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リチウムイオン電池搭載の電気自動車は本当にエコなのか?①

最近、郡山市でもちらほら見るようになった「テスラ」の電気自動車。水素自動車も意外と見かけるが、世界的動向で電気自動車が普及する未来はもうそこまで来ていると思う。EUでは概ね2035年以降はバッテリー電気自動車や燃料電池車のみとする規制を発表した。ハイブリッド車は、2035年以降は発売できないことになってしまうようだ。

なぜ?電気自動車なのか?ガソリン車は廃れる運命にあるのか?
それは・・・・

・エコだから!
・SDGs !?

というイメージが強いと思います。実際にそうなのでしょうか?

まずは現在、電気自動車に使われている「リチウムイオン電池」について、説明します。いまでは、スマートフォンやパソコン、ゲーム機、カメラなどモバイル機器などに必ず入っているといって良い電池です。
リチウムイオン電池は、2019年のノーベル化学賞も受賞していて、開発に貢献したエンジニアの吉野彰氏、物理学者のジョン・グッドイナフ氏、化学者のスタンリー・ウィッティンガム氏の3人の研究者に授与されました。まさに世界を変えた、革命的な電池なんです!

何が革命的なのかというと、2点あります。
1. 軽くて容量が大きい
2. 電圧が高い    

まず、軽い理由としては、電池材料にリチウムや炭素という軽い元素のものが主に使われているためです。そのほか、コバルト、マンガン、ニッケルなども使われていますが、鉛電池やニッケル水素電池に比べると軽くて、重量エネルギー密度が高くなっています。

リチウムイオン電池・・・201 Wh/kg
鉛電池・・・・・・・・・40   Wh/kg
ニッケル水素電池・・・・60   Wh/kg

数値で比較すると、鉛蓄電池の5倍のエネルギー密度になります。

次に 「2.電圧が高い 」ですが、容量が大きいことにかかわってきますが、1セルあたり3.7Vあります。これは、鉛電池の2.0V(製品は6セル直列なので、12V)に比べても高く、水の電気分解の1.23Vをはるかに超えます。
鉛電池は、過電圧が大きいため2.0Vですが、リチウムイオン電池の場合は、卑金属のリチウム酸化物である事と、「有機電解液」を使っているため、3.7Vと高い電圧を実現できています。
有機電解液は可燃性の油のようなもので、炭酸エステルが使われており、おかげで、発火するなどのデメリットも秘めています。また、主に正極で使われているコバルト酸リチウムも過充電時の熱暴走が起きやすいのも原因です。
昔は、パソコンや携帯電話の電池が発火したなど、ソニーやLGなどがニュース沙汰になっていて、難しい技術が使われ、徐々に改善していった電池の歴史を感じます。現在では、熱暴走しにくいコバルト系ではなく、ニッケル系、鉄系の材料なども普及しているようです。

余談ですが、テスラは電池が発火しないように、過充電を防止するためのバッテリーマネジメントシステム(BMS)が優れていると言われています。電池自体は、パナソニックが製造していますが、BMSが優れているためか、大きな発火などはあまり報道されていないようです。(メディアの取り上げ方次第かも?)


安全な材料で電池を作るという発想で、電池を作っているのが日本のメーカーの主流に対して、テスラは危険なものをソフトウェア的に「制御」することで安全を担保するBMSに力を注ぎ、今に至っているのです。
IT企業の社長であった、イーロン・マスクらしい戦略や考え方が表れている部分だと思います。

このように、軽くて容量があるため、車載にして車を動かせる電池というわけです。実は100年前くらいに鉛電池の電気自動車は発明されていたようですが、鉛電池が重いのと航続距離の問題で普及までは至りませんでした。時代は進みリチウムイオン電池が登場して、電気自動車が現実味を帯びてきたわけです。

リチウムイオン電池の概要はこんな感じで、次回はエコなのか?という点について書いていきたいと思います。

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