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誰でも自分のはしごを持っている(『タンポポ』 伊丹十三監督)

おはようございます!デイリージラフです。
皆さん、おいかがお過ごしでしょうか?

GW明けの平日も明日でクライマックスです。
思ったよりも時間の流れが早くて、あっという間の日々を送っています

昨晩、伊丹十三監督の『たんぽぽ』という映画を観ました。

ストーリーは、宮崎信子さん演じるラーメン屋の未亡人が、街で一番美味しいラーメン屋を目指すというもの。

若かりし頃の役所広司さんや、山崎努さんの出演されています。

この映画は、メインはラーメン屋さんの話なのですが、それ以外にたくさんのサイドストーリーが挿入されています。

まるで『ラブアクチュアリー』や、ウディアレンの『ローマでアモーレ』のような構成になっています。


サイドストーリには、
・ヤクザと美人女性の恋愛
・病の奥さんが生前最後に作るチャーハン
・ホームレスが作るオムレツ
(料理のシーンは伊丹監督が自ら調理し、手元だけ出演)
・スーパーでひたすら商品を潰すことに快感を得る変態婦人

これだけのストーリーがサブストーリーとして映画の中に挿入されています。

東京を舞台とするこの映画。

私たちは、いつも自分のストーリーばかりを考えていて、同時に紡がれている他のストーリーを見過ごしがちです。

街ゆく人たちにも、それぞれのストーリーがある。

その同じ時を生きているということを、サイドストーリーを観ながら感じました。

誰でも自分のハシゴを持ってるのよね。
そのハシゴの精一杯上のほうで生きてる人もいれば
ハシゴがあることも気づかずに地べたに
寝転んでる人もいるのよ

『タンポポ』

この映画で一番印象的だったのが、「自分のハシゴ」の話。

なんだか、背筋がスッと伸びるような、励ましのことばのように感じたのです。

自分は自分のハシゴが見えているだろうか?
怠けて何もしなくても、何か頑張って暮らしても日々は進んでいきます
自分のハシゴとどう付き合ってゆくか。それは自分次第なのです。

自分のハシゴを掴んで、揺られたり、落ちそうになったり、降りたくなったりしつつも、日々の生活と向き合っていこう。そんなふうに思うのです。

まずは、ラーメンが食べたい。多くの人が思ったであろうことを自分も思ったのでした。矢野顕子さんを聞きながら、お昼ご飯のラーメンに思いを馳せて。


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