【人間万事最強が俺】言成誠

【人間万事最強が俺】言成誠

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拾弐週目 大団円 “愛”

道は違えど、時を戻れど、幸せな日々を願う限り、遙かなる明日はどこまでも続く。 それぞれの苦しみや苦悩を乗り越え、再度同じ争いの時空に戻ってきた望美。運命のほころびの決定打であった和議の決裂。この決裂を決定したのは源頼朝、そしてその妻である北条政子であった。戸惑う八葉であったが、望美の強い気持ちから、和議の続行に協力することになる。将臣と敦盛は平家に戻り和議を進め、景時と朔は戦奉行の立場から和議の準備をし、九郎、弁慶、ヒノエは源頼朝に和議の実施を頼み、譲とリズヴァーンは最後に残

    • 拾壱週目 白龍 “異”

      愛とは、痛みである。愛とは、勇気である。愛とは、生である。愛とは、命である。 望美を異世界に連れてきた少年は、白龍の神子に選んだ全き龍(=応龍)の片割れ、白龍そのものであった。白龍に連れて来られた世界は黒龍の消滅並びに怨霊の跋扈に伴い、陰陽の均衡が乱されて世界が危機に瀕していたため、その世界の均衡を取り戻す、つまり白龍の力を取り戻すために選ばれた存在、それが望美が選ばれた白龍の神子であった。平家との戦争の中で、白龍自身の真の力を取り戻すために玄武、朱雀、白虎、青龍の力を手に

      • 拾週目 源九郎義経 “己”

        本当の自分とは、誰かが求める自分ではなく、自分のための自分であること。望美を匿うことの便宜を図ってくれたのは、時の将軍源頼朝が弟にして、源平合戦のヒーロー、源九郎義経その人だった。軍略に白兵戦、一騎当千もものともしないと、源氏の棟梁に申し分ない戦の才を発揮する彼だったが、それは兄頼朝への敬愛と忠誠からであった。自分が戦で功を立てれば兄が作る源氏の世はもっと良いものになる。兄である頼朝はそれを望んでいる。義経はそう信じて疑わずに武勲を立てまくる。しかし、その気持ちはほかの誰でも

        • 玖週目 有川将臣 “義”

          何を成すべきかは、いつだって自分の胸の中にあり、誰にも変えることはできない。 望美と共に異世界に飛ばされたはずだった有川将臣。しかし彼は時空の流れではぐれてしまい、夢の中でしか会えなかった。それでも彼との再会を信じていた望美は、旅を続けた先でとうとう将臣と再会する。しかし彼は、望美たちが飛ばされる2年前から、ずっとこの世界で生きてきたという。望美との再開後。八葉であることは受け入れ、他の八葉とも絆を築くも、どこか協調性に欠ける彼。独自の目的があり、それを優先させようとする将臣

          捌週目 平敦盛 “人”

          “人”とは存在ではなくあり方。”愛”とは行動ではなく生き様。 旅の途中、望美が見つけた、行き倒れている雅な青年。彼は自らを平敦盛と名乗り、「平家に生まれながら平家を捨てた裏切者」「罰を背負いながら死ぬこともできない罪人」「幸せになるべきではない存在」と中二病満載もとい、自己否定を続けながら旅に同行する。綺麗な笛の音を奏で、周囲のことを思いやり、怨霊であっても理解を示そうとする優しい心を持つ敦盛だったが、物語を進める中で彼の正体が明らかになる。彼の正体は、平家にて初めて生まれた

          漆週目 ヒノエ “進”

          カッコいい男が何故カッコいいか?それは常にカッコよくあろうとするから。 旅の途中で出会った少年。ヒノエ。飄々とした態度で望美に対して愛想と甘い言葉を振りまき、軽薄な調子で周囲を引っ掻き回す。一方で自分のことを語りたがらず煙に巻いた態度を崩さない。軽薄ではあるが軽率ではなく、頭脳と胆力に優れ合理的で策謀を張り巡らす。そんなヒノエは旅を続けるにつれて神子としての望美ではなく、一人の人間として望美を見つめ、護るようになる。そして次第に明らかになる、ヒノエの正体とは……。 語る前に

