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【聖杯戦争候補作】Hail to the Shade of Buddha-Speed

ある日の穏やかな朝。猥雑な大都会に日が昇り、木造住宅が並ぶ下町も照らし出す。今日は、特別な日だ。

「おいっちに、さんし」「さんし」

『本日は・・・通常の放送番組を変更し、臨時政府・・・より、国民の皆様へ緊急声明の発表がございます』

「ミチコォ、早くしないと学校遅れちゃうわよォ」「靴下がかたっぽないのよ」「だから前の晩に」「あーんもう」
「こらァ御飯のときはテレビを消しなさい!」「あっ戦車だ」

『・・・・により外出は禁止されています。尚、国立及び市立、区立の医療機関、又、一部公共機関は・・・・』

「クーデタってなァに、お父さん」「かっ会社に電話だ!」「・・・・じゃあ学校休みじゃんかァ、ねェお父さん」「やったァ」

不穏なニュース。市街地に戦車や兵士。だが、日々の生活に追われる庶民は無関心だ。

「ねェ マユミ、TV見たァ! 学校休みみたいだからさァ、映画行こうよ」「だって外出れないよォ」「どうして?」
「たったっ大変だァ」「戒厳令っていうのよォ」「国家危急存亡のこの日こそ 滅私奉公 いざ つかまつらん」
「お母さんお早よう」「いつ迄寝てるんだい この子は 早く顔洗いなさいよ もう」

そんな日常を、非日常を、光が呑み込んでいく。誰も彼も平等に。無数の高層ビルが崩れ、砕ける・・・・!

「なっ 何だ?! ひっ 光が・・・・集まってる?! まさかそんな!!」

光の中心部。少年が叫び、兵士たちが吹き飛ばされる。ビルの上に転移する。まだ近い。もっと遠くへ・・・・!

「うっ ぅわあっ」

ついに、光が少年を呑み込む。彼の存在と意識は、複数の時空間に、同時に・・・・

ドルンドルンドルンドルン・・・ボンボンボンボン・・・

エンジン音、ライト、排気ガスの臭い。タバコの煙、缶コーヒーの湯気。吐く息も白い。冬の深夜。大型ショッピングモールの駐車場に、十数人のバイク野郎どもが屯している。

「かーっ、寒ィー。京都の冬は寒ィよなァー。終わったら呑みにいこーぜ」
「ここんとこ天気良かったから、雪はだいぶ溶けたけどなァ・・・余計寒く感じるわァ」
「京都ねェ。こないだ初めて来たけど、大したとこじゃねェなァ」
「そりゃーボンは、トーキョーから来たんやもんなァ。文明度がちゃうもんな」
「おー、トーキョー。もうすぐオリンピックが開催される、トーキョーから来たんだぜェ、オレは。近未来よ」
「じぶんもシティーボーイやからァ、走るンなら大阪のがいいンよねェ・・・環状線、行ったことある?」
「ボーイ? オッサンやん、もう。オレの親父ぐらいや」
「あいつ、まだトイレかァ? ・・・あ、戻って来たわ」
「ホットココア買って来たァ・・・熱々の」

ダベる一同に、数人の男たちが紙袋から何かを取り出し、配っている。
「おら、ブツや。カッとやれェ!」
「うす! ゴチになりゃーすッ」「ウホッウホッ」「キャッキャ、ウフフーッ」「待ってましたァー!」

彼らが配ったのは・・・ドラッグのカプセルだ。気の利いた薬剤師なら、市販の風邪薬などから作れる。脱法ドラッグだ。飲んで眠くなるようなものではない。むしろ覚醒させ、集中力と感覚を鋭敏にする。依存性は・・・ある。常用すれば、健康に良くはない。しかし、そんなことを心配するような頭脳のある連中ではない。舌の上に乗せ、コーヒーやココアで飲み下す。或いは噛み砕く。効くまで数十秒待つ。

「・・・んーッ、キタキタキタぁーッ」「かはーっ、バクハツしそーだぜェーッ」「今夜はとことんいっちゃうもんねーっ、おりゃーっ」

行き渡り、効き出したのを見計らって、一人が叫ぶ。
「しィ! いくぞォァ! コースはわかってンな! 今夜もケツのおごりだかンなァ!」
「「「おおっ!」」」
掛け声と共に、一同はヘルメットを被り、エンジンをふかし、一斉に走り出す。

