくなる。

2008 Mar. by yahoi

🌴今の声
ほんとうにはるか昔のことになってしまったけど、たぶんここは今もそれほど変わっていないと思います。Lalomanu のイメージでググってもほらこのとおりです。どう?見るだけで温まりますね〜。

ここは、我が家のサモアンライフを綴った本の装丁写真にもなっています。
この後ろ姿はわたしですよ。😊

その昔、亡き夫が記した本です


🌺 共感、応援いただけるならとびあがって喜びます。 そして、その喜びと感謝を胸に次のどなたかに恩送りします。