センサーサイズについて考える
先日、センサーサイズが大きいほど画質が高く上級者向けである、という言説に対して様々な反応が集まっているのを見ました。私自身、35mm以下のセンサーサイズをだいたい所有して使っているので、各センサーでどう違うのかなんとなく感覚を持っています。当記事では、レンズ交換式カメラに絞って私が使ってみて感じたセンサーサイズごとの特徴を書いていきます。
現在私が持っているレンズ交換式カメラは
・Nikon Z6ii→35mmフルサイズ
・富士フイルム X-T2→APS-C
・OM-D E-M1 markiii→マイクロフォーサーズという感じのラインナップです。一応コンデジであれば
・LUMIX TX-1→1型
・TOUGH TG-6→1/2.33型
も持っています。
かつてはEOS7DやPENTAX K-5IISといったAPS-Cのレフ機もメインとして使用していました。その時の経験も含めて書いていきます。
・35mmフルサイズ
○良いところ
・高画質の定義を「暗所を含むどんな場所でもディティールを正確かつ精密に描写すること」と定義するなら、この中では一番画質が良い。
・中判に比べるとコンパクトに収まる。そこそこ写りの良いレンズを公共交通機関移動で複数本持ち歩くと考えると、現実的なサイズの最大値か。
・レンズの種類が豊富。オールドレンズを含め35mmフルサイズを基準とした設計の製品は種類が多い。
×悪いところ
・携行性の悪さ。小フォーマットより荷物が重くなりがち。
・価格の高さ。レンズ一本一本が高価になりがちで、こだわり始めると数十万単位の出費が必要。
・APS-C
○良いところ
・フルサイズよりコンパクト。
・コンパクト系のセンサーサイズの中では最大のサイズなので、画質面は比較的有利。
・Nikon、CANON、SONYなどフルサイズも出しているメーカーのAPS-C機をサブで持つことで、レンズを共用できる(焦点距離は1.5 or 1.6倍)。
・フルサイズより被写界深度を稼ぎやすい。
×悪いところ
・APS-C専用レンズのラインナップが貧弱で、高スペックレンズはサイズが大きなフルサイズ用ばかりになりがち。これを避けるためには、富士フイルムのようにAPS-Cに全力投球しているメーカーを選ぶか、サードパーティのレンズを積極導入するしかない。
・画質がマイクロフォーサーズに対して明確に有利かというと正直微妙。センサーサイズ起因の画質の差よりレンズ起因の画質の差の方が大きいと感じる(ここは感覚的な話なので、異論はあると思います)。
・マイクロフォーサーズ
○良いところ
・レンズ交換式カメラの中ではトップクラスでコンパクトにまとまる。
・レンズが低価格。LUMIXのLEICAライン、OM Digital SolutionsのPROラインといった高品質高機能のラインでも10万円以内から購入可能。
・レンズラインナップが豊富。公開されたマウントなので、他社のレンズも共用できて選択肢が多い。
・高機能。もちろん別センサーサイズも高機能化が進んでいるが、ライブND、ライブコンポジットなど、やや独特な機能が多いのが特徴。
・フルサイズより被写界深度を稼ぎやすい。
×悪いところ
・フルサイズセンサーと対角で半分のサイズしかないので、画質はどうしても不利。特に暗所でISOを上げにくい。
・レフ機の選択肢そのものがないため、「どうしても高いAF性能が欲しいからレフ機を使いたい」といったニーズには応えられない。
・フルサイズに比べて大きなボケを得にくい。
ざっと私が普段考えているのはこんなところです。正直、写真の作品としての差はセンサーサイズ以上にカメラの大きさや形が影響するかなと思っています。「小フォーマットは低画質だけどコンパクトなので普及機」/「ラージフォーマットは高画質だけど大きくて重いのでハイアマ以上向け」みたいな区分はもうなくなってきたように思うので、月並みな結論になりますが、予算と被写体に合わせて選択されるのが良いかなと思います。
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