まずは西へ。淀大橋の前で京滋バイパスに入って、東へ。久御山ジャンクションから第二京阪道路へ入り、北上して、阪神高速8号京都線へ。
彼らは、走り屋だ。京都は意外に暴走族が多い。速度、暴力、薬物、オンナ。彼らを引きつけるのは、危険、刺激、快楽だ。そして今、そうした暴走集団が一つ。十代の若者に、旧車會の中年連中も加わり十数人。

巨椋池。宇治川。伏見。城南宮。鴨川。上鳥羽。ここから大きく右にカーブし、全長2.5kmの稲荷山トンネルへ。山科へ抜け、北東に向かって粟田口を抜け、北上。山道を通って京都を一周。これが一応のコースだが、目的地に辿り着けばとりあえずいい。

ファオンファオンファオンファオンファオン・・・後方からサイレン。早速お出ましだ。
『前方の暴走集団、止まりなさい・・・!』

「警察や!」

誰かが叫ぶ。仲間が叫び返す。ヘルメットとゴーグルをつけ、真っ赤なライダースジャケットを纏い、赤いモーターバイクに乗った少年。
「へっ。やっとモーターのコイルがあったまってきたところだぜ!」
「エンジンならともかく、コイルは冷えとったがええンとちゃうかァ」
「っせーな、比喩だよ比喩ゥ。他のゾクどもがいねェならよォ、国家権力様と鬼ごっこと行くぜェ!」

猛スピードで、少年のバイクが抜け出す。ホイールから電光を発し、飛ぶように駆ける。前の車を次々追い抜き、尾灯が光の軌跡を描く。誰にも捕まえられはしない。他のバイクも後を追う。

「イヤッホーゥ!」「ヒャッハァ!」「お勤めご苦労さァーん」「おらァ、行け行け! どんどん行けェー!」

少年の名は、『金田正太郎』。こことは違う世界、違う歴史を歩んだ、西暦2019年の『ネオ東京』からきた男である。年齢は16歳。大型自動二輪免許取得可能年齢は、現代日本では18歳。勿論、無免許だ。バイクは盗品を改造したものだが、ネオ東京から一緒に来たものであり、その件では罪に問えない。まあ、薬物も使用中だ。少年法があるとはいえ、逮捕されれば少年院送りは免れまい。国家が崩壊でもしない限りは。

「ン?」
稲荷山トンネルに入ったあたりで、少年は眉を顰める。真正面から強烈なライト。逆走トラックが二台向かってくる!!
「おわぁ!?」
咄嗟に避けようとするが、トンネルの中だ。車線を塞がれ、逃げ場がない!

【マスター。お護り致そうか】
「おっ、やっちまうか。頼むぜェ!」
謎の声に答え、少年は笑ってトラックへ突撃! 薬物で興奮した後続バイクたちも、そのまま突っ込む!

少年のバイクの前の空中に、女が片膝立ちで出現した。顔立ちは白人のようだ。頭に毛皮の帽子を被り、厚手の外套と長手袋を纏う。腰には剣。下半身はズボンを穿き、足元は膝下までブーツに覆われている。その女が両手をすっと前に伸ばす。翳した両掌にあるのは、回転する鉄の車輪。

激突寸前で、二台の逆走トラックがひしゃげる。ねじれ、壊れ、砕け、粉々になって、バイクの後方へすっ飛んでいく。誰も傷つけることなく。遥か後方で爆発。
「ひょォ、すげェ! 愛してるぜ『ライダー』ちゃァん」
【運転手はいない。これは、敵の攻撃だ】
ライダーと呼ばれた女が呟き、前方を睨む。次々と爆走するトラックが突っ込んでくる。女のブーツの底にも、鉄の車輪が出現する。

【マスター。この先に、敵サーヴァントがいる。轢殺するぞ】
「おう、派手にドカーンとやっちまえェ!」
鉄の車輪が激しく回転! 軋むカウル! 唸るダイナモ! 悲鳴を上げる後続車!!

