壱週目:全滅エンド

人物への愛、ゲームへの愛が足りない初週

主人公の春日望美は、ひょんなことから幼馴染の同級生有川将臣と、将臣の弟である後輩有川譲と共に平安時代末期、平家物語に近い時代背景の異世界に迷い込んでしまう。そこで出会った白龍という少年から、望美は自身が”白龍の神子”であること、この世には怨霊と呼ばれる魑魅魍魎がおり、それらを浄化する力を持つこと、白龍の神子はその力を使って世界の混沌をあるべき姿に戻すことが役目であること、そして彼女を守る八葉と呼ばれる仲間がいることを告げられる。混乱する中で望美は、梶原朔と名乗る少女、義経と弁慶を名乗る青年と知り合い、またその出会いの中で譲が八葉の一人であることを知り、彼らと行動を共にする。その中で朔の兄である梶原の景時、義経の師であるリズヴァーン、自らを平家の裏切り者を名乗る平敦盛、飄々として掴みどころのない軟派男ヒノエと知り合い、絆を深めていく。また、はぐれていた有川将臣と合流した際、八葉だったことを知る。物語を進めていくにつれ、平家が怨霊を操り戦争に使っていることを知る望美たちだったが、一之谷の戦いでは奇襲を読まれたりなど、我々が知っている歴史から外れることが起こり、最終的に全滅してしまう。白龍は神子である望美を守るため、自らの消滅を知りながら逆鱗を望美に託す。逆鱗を託された望美は、歴史を飛び、誰も死なない世界のため、時空を超える旅を始める。しかしそれは同時に、それぞれの人物がもつ苦悩や不安を知ることにもなるのだった……。
記念すべき初回。そういえば、この配信をしていたときの僕は「他の乙女ゲーだと……」「他のノベルゲーだと……」などと言ったり、丼さんも「歴史的には……」「主人公としては……」など、そのゲームのことをしっかり見ていなかったかもしれません。それもあり、それぞれの人物のことを”キャラクター”でしか見ていなかったと反省しているし、それと同時に、それぞれのキャラクターを知るきっかけになったと感じています。我々が知っている筋骨隆々な大男に見えない弁慶に髷がポニーテールにしか見えない若武者すぎる義経、望美への愛が重い、とヤンデレ扱いしてきた譲、余裕な大人にしか見えなかった景時、何を言っているのかわからないリズ先生、中二病にしか見えない敦盛、ただのチャラ男にしか見えなかったヒノエ、ふんわりと主人公ムーブしてんな、くらいしかとらえていなかった将臣。そんな人物を知るために、そしてプレイヤーは、”人物”を知らなかかったと突き詰めるためには、このバッドエンドは必要だったと感じています。

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