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イメージトレーニング。『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』(増補)貴戸理恵・常野雄次郎


娘がもうじき小学生になるという時期、私は不登校に関する本を何冊か読んでおきました。一応、心づもりをしておいて、あわてないために。

うちの娘は保育園が大好きで、お友達が大好きで、先生も大好き。親の私がいうのも何だけど、先生にもかわいがられるタイプ。でも、だからこそ、妬まれて、いじめられ、不登校になる可能性もあると考えていました。

この本を読んで、知ったことは4つです。

1)子供は何か特別のことが原因で不登校になるとは限らない。なにせ、著者は社会人を経験し、旧帝大大学院生になっても、当時のことをうまく説明できないらしい。親はその理由をぜひ知りたいと思うけれど、子供にしてみれば「それがわかれば苦労はしない」

2)そして、親に何か原因があるわけでもない。親が自分を責めるのは、百害あって一利なし。

3)子供が不登校になったとき、納得する説明が必要なのは「親の側」。 例えば「うちの子は不登校を選んだ」など。子供の側からすれば、それは必ずしも正解ではないけれど、悩む親にとっては絶対に必要。

4)小学校で不登校でも、中学では普通・・・というわけにはいかない。
 やっぱり、いろんなところで社会的に難しいことを抱え込んでしまう。

純粋に自分の意思だけで選択することは誰にもできはしないのだから、自分の経験に一心不乱に責任を負おうとしなくてもいいのだし、生の気持ちを押し曲げてまで一貫してしていようとしなくてもいい。矛盾していてもいい。(70頁)

さて、後日談。

今、娘は高校生。友達関係もそつなくこなしているようです。これは、小学校がちょうど荒れていない時期にあたったからとか(娘が入学する前は結構大変だったらしい)、娘が努力したとか、いい友達に恵まれたとか、校長先生たちが総入れ替えになって、その後の先生たちががんばってくれてた学校だったとか、PTAも雰囲気がよかったとか、いろんな要素が偶然重なった結果。つまり、運が良かっただけだと思います。

中学校では、担任の先生とはいい関係だったようですが、部活の顧問の先生がとても残念な方だったようで、私はずっと愚痴聞きしました。一度、「先生に抗議してあげようか?」と言いましたが、いらないと言ったので結局しませんでした。しばらくして、その先生は転勤になったので、娘にとっては幸運でした。

娘の友だちが不登校気味になってしまったときには、何度も相談に乗りました。いつだって、個人の努力ではどうしようもない不幸な事故は起こりうるのが「この世ルール」。できる限りの知識を得て、助け合うのがベターです。



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