数日前。寮でバイクを整備中だった金田は、急に頭痛を覚え・・・稲妻が閃くように、すべてを思い出した。

嵐。瓦礫。炎、かけら、街、竜巻。力。光。ヤツら。祭り。空、仲間、走る。

――――鉄雄。甲斐。山形。ケイ。レジスタンスたち。シワシワのガキども。タコ。アーミー。オリンピック会場。アキラ。

鉄雄ォ・・・! あんにゃろォ、山形のアタマ、割りやがって・・・!」
目の前がチカチカし、頭が割れるように痛い。脂汗が滲む。あれが現実。こっちも、現実。記憶が混ざり、もつれ合う。非行が過ぎて、東京から京都へ転校? ンなわけねェ。あの時、ネオ東京は吹っ飛んじまったはず。オレはそれに巻き込まれ・・・。
「・・・せーはい戦争ォ? なンでも願いが叶うだァ? へっ、だったらオレをケイちゃんとこへ、ネオ東京へ帰してくれよ」

目を剥き、笑いながら歯を食いしばる。あの時、崩壊したビルが目の前に・・・光に包まれ・・・そして。手袋をした掌の中に、模型バイクのホイールみたいなものが現れる。あの光の中で掴んだ、なにか。

「えーと、お嬢様。なんつったっけぇ・・・カニ?」
【「カニシュカ」だ。知らぬか。古代インド、クシャーナ帝国の大王・諸王の王・天子・皇帝である、この余を】
「しーらね。オレ歴史の授業は睡眠時間と重なっててさァ。バイクやクルマいじんのは得意だけど・・・」
【では、ただ『ライダー』と呼ぶがいい】

その輪っかから出て来た、モコモコに冬服を着込んだ長身の白人女、の幽霊。カニだか鹿だか名乗ったが、要はこいつが英霊、サーヴァントって奴だ。こいつを使って勝ち残りゃいいわけだ。なんでもゆうこと聞く女の子あてがってくれるたァ、嬉しいじゃないの。ちょっとキツそうだけど・・・。

【・・・まあよい。聖杯がほしいのなら、余も同じだ】
「へえ、望みがあんのか、カニカニ女王様」
【頭が悪いようだから、分かり易く言おう。余は帝王。ゆえに、聖杯がほしい。それで充分。聖杯への願いはない】
「うわお、すっごいシンプル。おもしれえじゃねェか。乗ったぜオレもォ」

カニちゃんが腕組みしてふんぞり返る。お山はそこそこ。胸を見つめていると、キッと睨んでくれた。でひひ。

【それとな。余はだ。そのはずであった。英霊の座でもそのはずだ。なんで余が女になっておる】
「知らねぇよォ。あれだよ、せーどいつせーなんとかじゃねーの? オレは女の方がよっぽどいいけど」
【・・・まあ、よい。輪廻転生するうちに、千の頭の魚ともなった余だ。女になることもあろう。女では転輪聖王にはなれぬはずだが】
「男の子になりたいのォ? 聖杯ってのにそれをお願いすればァ、カニ子ちゃァん」
【主催者が何を考えておるかは知らぬが、どうせろくな連中ではあるまい。お前を元の世界に送ったら、聖杯は仏に寄進するとしよう】

煙に包まれた稲荷山トンネルから、金田のバイクが飛び出す! 後続車も! 各々の周囲には鉄輪が浮遊し、守護している。
【派手な出迎えだったが、大した奴ではなかったな。鉄輪宝で脳天を砕いてやったわ】
「物騒だよねェ。ま、これでオレたちの件もウヤムヤさ。逆走トラック群がトンネル内で大爆発なんてな・・・」
【どうだかな。あまり派手な真似をすれば、警察ばかりか他の主従にも目をつけられるぞ。予選はもう始まっている】
窘めるライダーに、金田はニッと笑って答える。楽しい夜はこれからだ。
「地味に生きるのは、得意じゃァないんでね。ナメられてたまるかよ、オレァ健康優良不良少年だぜ」

ライダーも不敵に笑う。小なりとも覇者たるものは、そのような気概がなければならぬ。
【よかろう。攻めて来る者は片っ端から、我が鉄輪の錆にしてくれる】

【クラス】
ライダー

【真名】
カニシュカ一世@クシャーナ朝

【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A

【属性】
混沌・善

【クラス別スキル】
対魔力:B
宝具と仏の加護により強化されている。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:A
幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。自前の宝具を用いて飛行する。象宝や馬宝などはオミットされてしまった。

【保有スキル】
皇帝特権:A(B)
本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。宝具によりランクアップしている。該当するスキルは騎乗(習得済み)、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。ランクA以上ならば、肉体面での負荷(神性など)すら獲得できる。

