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在る朝が,来る旅が,傑る嘗てが欠如した。詰り僕は,嫌,明言など敢えてするものか。窓際の月兎耳は僕の藍を纏い,吾に瞹を施す。落す陰はさんざめく光を吸収し確かな存在を覚える。そうだ,飽和した感情が佇むフローリングには今や何も無い。燈となりつつの天井を寝転んで見ても隣に君はいない。無いのだ、何も。何も無い,たったそれだけ在る,僕のブラックホール。明言などするまでもなく,凪いだ密。それが僕の恋。果から声がする。

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