知らない人が私の悪口を…幻聴に苦しんだ中学時代
以下の自己紹介では、中学生のとき、幻聴に悩まされた過去を簡単に記載させていただきました。
今回の記事では、その幻聴が発生したきっかけから克服までのエピソードを赤裸々に語ります。
きっかけは悪口
中学校には、同じ小学校に通っていた生徒に加えて他の小学校に通っていた生徒も来ます。
私は中学生になったばかりの頃は、気持ちを心機一転させて初めて出会う多くの生徒と仲良くなりたいと思ってワクワク♪
中学一年生で同じクラスになった初対面の生徒たちと積極的に友だちになろうと張り切っていたところ、小学校の頃に苦手だった女子(Aさん)に絡まれてイライラする日々を過ごしていました。
私は所属していた美術部で友だちにAさんの悪口を話してストレス発散。
しかし、それが同じ美術部に入っている同級生(Mさん)に聞こえたのか、Aさんにも私が彼女の悪口を言っていることがバレて、Aさんは私を避けるようになりました。
Aさんに避けられること自体は正直よかったと思っています。
不思議なのは、Aさん自身ではなく、Aさんの悪口を言っているのを聞いていた同級生のMさんとその仲間から大声で私に聞こえるように私の悪口を言ってきたのです。
Aさん以外の誰かについて悪口など言った覚えはありません。
なぜ私と関わりのない同級生Mさんやその仲間にそんなことを言われなければならないのだろう…
美術部で調子にのってAさんの悪口なんて言わなければよかった…
この頃から、後悔と一緒に自分の中学生活が苦しくなり始めていったのです。
悪口はエスカレート
私への悪口はMさんとその仲間から、どんどん色々な生徒に広がっていきます。
それは同級生の中だけではありません。
廊下を歩いていると、全く面識がない別のクラスの生徒がすれ違いざまに私の耳もとで「ムカつく」「最悪」などの悪口を言ってきました。
「中学校で初対面の生徒と友だちになりたい」という私の夢はガラガラガラッと頭の中で崩れていきます。
もう私の中学生活は終わりだ…と、絶望感でいっぱいになりました。
日本中の声が私の悪口に…
ほかのクラスの知らない生徒から悪口を言われてから、私の耳がおかしくなりました。
家族や友だちと外出したとき、周りにいる知らない人たち(特に中学生~20代くらいの大人)の話し声が私の悪口に聞こえる。
自宅の前を通る人たちの話し声が私の悪口に聞こえる。
私の事情を知っている両親の話し声さえ私の悪口に聞こえる。
どこにいても話し声がする度に苦しくて、自〇を図ろうとしたのはもちろん、聞こえる話し声に対して大声で怒鳴ったり暴れたりと攻撃的になって、周りから変人扱いされるほど重症でした。
母と一緒に精神科に行っても薬を出されるだけで特に何の対処法も教えてくれない。
結局、私は精神科からもらった薬を大量摂取しようとして母に薬を隠される始末。
特に中学校以外で印象に残っている悪口は、旅行中の電車内。
特急列車で私の後ろに座っている若い女性2人が大声で話しています。
もちろん、その声は一部終始、私の悪口に聞こえていました。
偶然その女性たちと同じ駅で降りて、やっと離れられたと思ったら同じエスカレーターで遭遇!
