ギリシャ、アテネで歴史を感じながら歩いて食べた【旅の思い出#3】
ギリシャへの旅を思い出してしまいました。
今さらですが30年ほど前の村上春樹氏の作品『遠い太鼓』を読んでいるのです。1986年の秋から1989年の3年間、村上氏はイタリアやギリシャに滞在していました。その日々を記した旅行記のようなエッセイです。
本を読むことで、わたしもギリシャに居るような気分に浸りながら7年前にギリシャを訪ねた思い出がよみがえってきました。そんなわけで今回はギリシャの旅を回想することにしました。
2015年の9月5日から10日ほどギリシャに行きました。夫がスペイン・マドリッド近くのアルカラ・デ・エナレスでの学会があったのでわたしも便乗しました。「マドリッドから行けるところで、どこか行きたいところある?」というのですかさず「ギリシャ!!」と答えました。
特に目的があったわけではないのですが、なんとなくエーゲ海への憧れがあったのです。わたしたちの年代だとエーゲ海で思い浮かぶことありませんか?
ポール・モーリアの『エーゲ海の真珠』は大好きな曲で今でもよく演奏します。
昭和の名曲、ジュディ・オングの大ヒット『魅せられて』で"Wind is blowing from the Aegean"って両手広げて歌ってましたよね。ワコールのフロントホックブラのCMソングでもあった。
昭和の文学としては芥川賞を受賞作の『エーゲ海に捧ぐ』なんてのもありました。なにかとエーゲ海に憧れをつのらせる芸術作品が多かったものです。そんな刷り込みからの単純な憧れです。
スペインのマドリードから近いわけではありませんが、米国内の大きさを考えればじゅうぶん国内旅行レベルの距離です。航空運賃もそれほど高くなかったので足を伸ばすことにしました。チャンスは逃すな!!です。
イメージとしては、ミコノスやサントリーニと言った島に行きたかったのですが、夫が船が嫌いなのとその後にカナリー諸島を訪れる予定をすでに入れていたために島は断念しアテネ近くでエーゲ海を眺められる町に滞在することにしました。
まずはマドリッドからローマ経由でアテネに向かいました。機上からすばらしいサンセットが見えたことを覚えています。
米国では、ファストフードや街角でありつける食べ物で美味しいものにはなかなか巡り会えないけど、ギリシャで食べたものは驚くほどにハズレがなかった。そもそも素材が美味しくて、味付けがシンプル。素材を引き立てる食べ方が多いと感じました。
パルテノン神殿、アテナ・ニケ神殿、ディオニソスの劇場、エレクティオンがアクロポリスの丘に集結しています。これがあの歴史の教科書に出ていたパルテノン神殿か!!と感慨深く見つめているわたしに対して、夫は遺跡にたいして興味を示しません。たしかにどれ見ても柱の残骸ですけど……。
それよりもアクロポリスの丘周辺の高台からアテネ市内が見渡せるところを散歩したいと言い出して歩き出しました。そしたら、歴史的建造物パルテノン神殿よりずっと素敵な景色に出合いました。ガイドブックなどには遺跡のことしか紹介されていないのが残念なほどです。
アクロポリスの丘を下っても街じゅう遺跡だらけで、それが大きな観光資源となりアテネは観光で成り立っているわけです。博物館も多くて、真剣に網羅するなら時間はいくらあっても足りませんが、3日間を歴史探訪をしながらアテネ市内を存分に歩き尽くし、食べ尽くしました。
アクロポリスの丘のふもとでは、観光客をあてこんだお土産やさんや蚤の市、レストランがわんさかあります。
滞在中、アテネに住む友人のお宅にご招待いただきました。世界各地に仲間がいるわたしってほんとうにラッキーです。何より現地に根付いて暮らしている人と面会できるのですから生きたギリシャ情報満載です。感謝!!
別の日にも、シンタグマ近くのオススメレストランに連れて行ってもらいギリシャ料理をご馳走になりました。
ギリシャ版串焼きのスブラキ、揚げチーズのサガナキは絶品でした。そしてここでいただいた赤キャベツのサラダがとてもおいしかったので以来、赤キャベツのコールスローを家でもよく作るようになりました。今でもあの味を思い出しながらポリフェノールたっぷりのレッドキャベツを食べています。
「旅は足腰がじょうぶじゃないと楽しめないよね」なんていいながら、ここでもほんとうに良く歩きました。バスや電車で通り過ぎては見えないものが歩けば見えることを知っているからです。アテネ市内をじゅうぶんに楽しみました。
さて、次はトラムに乗っていよいよ憧れのエーゲ海を眺められる港に移動します。観光客でごった返す市内を離れて次はリラックスタイムだよ〜。
次回に続きま〜す。