クシャーナ朝は、最盛期には中央アジア・アフガニスタン・北インドに至る広大な領域を支配した。その君主はシャーヒ、ムローダ、マハーラージャ(大王)、ラージャティラージャ(諸王の王)、デーヴァプトラ(神の子、天子)、カイサラ(カエサル)、サルヴァローケーシュヴァラ(一切世界の主)、マヘーシュヴァラ(偉大な主、大自在天)などと号した。

仏の加護:B
呪いに対しての守り。同ランクの「対魔力」にも相当。危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる。

黄金律:A(B)
身体の黄金比ではなく、人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。鉄輪王として莫大な富を保有し、一生金に困ることはない。クシャーナ朝はローマを含む世界各地との交易により莫大な富を得ていた。

ダヌルヴェーダ:B
古代インドの正統総合武術・兵法。クシャトリヤかつ遊牧民の王として、様々な武器や軍勢を自在に操る。

【宝具】
『九億轢殺鉄輪宝(ローハ・チャクラ・ラトナ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1-99 最大捕捉:900

閻浮提洲のみを統治する最下級の転輪聖王「鉄輪王」であることを示す輪宝(『大毘婆沙論』『倶舎論』等による)。常にライダーに付き従い、行く手を遮る敵を悉く破砕する。武器を振り上げただけで相手を畏怖させ、悪人を威光によって降伏させる。大きさは自在に変わり、多数に分裂して防御結界を張ったり、これに乗って空中を高速で自在に移動したりできる。投擲すれば敵陣を薙ぎ払い、なんかビームも出る。インド古来の太陽円輪チャクラムや、古代イランの王権の象徴クワルナフにあたるものであろう。

『南無三宝大焔肩(マハールチ・スカンダ)』
ランク:C 種別:対軍・結界宝具 レンジ:1-99 最大捕捉:100

『大唐西域記』迦畢試国条や『今昔物語集』巻三に記されたライダーの逸話によるもの。風雲や暗黒を両肩からの焔で吹き払う。大雪山(ヒマラヤ)山頂の龍池に棲む悪龍を退治せんとした時、龍は暴風を起こして樹木を抜き、沙石を雨の如く降らせて妨げた。ライダーが三宝に帰命して加護を願うと、両肩から大煙焔が噴き上がって風雲を鎮め、ついに龍を退散させたという。当時の貨幣や仏像に見られる肩の焔は、シュメル時代の太陽神の像にも見られ、イランを介して伝わったものとも思われる。

【Weapon】
宝具である鉄輪宝。腰には宝剣を帯びており、槍や弓矢なども必要に応じて出現させられる。

【人物背景】
迦膩色迦王。クシャーナ朝の第四代君主。後に二世、三世も現れるが、一般にカニシュカと言えば一世を指す。『ラバータク碑文』によればヴィマ・カドフィセス王の子。コインに刻まれた年数などから推定される在位年代は西暦127年頃から150年頃。中央アジアから北インドに跨る父祖以来の帝国を受け継ぎ、さらに拡大した。夏都をカーピシー(ベグラム)、冬都をプルシャプラ(ペシャーワル)、副都を中インドのマトゥラーに置き、東はネパールやベンガルまで威令を轟かせた。またギリシア系・イラン系・インド系の神々、仏教(主に説一切有部)やジャイナ教など多様な宗教を幅広く庇護し、多数の仏塔や寺院、神殿を建立した。この時代に仏像が初めて出現しており(ガンダーラ美術、マトゥラー美術)、仏教詩人アシュヴァゴーシャ(馬鳴)を招聘し、仏典結集を行ったともされる。

『雑宝蔵経』等によると、カニシュカ王には菩薩アシュヴァゴーシャ、名医チャラカ、大臣マータラの三友があり、各々霊的救済、健康長寿、天下平定を進言した。王は大臣の意見を採用して遠征を行い、西の安息(アルサケス朝)など三方を平定して三億人(九億人とも)を殺害、最後に東北方の葱嶺(パミール高原)を越えようとした。だが馬が死んだので引き返し、罪業の報いを思って多数の仏塔や寺院を建立し、功徳を積んだ。群臣が「今更ではないか」と呟くと、王は熱湯に指輪を入れて「取ってみよ」と命じた。群臣が「熱湯を冷まさねば無理です」と答えると、王は「余は功徳を積んで罪業の火を消し、熱湯を冷ましたのだ」と答えたという。しかし別の伝説では、王は多年の遠征を倦んだ群臣によって窒息死させられ、その罪により千頭の怪魚に転生して、長く苦しみを受けたともいう。