          遙かなる時空の中で3 各ルート乾燥した換装

          ※注意この感想忘備録には遙かなる時空の中で3のネタバレが多く含まれています。未プレイの方が読むことはご遠慮ください。また、本来プレイ対象層ではないアラサーノンケ成人男性の偏見が多く含まれた感想が多く含まれておりますので、望んだ評価であるとは限りません。 この感想を読んで気持ちを害された場合、もしくは解釈違いによるストレスを感じた場合であっても、一切の責任並びに謝罪は行いませんのでご了承ください。 事前にこの記事はニコニコ生放送並びにニコニコ動画にて配信している「遙かなる時空

          遙かなる時空の中で3 各ルート乾燥した換装

          陸週目 リズヴァーン “叶”

          小さい頃に助けてくれたお姉さんに、やっとありがとうが言えた男の子の物語。 九郎の剣の師だという、神出鬼没で鬼と呼ばれた謎多き青年リズヴァーン。彼もまた望美を守る八葉であった。彼はまさに人知を超えた力で望美を陰に日向に守り続けるが、決して彼自身のことを答えることはない。そんなリズヴァーンに好意と興味を寄せる望美は、リズヴァーンのことをもっと知ろうとするが、リズヴァーンは己のことを語りたがらないばかりか、強くなった望美の前から姿を消そうとする。リズヴァーンのことを追い続ける望美だ

          陸週目 リズヴァーン “叶”

          伍週目 梶原朔 “臨”

          好きな人にもう一度会うためにがんばる、恋する乙女のラブストーリー。プレイした時から既に「しっかり者で優しいお姉さん的な親友」であることはわかっていたので、√があるということはとても嬉しかったのと同時に、朔ちゃんの新しい姿を見るのがとても怖かったな、とは思いました。でもそれ以上に、尼さんになった朔ちゃんの心の闇を見ておきたかった、というのがあります。結論から言えば、今までのルートの中で一番と言っていいほど胸がいっぱいになるシナリオでした。 弁慶√の感想で語っている通り、弁慶が龍

          肆週目:武蔵坊弁慶 “悪”

          正しさや理想のために、裏切り、嘘をつき、欺き続け、己の中の悪に向き合った大悪党へ。武蔵坊弁慶はキャラクター造形から二人とも「裏切りそうな男」という意見で合致していました。それは声優さんの演技もそうだしビジュアルもそう、言葉選びに至るまで絶対に腹に何かを抱えているな、と感じていました。実際彼の目的は唯一つで「戦争に関係のない人達が殺されなくて済むよう、早く戦争を終わらせる」こと。そのためであれば平家にも寝返るし殺す必要のない兵士も殺すし望美も誘拐する。特に弁慶が犯した大罪は、黒

          肆週目:武蔵坊弁慶 “悪”

          参週目;梶原景時 “嘘”

          嘘をつくためには、信じてもらわないと、それは嘘にすらならない。景時さんは丼さんがこの人良いな、と思ったのがきっかけでした。確かに常に余裕があり、かっこよく、飄々としている性格。我々がなりたかったクールで穏やかな大人。それが景時さんの第一印象でした。しかし、それは個別ルートに入ることで粉々に打ち砕かれました。いい意味でも、悪い意味でも。 個別ルートに入った我々が見たのは常に余裕があって何でもできる、井上和彦ボイスに違わない、かっこいい大人な景時兄さんなんかではありませんでした。

          参週目;梶原景時 “嘘”

          弐週目;有川譲 “恋”

          愛だけに生き、恋から逃げていた男が、恋を知る話。有川譲は、言成としては第一印象で好きになった男です。先輩のことをしか見えておらず、他の人への興味はまるでなし。自分よりも出来る男が近くにいることに焦り、それなら自分の気持ちは抑え込み、幸せだけを願う。他者に対しては誰よりも幸せになってほしいと願うくせに、自分のことを裁量に入れない。無欲な欲張り。それが、彼の印象です。 有川譲は異世界に飛ばされる前から文字通り、先輩(=望美)の幸せだけを求めていました。もしかしたら描写されていない

          壱週目:全滅エンド

          人物への愛、ゲームへの愛が足りない初週主人公の春日望美は、ひょんなことから幼馴染の同級生有川将臣と、将臣の弟である後輩有川譲と共に平安時代末期、平家物語に近い時代背景の異世界に迷い込んでしまう。そこで出会った白龍という少年から、望美は自身が”白龍の神子”であること、この世には怨霊と呼ばれる魑魅魍魎がおり、それらを浄化する力を持つこと、白龍の神子はその力を使って世界の混沌をあるべき姿に戻すことが役目であること、そして彼女を守る八葉と呼ばれる仲間がいることを告げられる。混乱する中