borner

帰路,梅が咲いていた。幾日後の寄り道でも振れた。そういう話が私にとっての「垣間見える貴方」だった。電線の五線譜が風に揺られる時,私の声は届かない。喧騒に塗れる中偲ばせた恋も勿論届かない。次第に減る自由のお裾分け。貴方と,そんな貴方がすきだった私の,ほんの数日間に零れた言葉は一体誰が拾ってくれるのだろう。私たちでは無理だった,貴方と私では言葉が潰えてしまった。だからどうかその言葉達よ,安らかに逝け。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?