ホータンの伝説ではホータン人の祖とされ、アショーカ王やアレクサンドロスなどと混合した。毘沙門天やケサル王のモデルのひとつとする説もある。

どうしたわけか女体化している。精神は男のまま。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯の獲得そのもの。獲得したら仏に寄進する。他人が何を願おうが知ったことではない。

【方針】
なるべく殺生はしない(無力化はする)。英霊は積極的に排除するが、聖杯を求めず善良ならば支援する。

【マスター】
金田正太郎@AKIRA(原作版)

【Weapon】
『モーターバイク』
かの有名な『金田のバイク』。盗品を自分専用に改造したピーキー過ぎるバイク。電気とガソリンのハイブリッド。セラミックツーローターの両輪駆動で、バックも可能。常温超伝導発電機を搭載し、12000回転の200馬力。最高速度243km/h。ネオ東京では「電動二輪免許」があれば乗れるが、現代日本では大型二輪扱いだと思うので無免許運転。普段は秘密基地に隠してあり、16歳でも乗れる普通二輪や原付に乗っている。ライダーのスキルのお陰で資金は潤沢。

【能力・技能】
ただの人間のはずだが、運動神経が高く、軍隊でも捕まえられないほど逃げ足が速くてすばしっこい。なぜか銃弾や瓦礫にもめったに当たらない。バイクいじりにも長け、鹵獲した乗り物をたちまち乗りこなし、銃火器も器用に使いこなす。仲間の死には激昂するが、敵や無関係な奴が死んでも気にしない。ドラッグと走りと女が好きなどうしようもない無軌道野郎だが、度胸と行動力と人望、天運はある。

【人物背景】
大友克洋『AKIRA』の主人公。2003年9月5日生まれの乙女座で16歳(2019年当時)。黒髪短髪の日本人顔。ネオ東京第8区青少年高等職業訓練専門学校・工業科所属。名前の由来は『鉄人28号』の主人公・金田正太郎。自称「健康優良不良少年」。

クリーニング店経営の両親と障害を持つ弟がいたが、父親は弟の看病疲れで倒れてアルコール依存症を患い、母親は蒸発。父親に扶養能力が無くなった事で、養護施設入りに。その後は寄宿制の中学校に入学するも、翌年に非行に走り、さらに警察沙汰を起こして退学。職業訓練校に編入し、バイクチームを結成する。

自分専用に改造したバイク(盗品)を駆り、日々を無目的な暴走行為に費やしている。暴走族チームのリーダー格で、仲間や走り屋連中からの人望も厚い。劇場アニメ版でも大概だが、原作漫画版では輪をかけたワル。学校の保健婦を妊娠させても大して意に介さず、彼女に調合させた薬物を日常的に摂取している。幼馴染の鉄雄、山形、甲斐らと仲が良かったが、ある事件がきっかけで鉄雄が超能力に目覚め、薬物と暴力に溺れた末に山形を殺害。金田は鉄雄への復讐に走る。成り行きで反政府ゲリラに加わっていたが、鉄雄との戦いのさなか、覚醒した「アキラ」の力に飲み込まれ、一時現世から姿を消す。

【ロール】
京都市内の職業訓練校に通う暴走族。

【マスターとしての願い】
ネオ東京に帰る。

【方針】
帰還に聖杯が必要なら獲得する。

【把握手段・参戦時期】
原作3巻末でアキラの力に飲み込まれた時。

◎◎◎

言わずと知れた歴史に残る超名作、超名曲だ。聞くとキアイが入る。アニメも物凄いが漫画版も凄まじい。おれはどちらもだいすきだ。本文冒頭は漫画版からの写しで、おれのすきなシーンだ。

孔雀やメーガナーダや役小角でインドづいてきたのでカニシュカにし、宝具は鉄輪→戦車→バイク→暴走族とつながってマスターが金田になった。サブタイトルはバシッと決まった。…順番は逆だったかも知れない。金田に聞いてくれ。カニシュカが女体化したのは、エピロワで書いたアーチャーの影響だ。あっちも遊牧民の帝王なので連動したのだろう。無闇と女体化するのは問題だが、精神が男性なららんまやエーリアスの例もあり、馴染み深い。あとクシャーナ朝の帝王なのでナウシカのクシャナが混ざった。

【続く】

参考動画:「阪神高速・京都線を全線走ってみた」https://www.youtube.com/watch?v=tgP6Ztx0xd4

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