「愛と呼ぶ」~子育てエッセイと詩~
先日は激しい雨だった。今年に入ってから何度目かの線状降水帯。
これだけ降ると煩わしく思ってしまうこともある雨だけれど、田んぼの稲や畑の作物、道端の草花にとってはきっと恵みの雨。
そんな土砂降りの朝、「散歩する!」と言って車に乗らずに保育園に向かって歩き出す娘。
車で送ることを諦めて、私が傘を差して歩き出すと「貸して」と言って私の傘を奪い、自分の体よりも大きな傘を差して嬉しそうに歩き出す。
絶賛イヤイヤ期に突入した娘は
同時に自分が何がしたいかという主張をしっかりできるようになってきてもいる。
幼い子どもの方が、いつだって自分のやりたいことに正直だ。どんなに自分に正直にいても、自分は愛されると確信しているかのような。すごいなあ。同じ世界に生きているはずなのに、大人になると自分に素直になれないことが増えるのはなぜだろう。
「かーえーるーのーうーたーがー」とたどたどしく歌いながら歩く娘の背中が、光っていた。その光に、一瞬見惚れる。ふと我に返った大人の私が、娘の背中を慌てて追う。
私はこの子の母であるけれど
私から与えられるものはそんなになくて、むしろ娘から与えてもらうものの方が多い。
愛だって、そうだ。
子どもの方が、本当に無償の愛をくれる。私は毎日、その愛をめいっぱい受け取っている。そんなことを、毎日感じている。
幼い娘は守るべき存在だけれど
娘からの大きな愛に、私の方がいつも守られている。あなたの小さな背中は、とても大きい。母はいつも、あなたの背を追うような気持ちでいる。
あなたが大人になった時、素直に愛を受け取れる人でありますように。
どうかこれからも、健やかに。
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