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顧客にも「このプロダクトは自分が育てた」と感じてほしい。VPoPが語るクロスマートのプロダクト構想

クロスマートで広報・アライアンスを担当している硲 芽唯(ハザマ メイ)です。
本日9月1日、クロスマートに執行役員 VPoPが誕生しました。
執行役員になった杉原さんは、クロスマートの6番目社員。決意コメントや選任理由はプレスリリースにて発表しましたが、本noteではより深く、杉原さんの経歴や人柄、クロスマートのプロダクトチームの未来について、お話ししてもらいました。

杉原 達也(スギハラ タツヤ)
2016年神戸大学発達科学部卒業後、新卒で株式会社Speeeに入社。 SEOコンサルティング事業の新規営業を2年経験した後、営業企画部にて営業の高度化・予実整合性の向上のためSFA・MA・ABMツールの導入・推進PJTを中心に従事。 2020年1月に6人目社員として営業職でクロスマートに入社。同年7月にプロダクトマネージャーに転向。主力サービスであるクロスオーダー事業のプロダクト責任者として、事業のPMF、マルチプロダクト化を推進している。


1社目で身についた守備範囲の広さと仕事の進め方

硲:杉原さん、執行役員就任おめでとうございます。今日は杉原さんとクロスマートの、今までとこれからについてお話を聞かせてください。
まずは、杉原さんの社会人生活の始まりから伺いたいです。

杉原:2016年にSpeeeという会社に新卒入社しました。当時は、無形商材で高単価、業界問わずに経営者と関わることができる環境に身を置きたいと思っていて、同社を選びました。
SEOコンサルティング営業をしていたのですが、商材として売るのがとても難しかったですね。経営者の方でもSEOは広告だと勘違いされてしまうことが多く、そうではないと理解してもらうためには同じ目線に立って事業フェーズの話をし、信頼してもらうことが大事なんだと学びました。最初はとても苦戦しましたが、入社理由である経営者と関わることができる環境に身を置くという経験は得られましたし、自分にとって良い選択だったと思っています。

硲:求めていた経験をすることができたんですね。特にSEOは外部環境にも左右されますし、経営者と対等にお話をするとなると幅広い情報収集も必要ですよね。
杉原さんは今も守備範囲がとても広いですが、それも当時の経験で身についたんですか?

杉原:そうですね、多分昔から適性があったのと、社会人になってからの経験で自分の強みになったんだと思います。営業職のあと、営業企画も経験したのですが、そこで関わる人が増えて。営業部署はもちろん、隣のアライアンス部署や、事業部長レイヤーの方などです。各所でふわっとしたタスクが発生して、それを体よく拾って進めることで喜んでもらえるようになったのが、今の仕事の進め方や守備範囲の広さにも繋がっていますね。

硲:なるほど、今のPMのお仕事にも通じる部分がありますね。

杉原:情報収集については、思い返すと、営業職時代から商談数や成約数などの行動KPIを事業部全員分集めて分析したりしていましたね。自分のやっていることの証明もできて自信にもつながるので、当時から進んでやっていました。

硲:1社目でもかなり身になるご経験をされていると思いますが、転職のきっかけはどういうところにあったんですか?

杉原:もうちょっと世の中に対して手触り感のあるサービスに携わりたいと思ったんです。ドラマ「半沢直樹」の再放送を見たこともきっかけでした(笑)銀行から融資してもらえず町工場が苦境に陥るという構図を見て、ファクタリングサービスで解決できる!と思い、最初はファクタリングサービスから興味を持ち始めました。クロスマートも飲食店さんの注文情報を保有しているので、そういったサービスに携われるんじゃないかと。

硲:半沢直樹!当時大流行でしたね。そういえば、転職先の決め方も杉原さんらしさ満開でしたよね?

