滲滋

生きるのが下手なソロプレイヤー

滲滋

生きるのが下手なソロプレイヤー

最近の記事

供養

例えば,例えば無垢な日常に密かな囁きをもたらし,群青色の空を七虹色に翻したあの星。それから僕の退屈な日常を慈しむあの声。…陽が射し込んだ窓は僕の存在をちとも映さず,夜更けの灯は矮小な僕を静かに呑み込み,そうして僕は星と共に死んだのだ。何が残ろう,何を残したい,何へ残す?あの星の行く先が僕の逝く先だ。…そして君の分身を捉えたので,そっと魂を噛み砕くと僕は君となり,詰まり星の往く先は僕だったのである。 凪いた煙が彼の人の呼吸を象り,そっとその二酸化炭素を肺に取り入れたいと思う。

    • キシカン

      岸本さんをラーメンに誘った。 行きましょう!と彼愛用のオンボロAudi 助手席に身を預け、向かう。 店内で待つ間、丁度TVの出演者と目が合った。TVを観ない2人なので、雑音に過ぎないかやや心配だったが、とりわけ彼は興味津々で席の選択があっていたことに安堵した。 帰路、公園に向かった。曰く渡り鳥と鯉がいるからと、敢えてファミリーマートに寄り道し、5枚切りの食パン1斤を抱えて。 7月なのでおざなりな鴨とアヒルが1匹ずついるだけだったが、それは兎に角食パンを撒いているうちに大量の雀

      • borner

        帰路,梅が咲いていた。幾日後の寄り道でも振れた。そういう話が私にとっての「垣間見える貴方」だった。電線の五線譜が風に揺られる時,私の声は届かない。喧騒に塗れる中偲ばせた恋も勿論届かない。次第に減る自由のお裾分け。貴方と,そんな貴方がすきだった私の,ほんの数日間に零れた言葉は一体誰が拾ってくれるのだろう。私たちでは無理だった,貴方と私では言葉が潰えてしまった。だからどうかその言葉達よ,安らかに逝け。

        • applise

          在る朝が,来る旅が,傑る嘗てが欠如した。詰り僕は,嫌,明言など敢えてするものか。窓際の月兎耳は僕の藍を纏い,吾に瞹を施す。落す陰はさんざめく光を吸収し確かな存在を覚える。そうだ,飽和した感情が佇むフローリングには今や何も無い。燈となりつつの天井を寝転んで見ても隣に君はいない。無いのだ、何も。何も無い,たったそれだけ在る,僕のブラックホール。明言などするまでもなく,凪いだ密。それが僕の恋。果から声がする。

          青磁鼠と白肌桜

          「私」というpersonaは流動的な一貫性を持っている。 周が言う,「らしさ」は往々に凝り固まるものだ。 Vincent van Gogh,Pablo Picasso, 彼らは彼らの美学を唱えられながら,挑も易しく吾のpersonaに囚われる。 画一的なsymbolであったはずなのに,表現者たる陽を得たからに違いないだろう。 鈍足で蛇足な私だが,21年間を換価し得るとするならば,遊覧船で三途の川を渡れる程度と自負している。 とまぁ,吹けば軽く舞って沈む様な自尊心は立派に根

          青磁鼠と白肌桜

          純夏

          彼レがくる。 晴晴の全てを預けられる、夢のようなもの。 油彩絵具で象るアルジャントゥイユのようなもの。 嘗てが泡になろうもの。 彼レがくる。 その時私はどうしたらいいんだろう。 歩く,なにを? 泣く,有為に? 撮る,さんざめき? 夜より濃い 朝より深い密度に 出逢えるように。

          庶幾の唄

          浮ついた気持ちであって欲しかった。 出来心だったんだ、なんて 手を伸ばしたら届く位置にいて欲しかった。 今はあなたを大切に出来ないけど 強くなるからまた俺の事好きになって、 そんなふうに言って欲しかった。 ねえ、きっと私が密かに細やかに 文章を書きためている事も君は忘れているんでしょう。 甘味が苦手な君が 初めて会った日に飲んでいたから だからバレンタインはキャラメル味にしたんだよ。 君の夢も覚えてるよ。 あの秋も。ねこの名前も。 私の隣で見せてくれた顔も、声も、 ず

