供養

例えば,例えば無垢な日常に密かな囁きをもたらし,群青色の空を七虹色に翻したあの星。それから僕の退屈な日常を慈しむあの声。…陽が射し込んだ窓は僕の存在をちとも映さず,夜更けの灯は矮小な僕を静かに呑み込み,そうして僕は星と共に死んだのだ。何が残ろう,何を残したい,何へ残す?あの星の行く先が僕の逝く先だ。…そして君の分身を捉えたので,そっと魂を噛み砕くと僕は君となり,詰まり星の往く先は僕だったのである。

凪いた煙が彼の人の呼吸を象り,そっとその二酸化炭素を肺に取り入れたいと思う。あたかも/あなたの血液が排他したガス/そう嫋やか健やかな空気です/つまりあなたを巡り精子となる運命を退け/眠るラナンキュラスを横目に揺蕩う鳳仙花,,でした。猫の髭をそっと嗅ぐと油の香りがしたので軽く自慰をした指で微かに髭を擽りました。これがさくじつの予定です。購ったばかりの革手帳は寡黙な軌跡を辿るのみ。勿論せんじつもです。

眩い,それは限りなく祈りに近いブルーの天をあおぎ,桜の蕾の未来を願う。震え覚束無い確証のない天を信じたものが未来なのである。

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