しかも私のことをじっと睨んでいたのを覚えています。
それが幻聴なのか幻覚なのか、今でもわかりません。
今考えれば、電車内で大声を出して喋るのってマナーが良くないですよね(笑)
相談室登校から転校へ
こんな状態の私は教室に行けるわけがなく、学校内にあった「さわやか相談室」に通って自主勉強をしていました。
しかし、相談室に登校しても廊下や帰宅途中などで教室にいる同級生や同じ学年の生徒に会えば悪口を言われる。
そのうえ、私が相談室にいる間、教室では警察が来るほど生徒が荒れているみたいです。
そんな中学校の状況を把握した両親は、私に転校を提案しました。
そして私は、いとこが通う少しだけ遠くの中学校へ転校することに。
状況は変わらず…
転校先は荒れていることもなく、どんな生徒も問題なく穏やかでした。
しかし私の幻聴は治りません。
やっぱり転校先でも周りの話し声が私の悪口に聞こえます。
そのため、普通の部活にも入れず、ほぼ帰宅部と呼ばれていた「英語研究部」に入り、授業が終わったら帰宅する日々を過ごしていました。
この幻聴がなければ興味のある部活に入りたかった…と、今でもふと思うときがあります。
転校後の最悪な思い出は、私の状況を知っている私のいとこが私の悪口を言っていると思い込み、いとこの家で大暴れしてしまったことです。
幼い頃からずっと優しくしてもらったおばさん(いとこのお母さん)に初めてあんなに怒鳴られたことを今でも覚えています。
今でもいとこやおばさんのことを考えると本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
強制ホームステイ
両親は転校しても私の幻聴が治らないことに頭を抱え、私を海外に行かせようと夏休みや春休みを使って短期ホームステイをさせました。
私は海外に行くこと自体は問題ありません。
一番嫌だったのは日本人同士と一緒に行動すること。
ホームステイ先以外、飛行機の中や現地の学校では、ほとんど一緒に行動します。
飛行機の中では一緒に行動している日本人の声が私の悪口に聞こえて地獄…。
現地の学校も仮病を使ってほとんど行きませんでした。
英語で話す現地の人たちの話し声は気にならなかったので、できれば一人で行きたかったですね。
幻聴あっても都会は好き
週末は、よく電車で都内に行っていました。
電車の中では音楽を聴いて周りの音をシャットダウン。
周りの話し声が多い都会になぜ?って思いますよね。
あまりに目立つ話し声だと怖いのですが、都会だと話し声が多すぎるためか、言葉が聞こえなくて自分の悪口が聞こえないのです。
しかも人が多くて周りの動きも早いので話し声を聞き取る余裕もないし、そんな必要もない。
そのため、都会にいるときは、とても居心地が良かったです。
転校先は無事に卒業
結局、幻聴は治りませんでしたが、保健室や相談室登校なしで無事に転校先を卒業できました。
幻聴があっても卒業まで乗り切れた理由は、以下だと思っています。
「悪口を言われる=私に気がある=私は魅力的」と前向きに思い込み、幻聴に対して強い態度をとるようになった
一緒にいて安心できる友だちができたこと(喜怒哀楽が表に出やすい人たちなので悪口を言われているとは思わなかった)
同じクラスに好きな人ができて、その人を見たい・話したいと登校にモチベーションを持つようになった
高校で長期留学に行ったら?
高校は英語に特化した学科に行きました。
そこでは一年間の長期留学のサポートもしています。
その学科は1つしかクラスがないため、同じクラスの生徒とは3年間一緒に過ごすことに。
中学時代より酷くありませんが、未だに同じクラスになった一部の生徒の話し声が私の悪口に聞こえました。
しかし、ここから状況は大きく変化!
同じクラスで付き合っていた彼氏に振られて教室での居心地が悪くなり、逃げるように一年間の長期留学へ。
留学先で通っていた学校にいる日本人は私一人。
周りとコミュニケーションをとるのが精いっぱいで、全く話し声が気になりませんでした。
しかもアジア人差別がある場所だったため、直接からかわれたり石を投げられたりして、悪口以上に鬱陶しい思いをしたので「悪口なんてどうってことない!」と感じるように。
楽しいこともあったけれど9割ほど壮絶な留学から帰国した後、周りの声が全く気にならなくなり、幻聴もスッと消えました。
今でも高校生のときに行った長期留学は、あまり良い思い出ではありませんが、幻聴が治ったのは大きな恩恵だと思っています。
幻聴の対処法
ここまで、幻聴が治るまでのエピソードを語らせていただきました。
ここでは、上記で述べた内容も含めて、私がやっていた幻聴への対処法をご紹介します。
少しでも当時の私と同じような症状に悩まされている方のご参考になれれば幸いです。
イヤホンやヘッドホンで音楽を聴く
話し声が目立たない賑やかな都会に行く
海外に行くなど、周りに日本人がいない環境に身を置く
心当たりのない自分への悪口=自分に気がある=その人にとって自分が魅力的だと前向きに考える
好きなことや得意なことを見つけて、それを極めて自信をつける
インターネットが使えれば、幻聴の対処法を調べる
特に幻聴が酷くて辛いときは、イヤホンやヘッドホンを使って好きな音楽やラジオを聴いて、周りの音をシャットダウンするのがおすすめです。
終わりに
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
精神科では病名が付けられませんでしたが、個人的には、ある一種の統合失調症だったのかな?と思っています。
当時は非常に苦しかったですが、今思えば、とても不思議な体験でした。
また、同じような症状で悩んでいる方の気持ちも、少しは理解できるようになったのではないか?と思えるため、今では貴重な経験です。
幻聴は本当に辛いけれど、それを乗り越えたときに見える景色は綺麗なものだと個人的に思っています。
この記事が、少しでも共感を与えられたり、同じ症状で悩んでいる方の力になれたりしたら、とっても嬉しいです!
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