          庶幾の唄

          然こそ言え

          くじらもどきで身を寄せ合う。 海辺の風を笑いながら、 綿毛が舞うように 。๑⃙⃘ 飛沫がさんざめくように 。 聞き分けのいい って 難しいよなあ 𓃺𓈒𓏸

          然こそ言え

          焦がれた青

          ファミリーマート21時集合。 まあ軽く行きましょうと、缶ビールをひょいひょい籠に入れる仕草が、下戸の私には何とも目新しい。 後に、これはバターイカだねと語られるイカバターを、370円のおつまみがあるよ、中々だねと、楽しそうに眺めていた。 海は綺麗だった。 光を受け、粛々と 煌々と 燦々と そんなふうな月を静かに支えながら、 また 人工的な光を受けながら、 これはあれだね。 そうですね。あれですね。 帰り道、くじらの公園に酔った。 ぶらんこを漕ぐ姿に何を感じるかは様

          焦がれた青

          気怠い言葉

          てんやわんや、なんやかんやな とても馬鹿で可愛くて愛しい恋人。 今何をしてるんだろう。 何も教えてくれないし 何も決めてくれないし 恋人ができた同期と愚痴るものですが、 それでも好きなのだから仕方ない。 誰が撮ったのかとヤキモキすらしてしまうけど 当の本人はそっちのけで過ごしてるんだろうなあ .。o○ 早くなくてもいいから、 彼のこの先の行き道が少しでも明るくなりますように。 嘗て交わしてたなんて事の無い日常を懐古しつつ おざなりのような 気怠さを含んだおはよ

          気怠い言葉

          癖の露出に

          椎名くんは呑み友達にカテゴライズされた初めての人である。 2泊3日の東京旅行の家主がお金を稼ぎに行く間、 私は初めましての人と呑んでいる。 朝の12時間をコインランドリーで過ごし 夜の12時間を呑み屋で過ごす 迷々する新宿駅の傍らに 一際放つ異空間にはメニメニピープル さんきゅうとアリガトウが愛らしく 件の彼は日本酒を隣席ナイスガイに酌し 酔いどれを楽しんでいる アルコールに弱い私はオレンジジュースを煽るけど 雰囲気がとても美味しくいい夜だった。 新宿呑み屋界隈実

          癖の露出に

          軌跡を他撮り

          1人では重たすぎたり、 1人では勿体ないような、 そんな思いがあれば私にもください。 君のことを受け止めるなんて 朝飯前のちゃらちゃらへっちゃらなのです。 まあ朝ご飯食べないけれど 𓀋 忙しいは心を亡くすと書くけれど あるはずの心を亡くせるほどの自分になれるならそれもそれでありだと思ったり。 手紙をどうぞと言われたので そんな愛しい恋人に 恋人を思って購った箋にインクを運ぶのでした。

          軌跡を他撮り

          嘗ての光路

          砕氷船 ふじ 小説の世界に広がる四次元が 光と音をまざまざと武器にして 目の前にたっていた。 国を背負った船に乗り込める世界。 なんとも言えない。 凄かった。

          嘗ての光路

          おはようを

          毎日LINEを交わす中で いつも伝えてくれる一日の始まりの言葉が 時々不思議な意味を持って浮いている 切りたがり 捨てたがり。 人間嫌いな性格が治ったね 人間嫌いな性格だからこそすきになればとことん大切にするから 旧友と恋人が言葉を交わす光景で生まれた評価がどれだけ幸せなのか。 いつも愛をくれてありがとう。 私だけの横顔を 大切に大切に。愛し続けて生きたいのです。

          おはようを

          遠恋を聴いて

          がんばるよ。 知らない曲はないと豪語するほどにすきだとしっているアーティストの曲を引き合いに出されて それがまた、言葉がよくて。 生憎ジャンもケンもポンもする機会はなさそうだけれど 距離が味方になるなら、空飛ぶ糸はピアノ線なのかもしれない。 数ヶ月後だったり、 数年後だったり。 初めてを遺しておけばよかったと思うくらいに日々を辿る毎日がひどくきらびやかで思わず笑ってしまうくらい気障な君との会話をこんなに楽しめるなんて思いもよらなかったんだ。 幸せに怯えることをなんて

          遠恋を聴いて

          愁いの中の

          愛を見つける強さを教えてくれた。 この距離が大切さを教えてくれるなら 大事にするより大切にしていたいと 今なら彼らの言葉の意味がわかる気がするんだ。 かっこ悪いみっともない姿を見せれる相手ができたこと。 電車で肩にもたれられる相手ができたこと。 体調が悪いこと直ぐに気づけなくてごめんねと謝られる相手ができたこと。 人目を憚らずキスをする相手ができたこと。 隣にいたって尊さは大切にしたいけれど、私たちの出会いは歪なのだから今更歪みがあったって大丈夫だろうよ。 いつかこの

          愁いの中の