杉原:はい、自分の実現したいことを並べて、それが達成できる環境なのか情報収集し、表にして判断しました。心の中ではクロスマートに行きたい気持ちがあったんですけどね。

業界に向き合い、プロダクトとユーザーを知る

硲:自分の気持ちを後押しするためにもきちんと事実を並べて判断されたんですね。営業職時代のKPI集めとも近しいですね。手触り感のあるサービスを求めて入社したクロスマート、当時はどんな印象でしたか?

杉原:クロスマートでも最初は営業職をしていたんですが、業界の課題解決に対し求められているサービスを提供する、まさしく手触り感のあるサービスだなと感じていました。
それと感動したのは、ここまでサービスを変えていって良いんだということ。SEOコンサルはパッケージ化されている部分もあり、サービスを変えて提供すること自体多くなかったんですが、クロスオーダーはお客さんから要望を聞いて、それを反映させて、プロダクトが変わる。そんなことしていいの?!ってびっくりしましたね。

硲 :たしかに、私もそれに驚いたことを覚えています。とはいえ、杉原さんがPMになる前のクロスオーダーはまだまだ未完成な所だらけでしたよね。

杉原:はい、当時もサービスはどんどん変わっていたんですが、現場からの要望は不定期で棚卸しをして優先度を決める、というやり方でした。また、ビジネスサイドでその要件を整理したり確認する人が明確に決まっていなかったので、開発チームは大変だったと思います。今となってはもう昔の画面をなかなか思い出せないけど、たまに見返すとおもしろいですよ。

硲:当時はその画面でも大きな問題点はないと思っていたけど、改めて見ると足りない部分だらけですね。
クロスマートも業績が厳しかったコロナ禍での全社mtg、あれは忘れられないですね。営業が厳しい分、プロダクトをしっかり作り込もうとなったあの場で、杉原さんがPMに立候補したときは驚きました。当初からPMになりたいと思っていたんですか?

杉原:いや、正直PMという職種に対しては何も思っていなくて、システムが分かるCSは良さそうだなとは思っていました。卸売業者さんにとって、システムが分かるということはとても価値があるし、自分にはその適性がありそうだなと。
とはいえ、本当に一からでした。現場から挙がっている要望を見て、着手できそうなところから着手して……。進め方もわからなかったので、開発チームに指導してもらいながらでした。前職にいたPMにも「良いPMになるために何が必要ですか?」と唐突に聞いたりしていました。

硲:なんて返ってきたんでしょう?

杉原:「プロダクトとユーザーを知る」と返ってきていますね。

当時のやり取りを見せてもらいました。

硲:今も杉原さんが大事にしていることじゃないですか!PMとしての始まりからそこを意識して、今に繋がっているんですね。

杉原:そうですね。プロダクトに向き合うようになって改めて、これまでが綱渡りの状態だったんだなと気づきました。それでも当時から卸売業者さんが信頼してくれていたのは、課題の特定がうまくできていたことと、一緒に未来を作っていきたいという思いを評価してもらえたからだと思います。
私自身も漠然とですが、自分がプロダクトに向き合うことで、止まっているものを前に進めることはできるんじゃないかと当初から思っていました。いろんなボールを拾って、体よく進める、という経験が生きたんでしょうね。開発チームからのボールを返す人が明確に決まっていなかったという点も解決できたと思います。

硲:そうですね。コロナ禍での資金調達を経て採用を強化し、いまや開発チームも大所帯になってきましたね。人数が増える中で苦戦されたことはありますか?

杉原:採用をしたらしたで、タスクの割り振りをしなければいけないのが大変でした。エンジニアの手は空いているのに、自分の手が空いていないから割り振りができず、イシューはあるのにタスクがないという状態に陥ったこともあります。

硲:そこはどうやって解決していったんでしょう?

