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ロンドン1.5人旅・その2(1996)

前回までのお話……
当時の遊び仲間(クラブに行くといつもいるような人)の男性と2人旅になってしまったロンドン。喧嘩したり仲直りしながらの14日間のお話


今回の旅行の目的の一つに「成人式のスーツを買う」があった。
ヴィヴィアン・ウエストウッドの店舗に行くと、日本人店員さんがいて、「あー!さっきまでヴィヴィアン来てたのに!」と言われる。

わたしはこういうニアミスがとても多い。
その昔、ゴールデン街のバーに行ったら「さっきまでアラーキーがいたのに!」と言われたこともあった。
すれ違いだらけの人生。

ヴィヴィアンではスーツと靴で20万くらい買ってしまっただろうか。
このスーツ、専門学校の修了式と成人式に着ることになるのだが、帰国後、バイトをクビになったせいで支払いが滞り、クレカにハサミを入れることになる。それはまた、別のお話。


ロンドンバスに乗った。ロンドンに来て、これに乗らないでどうするんだよ、って乗り物ではあるのだけど。

あれ、乗り方難しくないですか?
今はどうだかわからないけど、バス停とかガン無視で乗り降りするんですよね?
中にいる車掌さんにお金払うの。

ヴィヴィアンの店舗行った帰りに乗ったんだけど、システムがよくわからないまま降りた。

最近日本にもロンドンバスみたいの走ってるけど、あれはどういうシステムなのだろうか……。今度乗ってみようと思う。


ロンドンといえばチューブにだいぶお世話になった。一日券みたいなやつを券売機で買うのに右往左往してしまった記憶。

先日、とあるバーでロンドンから来たお姉さんと喋ったのだが、今はSuica的なものがあるらしい。

地下鉄のあの長いエスカレーターとか、ワクワクする。
私は大江戸線沿線民だったので、新宿駅や東中野のエスカレーターにロンドンみを感じることがある。

地下鉄に乗っていたときに、急に止まってしばらく動かなかったことがあるのだが、私の聞き違いでなければ、地上でバスが爆発したためとアナウンスされていて、ヒィィ!となってしまったことを思い出した。


イギリスといえばテディベア。

ハロッズに行き、ハロッズベアを買おうとしたのだけどまあまあ高くて。
諦めて別のベアを買った。シャーロックホームズの格好のベア。
(イングリッシュテディベアカンパニーというところのもの)

おそらく、いま家に残っているロンドン土産、そのベアが唯一のものだと思うのだけど、先日、実家の片付けで発見、自宅に連れ帰った。

……27年もののベア?????

当時タバコを吸っていたので、だいぶ匂いはついていたのだけど、ファブリーズしてしばらくしたらちょっとは匂いが抜けていた。
彼はいま、第二の人生として我々の寝室を見守っている。


ロンドンにいる間、数えきれないほどの喧嘩をした我々なのだが、私はR大に気があったが、向こうはなかった。

ロンドンに行く前の期間に2人で映画に行ったりご飯を食べたり、別にクラブで会うだけの関係ではなかったと思うのだが、まあ、私ではなかったのだろう。

床に無防備にスケッチブックが置いてあって、なんだろうと思って拾ったら、それは日記だった。
別の女の人の話と私の悪口を、同じページで同時に見たので、何お前!なんかもう別にいいや!となったのが、旅行の工程の半分くらいの時だっただろうか。

帰りの便はパリでトランジットになり、エアフランスに乗った。
高校の第二外国語で散々発音の練習させられたなー「エアフランス」、と思いながら乗った。
(ルイヴィトン、アランドロンもだいぶ言わされた)

エアフランスでは、とても賑やかな大阪のおばちゃんの集団と乗り合わせ、一睡もすることを許されず、すごくイラついていたのもあるのだが、些細なことでR大と喧嘩になり、成田離婚のような別れ方をして以来、実は会っていない。

共通の知人からは、その後、彼についてのあまりよくない噂を聞いた。
ちょっとググれば出る名前(他人のことは言えない)だと思うので、近況を知ろうと思えば知ることはできたんだけど、そこに至らずに30年近く経った。

私はそれ以来海外旅行に行けていない。
独身で子ナシのうちに行くんだった!と、ほんとに今は思うけど、長男がハリポタにハマり、イギリスに行ってみたいというので、数年のうちに再訪が実現するかもしれない。

30年前の情報しか知らないので、きっと私はなんの役にも立たないと思うのだけど(英語も今は息子の方が上手い)、育児で15年くらい封じ込められた【個人の楽しみ】を取り返す50代になっていくのかな?

親戚のおばさんって、よく海外旅行に行くよねー、って思っていたけど、あれは育児が一段落して「私」の自由を取り戻していたんじゃないかと、今は思う。

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