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ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)について考えてみた

みなさんは「D&I」ご存知ですか?ダイバーシティ&インクルージョンと言われるもので、多くの企業が注目し導入に向けて動いています。

「D&I、うちは関係ないかな」
と思った方。じつは関係ある可能性が高いです。

今回はダイバーシティ&インクルージョン(D&I)について紹介します。


ダイバーシティ&インクルージョンとは

辞書的にいうと異なる人やモノの集まりを示す「ダイバーシティ」ですが、今回のテーマでは「社会における多様性」という意味になります。女性や障害を持つ人、外国人、SOGI、LGBTQが取り上げられることが多いです。

インクルージョンとは包括や受容の意。つまりここでいうダイバーシティ&インクルージョンとは、人材の多様性を社会的に受容するということになります。


D&Iは誰のため?

D&Iは誰のためにあるものなのでしょうか。障害を持つ人やLGBTQ+などのマイノリティの人のためでしょうか?

私はそうではないと考えています。

ダイバーシティというと女性活躍や障害者雇用、LGBTQ+などが取り上げられがちですが、そのカテゴリの人たちを特別扱いしようというものではありません。

マジョリティであってもマイノリティであっても、誰でも生きやすく働きやすい職場(もしくは社会)になるようにするものだと私は考えています。そもそも多様性の中にカテゴリは無限に存在し、誰しも何かのマイノリティです。

「私は男性だしマイノリティでもないので関係ない」
という話でもないのです。


まだまだ浸透していない D&I

私が新卒で入社した会社は食品メーカーでしたが、商品開発課は「顧客である主婦の思考を理解できる女性しか雇わない」と言っていました。料理をするのは主婦(女性)というアンコンシャスバイアスも、女性という性でしか雇用しないのも違和感がありますよね。

力仕事など、どうしても男性の身体を持つ人の方が向いているものもありますが、性別はグラデーションですので、1つの性で固定するのはD&Iからは遠そうです

自分に性別がなかったことを想像してみてください(Xジェンダーだった場合など)。たとえば就活アプリや履歴書で性別を「男性 or 女性」で入力する欄を見たら、自分が該当しないことに疎外感を感じてしまうでしょう。そういったことへの小さな配慮が D&I 浸透への第一歩かもしれません。


企業における小さな D&I

「女性管理職の割合を増やしました」
「従業員の数パーセントは障害者雇用です」

企業がD&Iの活動として、発表しているのを見ることがあります。活動自体とても素晴らしいことだと思う一方で、大枠で数字を追うことは本質的ではないなと感じたりもします。

たとえば女性管理職の割合。本質的な目的は「性別にかかわらず管理職になるチャンスをフラットに得られるようにし、誰もが働きやすい環境にする」ことなので、女性管理職が多ければいいというものではありません。目的が手段化してしまっているように見えます。

女性という大きなカテゴリの中ですべての人が管理職になりたいということはありえません。企業は個々に向き合う必要があると考えます。

研修や制度で改革するのもいいですが、私は個々で互いの個性を尊重しあう小さなD&Iがよいと考えています。いくら社内のルールで認められていても、職場の一番近い人間関係が良好でないと働きづらいですよね。

例えば、「髪が短い人、背が高い人、お話が好きな人、声が低い人」がいたとしても「そんなの当たり前の個性だよ」と思いますよね。

すべての人が、どんなカテゴリの人が職場にいても「そんなの当たり前の個性だよ」という感覚で受け入れられるようになると、働きやすい環境が生まれるのではないでしょうか。

わたしたちができること

私たちにできることは、ダイバーシティにおけるある意味での「常識」を身に着けることだと考えています。

  • 自分がマジョリティであり、マイノリティでもあることを認識する。

  • 誰しもがアンコンシャスバイアスをもっていることを知り、意識する。

  • アウティングやマイクロアグレッションをしない。

など、個々を尊重する上で当たり前に芽生える意識をきちんと言語化し、日ごろから意識できるようになれば、お互いが働きやすい社会は訪れるのではないでしょうか。

この記事を書いた人
田中 樹(たなか たつき)
「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」のマーケティングを担当。

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