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2nd step #10 教科書では知り得なかった【戦争の歴史】を学んだ50分

DMMでDaily Newsのレッスンを始めて半年が経った。

半年前始めた頃、一番下のレベル5の記事を読むのもおぼつかなかったのが、最近は一度音読すると大半の意味は理解できる位になった。

時折レベル5・6の記事だと面白みを感じない時もあり、思い切って一つ上のレベル7の記事に挑戦してみることにした。

この日私が選んだレベル7の記事は、

【ダーク・ツーリズム】

に関する記事だった。

ダーク・ツーリズムとは、戦争で被害を受けたところや災害に見舞われたところを訪れる旅についての造語なのだそうだ。

記事のトップには、引き込み線の先に【死の門】がそびえ立つ、あの有名なポーランドのアウシュビッツ=ビルケナウ収容所のモノクロ写真が載っていた。

最初この記事を見つけた時、この記事はポーランドの先生とのレッスンで受けたいなと思った。

早速予約を取り予習を始めたのだけれど、記事のレベルも上がっているので、理解する難しさと、戦争や迫害といった重いテーマが重なって、驚く程予習が進まない。

次第に、先生がこの記事を嫌がったらどうしようという、余計な考えまで浮かんできたので、仕方なく予習を諦めて、結局その日は別の記事でレッスンを受けた。

翌日、この日はポーランドの先生はレッスンが無かった為、セルビアの先生のレッスンを受けた。

この先生とは以前、レッスン中に戦争の話を少しだけしたことがあったので、思い切ってこの【ダーク・ツーリズム】の記事にトライしてみた。

レッスンが始まった時、先生に、

「この記事はとても難しいです」

と正直に言ってみたら、とても丁寧に説明してくれた。

そしてレッスンの中で、隣国クロアチアに第二次世界大戦中、ヤセノヴァツ収容所という大きな収容所があったと教えてくれた。

そこには、セルビア人・ロマ(ジプシー)・ユダヤ人・イスラム教徒などが収容されたそうだ。

「大きな収容所があったのは、ポーランドだけじゃないの」

先生が言った言葉から、教科書の中でも語られることのなかった歴史に触れた気がした。

そして25分のレッスンが終わった後、ふと、もう一度同じ記事をポーランドの先生で受けてみたいと思った。

翌日、幸運にもその先生のレッスンが予約できた。

レッスンが始まり先生は、記事の上に載っていたあのアウシュビッツの写真をみて、

「有名な写真ですね」

と静かに言った。

そして、記事の中にあった単語の1つ、

【concentration camp=強制収容所】

という単語について解説を始めた。

「concentration campというのは、囚人が強制労働させられる収容所の事で、ここの場合は、Extermination camp=Death campです。」

と教えてくれた。

Extermination camp、意味は絶滅収容所だった。

そして、先生は、

「実は最近ここに行ったんです」

と言い、

「もし嫌でなければ…」

と断りを入れて、自分で撮ってきた3枚の写真を見せてくれた。

それは、

青く塗られた柱に、収容されたユダヤ人が彫った【1939・1940・1941】の、生きた証であろう年号

左胸に囚人番号のついた有名なストライプの囚人服

無言で歴史の悲惨さを伝えている収容所のエントランス

の写真だった。

レッスン中先生は、戦争について自分の主観を述べることは無かった。

でも教えてくれた、収容所という言葉の意味の違いと、先生が撮った3枚の写真は、私が今まで見てきたどの映画やドキュメンタリー映像よりも、戦争という歴史の重さを身近なものに感じさせた。

私は昔ポーランドに行ったことがある。

でもその時は、勇気が無くてアウシュビッツには行かなかった。

興味本位で行く場所じゃないし、それ相応の覚悟がいる。

ずっと良い所しか見なかった後ろめたさみたいなものもあった。

レッスンの終わり、私は先生に写真を見せてくれたお礼を言った。


写真の中でアウシュビッツの真上に広がっていた空は、私が今見ている空と同じ、とても美しい夏空だった。


ここまで読んで頂き、ありがとうございました。



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yatch
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