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【感想】ケーキの切れない非行少年たち

今年の新入社員の一人が実はADHDなんですと言ってきた。最近巷でよく聞く発達障害のひとつ。症状としては記憶障害というか、人の話を聞いてる様で全くスコーンと抜けてしまう事とか、目覚ましアラームにまったく気づかないとか、過集中と言って集中しすぎてしまうとか、マルチタスクが苦手とか、忠実に手順通りに作業をするのが苦手とからしい。

まぁテレビやその他マスコミで見聞きする事はあったけど、実際に同僚として接するのは初めてなので結構衝撃的だった。学歴は某有名私大卒で優秀な部類なのだが、一部人より苦手な事があって周囲の配慮が必要という事だ。ADHDは決して論理的思考能力や理解力等の能力が足りないという訳ではないので、その子が最高のパフォーマンスが出せる仕事をアサイメントする等マネージャーとしての接し方を考えていかなければならない。人間実に色んな人がいるものだ。

今日の本はそのADHDを含む、発達障害や知的障害を持った子どもたちが犯罪を犯してしまっている事実を医療少年院勤務等を通して紹介してくれる精神科医の著書。


タイトルはホールのケーキを3等分出来ない少年院の少年が多くいる事実を伝えるもの。はっきり言ってちょっと下世話な興味で読んでみたのもあるのだが、内容はこちらも深く考えさせらるエピソードばかり。そもそも親からの子供への関心が低くて医療の手が差し伸べられないまま成長し、結果としてどうしようもなくなり犯罪を犯し、少年院、少年鑑別所に送られそこで初めて、検査をうけて障害が発覚する。

著者らは教育で犯罪の加害者も被害者も少なくする事が出来るとして日々活動されている。全くこんな世界があるのかと。医療の進歩で今まで判明していなかった人という生き物の奥深さというか、多様さというか。著者の取り組みはそんな神のイタズラとも言える障害に真摯な姿勢で向き合い希望を与える物だ。

自分もマネージャーとして部下達に何が出来るのかを本当に真摯に考えていきたい。

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