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140字の小説集

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140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります) お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。 このマガジン、読めば笑顔になるかもです。 笑いはあなたのお薬です…
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2024年1月の記事一覧

あほやん 変化球を編み出す(140字の小説)

あほやん 変化球を編み出す(140字の小説)

私はプロ野球のピッチャー
私の致命的な欠点は球速がない
私は努力を重ね変化球をマスターした

私の変化球は鋭い
キャッチすら捕球するのは難しい
だが、バッターには何故かよく打たれる。
私は悩みに悩んだ
捕球困難な魔球が何故通用しないのか?

キャッチの手元でしか変化しない為か!
打者には、唯の直球か?

誘拐事件(140字の小説)

誘拐事件(140字の小説)

誘拐された。
妻が云う
「警察に届けましょう」
「警察に知らさせる?」
驚きを隠しながら、僕は警察に報告する。

犯人の目的は何?
謎が謎を呼ぶ、誘拐事件。
捜査は困難を極め、結局事件は迷宮入りに。

犯人は血統書も付かない雑種犬を
何故誘拐したんだろう?
「子犬下さい」と一言
私に断っていけば良いのに。
#ショートショート

僕の恋人(140字の小説)

僕の恋人(140字の小説)

僕は恋人をそっと抱く。
指先で弄ると気持ち良いのか、可愛い声
左手で首を抑えお腹に触れる。
左手は下に動き、君の声も高くなる。

僕は誰かの様に弓は使わない。
指でそっと撫ぜるだけ。
僕の恋人は、誰かの様にお高く無い。
誰もが気軽に手に取れる。
いつも奏でてる
ギターが僕の恋人さ。

君の為に嘘をつく(140字の小説)+追伸

君の為に嘘をつく(140字の小説)+追伸

君の気持ちは解ってはいるけど、
応える事が出来ないよ。

君は知らないね。
知らない方がいいよ。

秘密は誰にでもあるよ。
過ちなんて、誰でも有るよ。

君の事を父に伝えた時に、知ったんだ。

誰も知らない父の過去。
悲しい現実。

君とは恋人にはなれないよ!
悲しいけれど、涙も出ないよ!

僕に妹が居たなんて!

追伸
ソーさんのリクエストにお応えします。
前著の「夢でも会いたい」の続編です。

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夢でも会いたい人➕君の為に嘘をつく

夢でも会いたい人➕君の為に嘘をつく

第一話 「夢でも会いたい人」

夢見たがりの私。
いつもいつも貴方に恋してる。
その時、私はヒロイン。
夢の中だけのヒロイン。

貴方、捕まえに来てよ。
私は此処に居るよ。
私は待っているよ。

だけど、あの悲しい言葉を思い出すたび
心に冷たい風が吹き抜ける。

もう、貴方は遠い人。
もう、返らぬ遠い人。

見知らぬ人と遠くで暮らす、憎い人。

第二話 「君の為に嘘をつく」

君の気持ちは解っては

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あほやん 力強く生きる(140字の小説)

あほやん 力強く生きる(140字の小説)

過去を見ても、何も変えれない。
未来を見ると何も解らない。
そう、解らなくても前を見て進む
僕はいつもこれが最善の生き方と思っていた。

だが
僕の前には道は無い。
僕の後ろにも道は無い。
どうすりゃ良いのさこの私。

漂流し一人取り残されたこの岩から
脱出できる方法があるのであれば、
教えてください。

あほやん 献骨(140字の小説)

あほやん 献骨(140字の小説)

血液の献血があるのならば
骨の献骨もあっても不思議では無い。
「これは、商売になる」と魔女は思った。
「肋骨なら、一本無くて良い。これを人間どもに献骨させるのだ。そして、それを売る。これは儲かるぞ」

早速、魔女は人間から肋骨を魔法の力で抜きとった。

肋骨は何本も在庫されたが、需要は少ない。

目の前の幸せ?(140字の小説)

目の前の幸せ?(140字の小説)

「私の事好き」と、聞かれ
「もちろんですよ。」と、真摯に応える僕。

「どれくらい、好きなの?」と、
僕の腕にしがみついて甘える彼女。
「どれくらいと言われても・・」
と、僕は考えて混んでしまう。
「これぐらい?」と両手をいっぱいに広げて彼女は誇張する。

「そうだね。君のお金が無くなるまでかな」
#私のこと好き

「私の事を好きですか?」(140字の小説)

「私の事を好きですか?」(140字の小説)

思ってもいない人に、
「私の事を好き?」と、聞かれると困ってしまう
相手を傷つける事は出来ない。
だからと言って、心に無い事は言えない。

昨日もまた聞かれた。
「私の事が好き?」って。
傷つけない様に断ってはいるのだが
残念な事に相手には通じていないみたいだ。

老人ホームのバイトは、本当に辛い!
#私のこと好き

あほやん 警告される?(140字の小説)

あほやん 警告される?(140字の小説)

「落ちがマンネリ化してるね。」
と、小馬鹿に微笑むあいつ。
「小説も数多く書いてきたが、私の実力の限界かな」

「二年間、よく頑張ったよ。これで満足しただろう。」

「満足はして無いけど・・」

「途中で落ちが解るのだけはやめてくれ。
面白く無い」

現実の様な夢で目が覚めた。

警告か!
それとも激励か?

目に見えぬ物(700字)

目に見えぬ物(700字)

人間の目に見えない物は、
数限りなくあります。
ウイルス、雑菌、紫外線、赤外線、電波など
見えない物は確認はできません。
認識できないからと言って否定は出来ません。

霊や妖怪、悪鬼などもその部類であろうと思います。
普通の人間には見えません。
信じる、信じないは個人の自由ですが、
「無い」と言い切るのは
傲慢かも知れません。

鬱病。
厄介な病。
心に負担が掛かる現代に於いて、
誰しもが陥ってし

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花火(140字の小説)

花火(140字の小説)

天上高く打ち上げられ、
華やかで豪華な花火。

多くの人達を魅了し感動を与え、
一瞬の命を燃やし消えて逝く。
これが、花火の使命か!
短くても、華やかに生きる花火。

豪華に咲く花火もあれば、
細やかに咲く花火もある。
目の前の人に喜びを与える花火。

母に抱かれて見た花火。
幼い僕は、嬉しかったのかな?

前にある物は(140字の小説)➕追伸(20文字)

前にある物は(140字の小説)➕追伸(20文字)

「美人だ!」と思わず言葉が漏れた。
僕は嬉しさ隠せない。
「こんなに綺麗な顔を初めて見た」
と、褒める。

嬉しいそうに微笑む表情も素敵だな。
僕はうっとりと見つめている。
「気に入りましたか?」
と、背後から突然の声
振り向く僕。

男は笑いながら僕に云う
「手術は成功しました。あとは下の整形ですね」

追伸
意味が解ると、笑えるかも知れません。

真実と事実(140字のボヤキ)

真実と事実(140字のボヤキ)

真実を知らずに、
噂話を真に受けて意見してくる馬鹿がいる。
真実と事実は違う。
たとえ事実であっても、
報道の順番を変えたら
真実にはならない。
ましてや噂話である。
人の感情が入り乱れて伝わって行く。
それを鵜呑みにし、自分なりの答えを出す。
そして自分は正義と思って勘違いしている、愚かな人よ。