杉原:最初はひたすら頑張る運用だったんですけど、モンローさん(森さん)や神山さんなど分担できる方がPMについてくれて、かなり助かりました。

PMの森さんと。

硲:クロスマートの開発チームの特徴のひとつに、現場との距離の近さがあると思います。ここは先程杉原さんがおっしゃっていた「プロダクトとユーザーを知る」という点が当てはまると思いますが、なぜこれを大事にしているんでしょうか。

杉原:プロダクトマネジメントトライアングルというのがあって、僕は開発者側には詳しくない、となると顧客・プロダクトを理解するところに強みをおいていこうと思ったのがきっかけです。

プロダクトマネジメントトライアングル。参照記事はこちら

杉原:実際に開発メンバーと一緒に、卸売業者さんの受注作業風景の見学にも行かせてもらっているんですが、開発メンバーにもとても好評です。実際に自分が作ったものがどう受けられてるかを知りたいっていう欲求は開発者としては根源的だろうし、逆にめちゃくちゃ苦労して作ったものが全然使われないことは一番の悪だと思うんですよ。

選ばれ続けるプロダクトであるために、顧客をも”共犯”にする

硲:そうですね。いまや正社員だけではなくて業務委託の方も積極的に現場見学に来てくださいますよね。
この「プロダクトとユーザーを知る」だけでなく、杉原さんが今回の執行役員就任にあたりお話されていた「ビジネスサイドのみならず顧客をも”共犯”にしながら作り上げる」というのも、かなりインパクトの強い言葉ですよね。

杉原:はい、その点もとても意識しています。
これは特にどこかから教わったわけではないんですが、僕は、卸売業者さんに「あのプロダクトは自分が育てた」と思ってもらいたいんです。
業務システムはコモディティ化していくと思っていて。最終的に選ばれる理由のひとつに、プロダクトへの愛や提供している会社への思いもあるはずなんです。
だからこそ、お客さんをいい意味で巻き込みつつ、一緒にプロダクトを育てていきたいです。数年後に「あれは俺がいろいろ言って変わっていったんだよ!」という卸売業者さんがたくさんいるといいなと思っています。

硲:なるほど。とはいえいろんな意見が杉原さんのもとには集まると思いますが、判断に悩むことはないのでしょうか?

杉原:いろんな意見は聞くけど、判断は会社の方針にもとづいてこちらが行うので、ブレることはないです。全員の意見を取り入れることは一見良いことにも思えますが、それだときっと誰にとっても良いサービスにはならないので、決めることはきちんと決めて進んでいます。そのための経営層とのコミュニケーションは積極的に行っていますね。

FS・CS・PM・エンジニアでのmtg風景

硲:杉原さんの経験の中で培った、守備範囲広く情報を集める、ボールを拾って前に進める、ということが生きていますね。社内外から意見を集め続けることに対して、なにか働きかけていることはありますか。

杉原:ちょっとずれるかもしれないですが、もらったボールを返すとき、最初に作り込みすぎない というのはあると思います。10社から意見があったら、共通で使えそうな部分をまず作る。その段階で一度お客さんにもお返しすることを意識しています。一度見せることで、「うちはこういう使い方をしたい」というのが出てきやすくなるので。小さく早く出して、必要なものをまとめ、後追いで作っていく。これはプロダクト作りとしても原則だと思うんですよね。
うちのサービスはシンプルであることも大事なので、余計なものは作らない、あったらいいものは基本的にない方が良いものだという前提のもとリリースをしています。そこでまた要望をいただいたら、追加で対応していく。このサイクルがきっと、言ったことを叶えてくれるからもっと要望を出して一緒にサービスを作っていこうと思ってもらえるひとつの要因になっていると思います。

硲:そうですね。私もお客様に直接インタビューに行くと、よく「自分があげた要望を前向きに検討して、形にしてくれる」とお褒めの言葉をいただきます。この体制があってこそですね。
杉原:こういうコミュニケーションをお客様とできる状態を継続していきたいです。

業界のコスト構造を変え、「食」の付加価値を上げる

硲:ここからは、杉原さんが執行役員VPoPに就任するにあたり考えている、クロスマートの未来についても伺いたいです。
今回の就任の背景のひとつには、クロスオーダーのマルチプロダクト化を進めるという目的がありますが、なぜこの方針に至ったんでしょうか。

杉原:私たちが向き合っている外食産業は、課題のバーゲンセールといえるほど課題に溢れた状態です。困っているけど、どうにもできない領域がたくさんある。そこに対して私達が提供するサービスで解決していくことは、業界にとっても良いことなので進めていくべきだと思っています。
それと、ずっと「この業界のコスト構造を変えたい」という思いが自分の中にあり、その実現に向けてもマルチプロダクト化は必要不可欠ですね。

硲:コスト構造を変えたい、と思い始めたのはなぜなのでしょうか。

杉原:以前から、日本のGDPの低さを懸念に思うことがあったからです。どんどん働き手が減っていくのに、生産性の低い領域に産業従事者が多く、効率化がなされていない。それは外食産業においても言えることで、この領域に対し付加価値の高いプロダクトを提供していくことは、日本にとって必要だし面白いんじゃないかと思っています。
人がいる以上「食」という領域はなくならないし、世界に誇る日本食がある中で、それがしぼんでいくのは悲しい。それになにより、私自身も美味しいご飯が大好きなので、向き合っていきたいですね。

硲:なるほど。現状のクロスマートのサービスは、どの段階にいるのでしょうか?

杉原:まだまだマルチプロダクト化において着手したい部分はありますが、第一歩として今クロスオーダーが提供しているサービスだけでも外食産業の方に良いインパクトを出せているので、やっていけるという実感はあります。

デリバリーを強化することで強いプロダクトを作る

杉原:加えて、これからはデリバリーを強化していきたいと思っています。「顧客をも共犯にする」の話とも通じるんですが、マルチプロダクト化を進めて必要機能を揃えることは必要とはいえ、それって収れんしていくはずなんですよね。なぜなら、基本的には業界内の業務は近しいことが多くて、そこに対するサービスを提供するわけなので。そのときに何で差が出るかというと、先ほどお話した愛着の部分に加え、デリバリーの部分かと思っています。

硲:デリバリーの部分。各所から要望があり、機能リリースもたくさんあるこの環境においては、とても大事ですよね。どのように改善をしていきたいですか?

杉原:ひとつの機能をリリースしたとして、ビジネスサイドが自分の言葉でそれをお客様につたえて、お客様が使いこなしてハッピーになることで初めて、「プロダクトが強い」と言えると思うんです。
プロダクトマネジメントはプロダクトマネージャーだけがやるものではないので、それをもっと組織実装して行く必要があると感じています。

硲:クロスマートにとっての「プロダクトが強い会社」は、現場とのコミュニケーションが重要と言えますね。

杉原:ビジネスサイドが現場からもらってきたボールをプロダクトチームは機能としてお返しし、価値をきちんと届ける。そういう、機能を通じたコミュニケーションを取っていきたいです。
そのためにも、「価値」とはなにかを知るために、今その業務をしてる人たちの現場を見に行って、直接意見を聞く。そうしてお客さんと共通の価値を提供できる、強いプロダクトを作っていきたいです。

硲:いろいろとお話してくださってありがとうございました。最後にメッセージはありますか?

杉原:いろんな人から応援される会社にしていきたいです。
社員やお客様として、じゃなくても、こういう思いを持っている会社があって、なんか頑張ってるからつい応援したくなるな、と思ってもらえるのが一番うれしいです。
もちろんご縁があれば一緒に仕事ができたらいいんですが、応援してもらえる会社、それが一番強いと思うので、これからは執行役員として、そういう会社・組織でい続けられるようにしたいと思います。

クロスマートでは各ポジションで採用を行っています

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回紹介した、杉原さん率いる開発チームをはじめとし、クロスマートでは一緒に働いてくれるメンバーを募集しています。
ご興味がある方は、ぜひ採用ページも見ていってもらえると嬉しいです。


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